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土について考えてみる(後編)

    Home 食の安心安全について 土について考えてみる(後編)
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    土について考えてみる(後編)

    By sg_webmaster | 食の安心安全について | Comments are Closed | 23 4月, 2021 | 1

    2回に渡ってお届けするコラム
    「土について考えてみる」
    今回は後編になります。

    前編(https://syouei-farm.net/anzen/210409/)では、
    「土は有限なものであり、貴重な資源である」
    ということを基軸に据えて、【「表土」の重要性】、
    【「土の劣化と荒廃」が文明崩壊の第一段階である】、
    【世界の1/4の土壌がひどく衰えている】、
    ということについて、
    幻冬舎刊「Spectator 第47号【土のがっこう】」の
    土壌学者:福田直氏のインタビュー記事を参考に
    話を進めて参りました。

    今回はその続き(後編)となります。

    ■ 化学肥料・農薬の功罪

    当コラムの読者の皆様に
    敢えてお伝えするほどのことではありませんが、
    “なぜ土壌が衰えてしまうのか”という
    大きな要因の一つ(もしかしたら最大?)は、
    “化学肥料と農薬の大量使用”です。
    なぜならば、近年の化学肥料や農薬は
    自然生態系で分解することができないためです。
    つまりこれらによる“土の酷使”が
    土壌崩壊ギリギリのところまで追いつめているのです。

    ご存の通り、化学肥料と農薬の開発の歴史は、
    世界人口の増加の歴史でもあります。
    18世紀半ばのイギリス産業革命によって、
    世界の人口は爆発的増加を開始します。
    それに伴い食料の増産が喫緊の課題となり、
    “土の持つ性質”に関する研究が一気に加速します。
    ここから「植物には窒素、リン酸、
    そしてカリウムの三要素が必須であり、
    土壌の無機物質が植物の栄養に重要である」
    という考え方が定着し、
    “土壌化学”といわれるものが発展していったのです。

    また、生産性を上げるために
    トラクター、コンバイン、トラックなどの
    大型農農機が使用されるようになり、
    農業は工業化、大規模経営化に進展します。
    前回は【「表土」がとても大切】というお話をしましたが、
    大型の農機の重さによって土が押しつぶされ、
    “団粒構造”と呼ばれる土の大事な構造が壊さてしまい、
    “単粒化”していった結果として、
    “浸食”が起こりやすくなってしまうのです。

    ■ 団粒構造と単粒構造

    ここで“団粒構造”についてご説明します。
    土は、「固相、液相、気相」という
    3つの相(要素)から成り立っています。
    簡潔に言えばこの三つの相の
    バランスが取れた土のことを“団粒構造”といいます。
    いわゆる「肥えた土」のことです。

    「固相」は鉱物、落ち葉や動物の糞などの有機物に加え、
    生きている土壌生物や微生物も含まれ、
    様々な養分が保持されています。
    植物はこの養分によって成長します。
    そして、植物が根から養分を吸収するためには、
    適度な水(液相)、空気(気相)も必要です。
    つまり、大雨の後にも水が停滞しない排水性、
    干ばつの際にも根に水分を与えるための保水性、
    根に十分な空気を送り込む通気性、
    これら相反するような各性質のすべてを
    同時に実現する土壌が“団粒構造”の土なのです。

    話を戻します。

    押しつぶされた土は“団粒構造”が壊れ“単粒化”し、
    土壌の浸食が起こりやすくなるとお話しました。
    “単粒化”または“単粒構造”とは
    土の粒子が独立している状態のことをいいますが、
    粒子が細かいと粘土になるため水はけが悪く、
    粒子が粗いと砂となり今度は水はけが良すぎてしまいます。
    いずれにせよ植物の栽培には全く向きません。

    ■ 改めて言います。「土は有限なものであり、貴重な資源である」

    勘の良い方はすでにお気づきだと思います。
    そうです。両者に最大の違いは、
    土の中に自然由来の有機物や土壌生物、
    微生物が十分に存在しているかということなのです。

