最近の翔栄ファームコラムでは、
「食生活と残留農薬」
「ファスティングの効用」
といった、日常生活における
「自分でできる食のリスク軽減」の
基礎に触れてまいりました。
現代社会において
完璧に農薬やそれ以外の食糧に関するリスクを
回避することは残念ながら不可能です。
どこかで聞いた話ではありますが、これらとは
上手く共存していくことが不可欠なのです。
残留農薬に関しましては
生鮮品にだけ気を付ければいいわけではなく、
加工品、薬剤などなど、
どこにそれが潜んでいるか分かりません。
つまりかなり高い意識を持ってしても
一定の各種化学薬品は体内に蓄積されている
と考えるべきなのです。
したがって、調理前に
どれだけ残留農薬を減少させられるのか?
それをどのように排出するのか?
その後はどのような食生活をするべきなのか?
これらは一連のパッケージであり、
もはや一般教養として実践する、
そんな必要があると思うのです。
しかし、、、これだけでは不十分です。
というわけで今回のテーマは、
「食品表示の読み方テクニック」と題して、
食品ラベルの基本的な見方について
説明していきたいと思います。
■ 食品表示のルール
食品表示にはいくつかのルールがあります。
あるいはルールに則って形成されています。
今回は代表的なものを
いくつか挙げてみようと思います。
先ず1つ目は、
「原材料は重量順に記入する」というものです。
そして2つ目は「食品添加物は簡略名を使ったり、
物質名ではなく一括名での表示が認められている」
というものです。
この「一括名での表示」が認められている
食品添加物とは、下記の14種類になります。
●イーストフード
●ガムベース
●かんすい
●苦味料
●酵素
●光沢剤
●香料または合成香料
●酸味料
●軟化剤(チューインガム軟化剤)
●調味料(その構成成分に応じて種類別を表示)
●豆腐用凝固剤又は凝固剤
●乳化剤
●水素イオン濃度調整剤またはpH調整剤
●膨脹剤(ベーキングパウダー、ふくらし粉)
これはかなりのブラックボックスで、
乳化剤一つとってみても様々な種類が
ひとまとめになっているだけではなく、
怪しげな物質も少なからず含まれるようです。
■ 遺伝子組み換えの表示ルール
ポイントは下記の3つです。
1: 上位から4番目以降は、表示義務がない
2: 重量割合が5%未満なら表示義務がない
3: 5%以内の遺伝子組み換えの混入は認められている
1つ目のポイントの一例として、
20種類の原材料による加工品であれば
重量順に上位3種の表示は必要ですが、
残り17種類は何も記載しなくてもいい
ということです。
仮にこの残り17種類のすべてが
遺伝子組換えであったとしてもです。
2つ目のポイントの例としては、
あくまでも仮定の話に過ぎませんが、
醤油で考えてみたいと思います。
大豆が全重量の90%。残りの10%が小麦で、
残り4%分が遺伝子組換え小麦の場合でも
この4%分の小麦に表示義務はありません。
そして間違いなくこの醤油は
「遺伝子組換えでない」と記載されています。
3つ目も同様です。
「遺伝子組換えでない」と表示された納豆に
4%の遺伝子組換え大豆が混入していても
問題なしということです。
■ 日本が認める遺伝子組み換え農産物
翔栄ファームのコラムでは、
遺伝子組換え作物については
何度が取り上げたことがあります。
「遺伝子組換え作物はどのような食品に使われていますか?」
「遺伝子組換え表示について」
あらためておさらいですが、
日本が認めている遺伝子組換えの輸入作物は、
「とうもろこし、大豆、セイヨウナタネ、綿、
パパイヤ、アルファルファ、テンサイ、ジャガイモ」
の8種類です。
これらがどんな食材に使われているか
代表的なものを挙げてみます。
- とうもろこし… 果糖ブドウ糖液糖、水飴、植物油、飼料
- 大豆… 植物油、飼料
- 綿… 綿実油(植物油)
- パパイヤ… 生食
- アルファルファ… “スプラウト”としてサラダやサンドウィッチ等
- テンサイ… 甘味料、甜菜糖
- ジャガイモ… フライドポテト、スナック菓子、でんぷん
とまあ、こんな感じではありますが、
我々の食生活は遺伝子組換え作物の影響を
見えないところで受けています。
■ 生物濃縮(または生体濃縮)とは?
