多様化が進む日本人の食事スタイル。
我々にとっては当たり前のはずの「和食」が
記憶から消え去る日も、もしかしたら
遠くないのかもしれません。
そうなる前に、今週から
3回(前編、中編、後編)にわたって
「食文化としての和食」を
眺めてみようと思います。
多様化が進む日本人の食事スタイル。我々にとっては当たり前のはずの「和食」が記憶から消え去る日も、もしかしたら遠くないのかもしれません。
そうなる前に、今週から3回(前編、中編、後編)にわたって「食文化としての和食」を眺めてみようと思います。
食文化の本質
これまでのコラムの繰り返しになりますが、
日本の食文化は大きな変革期を迎えています。
外食、中食、通販、ファストフード……
これに各国の食物が掛け算されていきます。
海外では空前の日本食ブーム。
その勢いは衰えを知らず、益々盛んに。
更に日本食の本質的クオリティーの追及を
深化させながら高めていくという、
目覚しい向上心を感じさせる程です。
そしてその範囲は食材・調理法に留まらず
和食フォーマット(和食のあり方)の
研究にまで及んでいます。
さて、舞台を日本に戻します。
そもそも冒頭の問題提起である
「日本の食文化の変化」とは何であるか?
あるいは、「変わる前の日本の食文化」とは何か?
というよりも果たしてこれらを説明できる
日本人がどれだけいるのだろうか?
こんな疑問すら湧いてくるのが
現状ではないでしょうか。
実は「食文化」という言葉は比較的新しく、
この概念の提示は1970年後半、人類学視点の下に
一つの研究領域として確立したものです。
食文化の本質には、
「その地域の自然環境に最も合致したもの」
という要素が必要不可欠です。
食文化の本質
これまでのコラムの繰り返しになりますが、日本の食文化は大きな変革期を迎えています。外食、中食、通販、ファストフード……これに各国の食物が掛け算されていきます。
海外では空前の日本食ブーム。その勢いは衰えを知らず、益々盛んに。更に日本食の本質的クオリティーの追及を深化させながら高めていくという、目覚しい向上心を感じさせる程です。
そしてその範囲は食材・調理法に留まらず、和食フォーマット(和食のあり方)の研究にまで及んでいます。
さて、舞台を日本に戻します。
そもそも冒頭の問題提起である 「日本の食文化の変化」とは何であるか? あるいは、「変わる前の日本の食文化」とは何か? というよりも果たしてこれらを説明できる日本人がどれだけいるのだろうか?
こんな疑問すら湧いてくるのが現状ではないでしょうか。
実は「食文化」という言葉は比較的新しく、この概念の提示は1970年後半、人類学視点の下に一つの研究領域として確立したものです。食文化の本質には、「その地域の自然環境に最も合致したもの」 という要素が必要不可欠です。
日本の食は、日本の自然環境に根ざしていない
しかし、今や日本における食文化を
支えるはずの食材はその多くが輸入品です。
「日本の食糧事情の、いまとこれから」
という以前のコラムで触れたように、
https://syouei-farm.net/anzen/191112/
日本食である「天ぷらそば」を例に取っても、
そこに用いられる食材の大半は輸入食材でした。
もし、そばをうどんに替えれば純国産食材は
「水だけ」ということになりかねません。
つまり、先述の食文化の本質と述べた
「その地域の自然環境に最も合致したもの」に照合すると、
もはやこれは日本の食文化とは言い難く、
「見せかけだけのニセモノ」
ということになってしまうのです……
これには少しショックを受ける方も
多いのではないでしょうか。
「日本の食文化の変化」とはまさにこのことです。
昨今、いたるところで自然との共生が大切であると、
多くの方が声をあげています。
もちろんそれはその通りです。
しかし、現代における日本の「食文化の視点」では、
日本人の食は、共生どころか、
日本の自然環境に根ざしていないと
いわざるを得ないのです。
果たして皆様はどう思われるでしょうか?
(中編につづく)
日本の食は、日本の自然環境に根ざしていない
しかし、今や日本における食文化を支えるはずの食材はその多くが輸入品です。
「日本の食糧事情の、いまとこれから」 という以前のコラムで触れたように、( https://syouei-farm.net/anzen/191112/ )日本食である「天ぷらそば」を例に取っても、そこに用いられる食材の大半は輸入食材でした。
もし、そばをうどんに替えれば純国産食材は「水だけ」ということになりかねません。
つまり、先述の食文化の本質と述べた 「その地域の自然環境に最も合致したもの」に照合すると、もはやこれは日本の食文化とは言い難く、「見せかけだけのニセモノ」ということになってしまうのです……
これには少しショックを受ける方も多いのではないでしょうか。
「日本の食文化の変化」とはまさにこのことです。昨今、いたるところで自然との共生が大切であると、多くの方が声をあげています。
もちろんそれはその通りです。しかし、現代における日本の「食文化の視点」では、日本人の食は、共生どころか、日本の自然環境に根ざしていないといわざるを得ないのです。
果たして皆様はどう思われるでしょうか?
(中編につづく)