    大規模農業によって土壌が単粒化していく、
    すなわち有機物等が不足してくると
    土壌に人工的に有機質肥料を与えることになります。
    そこへ収量を上げるための化学肥料、
    そして農薬を使い続けるのです。
    この繰り返しです。

    更に、そこには“輪作”という発想はなく
    単一作物を作り続けます。
    こうして土の力は弱くなりやがて衰えていきます。
    これが現実です。

    恐らく農業従事者、政治家、科学者は
    この事実を知っていたと思うのです。
    残念ながら状況の大きな改善が見られることはなく、
    化学肥料、農薬の投与量はますます増加、
    20世紀後半には大量生産・大量消費が確立され、
    現在の食糧サプライチェーンへと繋がっていったのです。

    そして現状は私たちが知っている通りです。
    食糧の生産量だけを見れば
    世界の全ての人が食べる十分な量があるにもかかわらず、
    この現在の食糧サプライチェーン、
    すなわち世界の食糧流通システムが
    世界的レベルの飢餓を加速させているのは強烈な皮肉です。
    もともとは世界人口の増加に対する飢えの撲滅が
    目的であったにもかかわらずです。

    ■ 「土」という漢字

    これは世界全体で考えるべき大問題ですが、
    最後に、一つのとっかかり(?)として、
    「土」という漢字の成り立ちの“ある一説”を
    ご紹介したいと思います。

    「土」という字の2本の横棒「-」。
    上の横棒「-」は「表土層」(※最も大切な土の部分)。
    下の横棒「-」は「底土層」(※鉱物、岩盤)。

    「土」という漢字の縦「|」が「植物」。
    「表土層」より上に出た縦棒部分が「植物の地上部分」。
    「表土層」より下の縦棒部分が「植物の根の部分」。

    もし、上の横棒「-」である「表土層」がないと……
    換言すれば「肥えた土」がなくなってしまえば、
    植物は育たず、根はむき出しになってしまうのです。

    「土は有限なものであり、貴重な資源である。」
    この意識を持つことがやはり大切だと思います。

    (「土について考えてみる」終わり)

    2回に渡ってお届けするコラム「土について考えてみる」今回は後編になります。

    前編(https://syouei-farm.net/anzen/210409/)では、「土は有限なものであり、貴重な資源である」ということを基軸に据えて、【「表土」の重要性】、【「土の劣化と荒廃」が文明崩壊の第一段階である】、【世界の1/4の土壌がひどく衰えている】、ということについて、幻冬舎刊「Spectator 第47号【土のがっこう】」の土壌学者:福田直氏のインタビュー記事を参考に話を進めて参りました。

    今回はその続き(後編)となります。

    ■ 化学肥料・農薬の功罪

    当コラムの読者の皆様に敢えてお伝えするほどのことではありませんが、“なぜ土壌が衰えてしまうのか”という大きな要因の一つ(もしかしたら最大?)は、“化学肥料と農薬の大量使用”です。なぜならば、近年の化学肥料や農薬は自然生態系で分解することができないためです。つまりこれらによる“土の酷使”が土壌崩壊ギリギリのところまで追いつめているのです。

    ご存の通り、化学肥料と農薬の開発の歴史は、世界人口の増加の歴史でもあります。18世紀半ばのイギリス産業革命によって、世界の人口は爆発的増加を開始します。それに伴い食料の増産が喫緊の課題となり、“土の持つ性質”に関する研究が一気に加速します。ここから「植物には窒素、リン酸、そしてカリウムの三要素が必須であり、土壌の無機物質が植物の栄養に重要である」という考え方が定着し、“土壌化学”といわれるものが発展していったのです。

    また、生産性を上げるためにトラクター、コンバイン、トラックなどの大型農農機が使用されるようになり、農業は工業化、大規模経営化に進展します。前回は【「表土」がとても大切】というお話をしましたが、大型の農機の重さによって土が押しつぶされ、“団粒構造”と呼ばれる土の大事な構造が壊さてしまい、“単粒化”していった結果として、“浸食”が起こりやすくなってしまうのです。