食品表示とは少し離れますが、
「生物濃縮(または生体濃縮)」
という言葉をご存じでしょうか?
Wikipediaでは、
「疎水性が高く、代謝を受けにくい化学物質は、尿などとして体外に排出される割合が低いため、生物体内の脂質中などに蓄積されていく傾向がある。特定の化学物質を含んだ生物を多量に摂取する捕食者では、さらに体内での物質濃度が上昇する。食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する」
とあります。
もうお分かりだと思います。
我々の見えないところでの
遺伝子組換え作物の悪影響とは、
ずばり食肉です。
誤解を恐れずに言えば、
スーパーなどの一般流通小売で入手可能な精肉は、
そのほとんどが遺伝子組換え飼料を食べた
牛、豚、鶏であり、それらを日常的に食べています。
生物濃縮の説明にあった上位捕食者とは
まさに私たちなのです。
この影響は精肉だけに止まらず、
当然それらが産出する乳製品や卵にも及んでいます。
仮にこの悪影響を毒と呼ぶのであれば、
この毒は遺伝子組換えだけではなく、
抗生物質、ホルモン剤、飼料栽培の残留農薬、除草剤等、
様々な化学薬品を含んでいるのです。
■ 見る目を育てる訓練の大切さ
繰り返しますが、
今回のコラムのタイトルは
「食品表示の読み方テクニック」です。
加工品を一切排除した生活を送ることは
先ず不可能でしょう。
ということは食品表示からどのような情報を
読み取れるのか、あるいは見抜けるか、
ということが生きる知恵であることが
お分かりいただけると思います。
私たちは安心安全な農作物を
作る以外の術を持ち合わせていませんが、
自然栽培のかけがえのない価値を
知る者の一員です。
翔栄ファームではこれからも多くの方に
正しい食の選択をしてもらうべく、
実生活で役立つであろう情報を多くの方に
共有していきたいと思っています。
我々翔栄ファームも含めた
私たち(皆様も含めた)全員が、
真実を見抜く目を養えるよう、
日々努力していきたいと思っています。
最近の翔栄ファームコラムでは、
「食生活と残留農薬」https://syouei-farm.net/anzen/201013/
「ファスティングの効用」https://syouei-farm.net/anzen/201020/
といった、日常生活における「自分でできる食のリスク軽減」の基礎に触れてまいりました。
現代社会において、完璧に農薬やそれ以外の食糧に関するリスクを回避することは残念ながら不可能です。どこかで聞いた話ではありますが、これらとは上手く共存していくことが不可欠なのです。
残留農薬に関しましては生鮮品にだけ気を付ければいいわけではなく、加工品、薬剤などなど、どこにそれが潜んでいるか分かりません。つまりかなり高い意識を持ってしても一定の各種化学薬品は体内に蓄積されていると考えるべきなのです。
したがって、調理前にどれだけ残留農薬を減少させられるのか? それをどのように排出するのか? その後はどのような食生活をするべきなのか? これらは一連のパッケージであり、もはや一般教養として実践する、そんな必要があると思うのです。
しかし、、、これだけでは不十分です。
というわけで今回のテーマは、「食品表示の読み方テクニック」と題して、食品ラベルの基本的な見方について説明していきたいと思います。
■ 食品表示のルール
食品表示にはいくつかのルールがあります。あるいはルールに則って形成されています。今回は代表的なものをいくつか挙げてみようと思います。
先ず1つ目は、「原材料は重量順に記入する」というものです。
そして2つ目は「食品添加物は簡略名を使ったり、物質名ではなく一括名での表示が認められている」というものです。
この「一括名での表示」が認められている食品添加物とは、下記の14種類になります。
●イーストフード
●ガムベース
●かんすい
●苦味料
●酵素
●光沢剤
●香料または合成香料
●酸味料
●軟化剤(チューインガム軟化剤)
●調味料(その構成成分に応じて種類別を表示)
●豆腐用凝固剤又は凝固剤
●乳化剤
●水素イオン濃度調整剤またはpH調整剤
●膨脹剤(ベーキングパウダー、ふくらし粉)
これはかなりのブラックボックスで、乳化剤一つとってみても様々な種類がひとまとめになっているだけではなく、怪しげな物質も少なからず含まれるようです。
■ 遺伝子組み換えの表示ルール
ポイントは下記の3つです。
1: 上位から4番目以降は、表示義務がない
2: 重量割合が5%未満なら表示義務がない
3: 5%以内の遺伝子組み換えの混入は認められている
1つ目のポイントの一例として、20種類の原材料による加工品であれば、重量順に上位3種の表示は必要ですが、残り17種類は何も記載しなくてもいい、ということです。仮にこの残り17種類のすべてが遺伝子組換えであったとしてもです。
2つ目のポイントの例としては、あくまでも仮定の話に過ぎませんが、醤油で考えてみたいと思います。
大豆が全重量の90%。残りの10%が小麦で、残り4%分が遺伝子組換え小麦の場合でもこの4%分の小麦に表示義務はありません。そして間違いなくこの醤油は「遺伝子組換えでない」と記載されています。
3つ目も同様です。「遺伝子組換えでない」と表示された納豆に4%の遺伝子組換え大豆が混入していても問題なしということです。
■ 日本が認める遺伝子組み換え農産物
翔栄ファームのコラムでは、遺伝子組換え作物については何度が取り上げたことがあります。
「遺伝子組換え作物はどのような食品に使われていますか?」https://syouei-farm.net/anzen/200602/
「遺伝子組換え表示について」https://syouei-farm.net/anzen/191029/
あらためておさらいですが、日本が認めている遺伝子組換えの輸入作物は、「とうもろこし、大豆、セイヨウナタネ、綿、パパイヤ、アルファルファ、テンサイ、ジャガイモ」の8種類です。これらがどんな食材に使われているか代表的なものを挙げてみます。
- とうもろこし… 果糖ブドウ糖液糖、水飴、植物油、飼料
- 大豆… 植物油、飼料
- 綿… 綿実油(植物油)
- パパイヤ… 生食
- アルファルファ… “スプラウト”としてサラダやサンドウィッチ等
- テンサイ… 甘味料、甜菜糖
- ジャガイモ… フライドポテト、スナック菓子、でんぷん
とまあ、こんな感じではありますが、我々の食生活は遺伝子組換え作物の影響を、見えないところで受けています。
■ 生物濃縮(または生体濃縮)とは?
食品表示とは少し離れますが、「生物濃縮(または生体濃縮)」という言葉をご存じでしょうか?
Wikipediaでは、
「疎水性が高く、代謝を受けにくい化学物質は、尿などとして体外に排出される割合が低いため、生物体内の脂質中などに蓄積されていく傾向がある。特定の化学物質を含んだ生物を多量に摂取する捕食者では、さらに体内での物質濃度が上昇する。食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する」
とあります。
もうお分かりだと思います。我々の見えないところでの遺伝子組換え作物の悪影響とは、ずばり食肉です。
誤解を恐れずに言えば、スーパーなどの一般流通小売で入手可能な精肉は、そのほとんどが遺伝子組換え飼料を食べた牛、豚、鶏であり、それらを日常的に食べています。生物濃縮の説明にあった上位捕食者とはまさに私たちなのです。この影響は精肉だけに止まらず、当然それらが産出する乳製品や卵にも及んでいます。
仮にこの悪影響を毒と呼ぶのであれば、この毒は遺伝子組換えだけではなく、抗生物質、ホルモン剤、飼料栽培の残留農薬、除草剤等、様々な化学薬品を含んでいるのです。
■ 見る目を育てる訓練の大切さ
繰り返しますが、今回のコラムのタイトルは「食品表示の読み方テクニック」です。
加工品を一切排除した生活を送ることは先ず不可能でしょう。ということは食品表示からどのような情報を読み取れるのか、あるいは見抜けるか、ということが生きる知恵であることがお分かりいただけると思います。
私たちは安心安全な農作物を作る以外の術を持ち合わせていませんが、自然栽培のかけがえのない価値を知る者の一員です。
翔栄ファームではこれからも多くの方に正しい食の選択をしてもらうべく、実生活で役立つであろう情報を多くの方に共有していきたいと思っています。
我々翔栄ファームも含めた私たち(皆様も含めた)全員が、真実を見抜く目を養えるよう、日々努力していきたいと思っています。