    ■ 団粒構造と単粒構造

    ここで“団粒構造”についてご説明します。土は、「固相、液相、気相」という3つの相(要素)から成り立っています。簡潔に言えばこの三つの相のバランスが取れた土のことを“団粒構造”といいます。いわゆる「肥えた土」のことです。

    「固相」は鉱物、落ち葉や動物の糞などの有機物に加え、生きている土壌生物や微生物も含まれ、様々な養分が保持されています。植物はこの養分によって成長します。そして、植物が根から養分を吸収するためには、適度な水(液相)、空気(気相)も必要です。つまり、大雨の後にも水が停滞しない排水性、干ばつの際にも根に水分を与えるための保水性、根に十分な空気を送り込む通気性、これら相反するような各性質のすべてを同時に実現する土壌が“団粒構造”の土なのです。

    話を戻します。

    押しつぶされた土は“団粒構造”が壊れ“単粒化”し、土壌の浸食が起こりやすくなるとお話しました。“単粒化”または“単粒構造”とは土の粒子が独立している状態のことをいいますが、粒子が細かいと粘土になるため水はけが悪く、粒子が粗いと砂となり今度は水はけが良すぎてしまいます。いずれにせよ植物の栽培には全く向きません。

    ■ 改めて言います。「土は有限なものであり、貴重な資源である」

    勘の良い方はすでにお気づきだと思います。
    そうです。両者に最大の違いは、土の中に自然由来の有機物や土壌生物、微生物が十分に存在しているかということなのです。

    大規模農業によって土壌が単粒化していく、すなわち有機物等が不足してくると土壌に人工的に有機質肥料を与えることになります。そこへ収量を上げるための化学肥料、そして農薬を使い続けるのです。この繰り返しです。

    更に、そこには“輪作”という発想はなく単一作物を作り続けます。こうして土の力は弱くなりやがて衰えていきます。これが現実です。

    恐らく農業従事者、政治家、科学者はこの事実を知っていたと思うのです。残念ながら状況の大きな改善が見られることはなく、化学肥料、農薬の投与量はますます増加、20世紀後半には大量生産・大量消費が確立され、現在の食糧サプライチェーンへと繋がっていったのです。

    そして現状は私たちが知っている通りです。食糧の生産量だけを見れば世界の全ての人が食べる十分な量があるにもかかわらず、この現在の食糧サプライチェーン、すなわち世界の食糧流通システムが世界的レベルの飢餓を加速させているのは強烈な皮肉です。もともとは世界人口の増加に対する飢えの撲滅が目的であったにもかかわらずです。

    ■ 「土」という漢字

    これは世界全体で考えるべき大問題ですが、最後に、一つのとっかかり(?)として、「土」という漢字の成り立ちの“ある一説”をご紹介したいと思います。

    「土」という字の2本の横棒「-」。
    上の横棒「-」は「表土層」(※最も大切な土の部分)。
    下の横棒「-」は「底土層」(※鉱物、岩盤)。

    「土」という漢字の縦「|」が「植物」。
    「表土層」より上に出た縦棒部分が「植物の地上部分」。
    「表土層」より下の縦棒部分が「植物の根の部分」。

    もし、上の横棒「-」である「表土層」がないと……換言すれば「肥えた土」がなくなってしまえば、植物は育たず、根はむき出しになってしまうのです。

    「土は有限なものであり、貴重な資源である」この意識を持つことがやはり大切だと思います。

    (「土について考えてみる」終わり)

    参照資料
    幻冬舎刊「Spectator 第47号【土のがっこう】」(土壌学者・福田 直インタビュー)

    化学肥料, 土, 土壌, 土壌汚染, 微生物, 無化学肥料, 無農薬, 翔栄ファーム, 自然栽培, 農業, 農薬, 遺伝子組み換えでない, 野菜

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