前編では、農作物にオルトフェニルフェノール、
ビフェニル、チアベンダゾール、
ピペロニルブトキシドなどの農薬を使っても、
収穫後は「食品」の扱いになるので、
この収穫後の「食品」に対して
再びこれらの薬品を添加、混和、浸潤
その他の方法によって使用しても
これは農薬ではなく食品添加物になるのです、
という魔法のようなお話をしました。
ということは、あくまでも理屈上、
無農薬栽培の農作物の収穫後しばらく保存するため食品添加物に指定されている化学薬品(栽培中は化学農薬に指定)を規定内で使用しましたが、あくまでも収穫後の食品に対する措置なので、これは無農薬栽培です、安心してお召し上がりくださいね
と言っているようなことでもあります。
■ ポストハーベスト農薬残留の可能性がある輸入農産物
これも前編でお話しましたが、
日本の食料自給率は40%以下です。
日本は先進国の中で最も自給率が低く、
令和2年のカロリーベースによる算出では何と37%。
1961年の78%と比べると半分未満という状態です。
何だか数字だけを見ていると、
我が国の食料安全保障は本当に万全なのか?
と勘繰ってしまいたくなります。
しかしこれが現実ですから、
私たちは必然的に食料の大半を
輸入食品に頼らざるを得ないのです。
これはあくまでも推測に過ぎませんが、
ポストハーベストの残留の可能性がある
といわれている代表的な輸入農産物は、
小麦、大豆、米、とうもろこし、オレンジ、レモン、
バナナ、じゃがいも、かぼちゃ、ナッツなどです。
「など」と書いたのは、
本当はもっと多いのではないかと邪推しているからです。
なぜならば60%以上の食糧が輸入品であり、
しかも輸入には相当な時間が掛かります。
■ Non GMOの確認だけでは不十分?
食料品店で豆腐や納豆を買うとき、
当然原材料のラベルをご覧になると思います。
例えば醤油。
原料の大豆が「遺伝子組換えでない」と
表示されていることを必ず確認するはずです。
その際こんなことはないでしょうか?
「遺伝子組換えでない」と書かれているものの、
アメリカ産とかカナダ産と表記されているもの、
一方、国産と書かれているもの、
あるいは原産国が特に書かれていないもの、
さてこんな時皆様はどう思われるでしょうか?
「まあNon GMOだから安いものでいいや」
と思ったりしないでしょうか?
もちろん安いに越したことはありません。
しかしここが疑わしいポイントです。
輸入農産物は長い時間を掛けて
皆様のお近くのスーパーまで運ばれてきます。
当然、運搬中に発生する害虫やカビを
防がなくてはなりません。
つまり食品添加物として
何かしらのポストハーベストが
使用されている可能性は限りなく高いのです。
というわけで「Non GMO + 国産」、
これが私たちの選択すべき答えです。
■ 特に小麦に要注意
日本国内で消費される小麦は85%以上が外国産です。
パン用に限って言うと99%が輸入小麦です。
ポストハーベストが必要なことは
先ずいうまでもないでしょう。
実際、小麦からはポストハーベスト農薬の
残留が毎年確認されています。
とはいえもちろん国で認めた基準値以内です。
ただここで使われるポストハーベストは
マラチオンなどの農薬で、
これには環境ホルモン作用があり
精子の数を減らすといわれる薬品です。
■ パンのその他の食品添加物
パンには輸送時の衛生上のリスク以外の目的でも
様々な食品添加物が使用されています。
例えばイーストフード、臭素酸カリウム、
ファットスプレッド、乳化剤、メタリン酸ナトリウム、
リン酸塩、ゾルビン酸、pH調整剤などです。
この中から特に危険そうなものを挙げてみます。
■ 臭素酸カリウム
まず初めに臭素酸カリウム。
これは小麦粉の改良剤ですが、臭素酸カリウムは、
アメリカでは使用が認められているものの、
EUでは使用が禁止されている食品添加物です。
役割としては
食感よく、ふんわりとさせることと防腐作用ですが、
臭素酸カリウムの一番の問題点は、
体内に入った際に直接DNAを傷つけ、
それにより発がんをもたらす可能性があるという点です。
日本の食品衛生法ではパンのみに使用可能とされていて、
分量含め厳しい使用基準が定められています。
因みに臭素酸カリウムは
食品完成前には除去される「加工助剤」であるため
成分表への表記は求められません。
また、これは日本国内の話ではありませんが、
FAO・WHOの合同食品添加物専門家委員会(JECFA)においては、
使用は容認できないと結論づけられている物質です。
■ イーストフード
これは馴染みのあるものではないでしょうか。
「何でこれが?」という感じだと思います。
イーストフードは酵母の発酵をよくし、
ふっくらしたパンを造るために使用される食品添加物です。
ただこんな特徴もあります。
イーストフードは人工的に作られた成分であり、
本来の発酵では発生しない塩化アンモニウムを発生させます。
このガスは大量に吸うと吐き気の原因になります。
因みに塩化アンモニウムは、火薬や亜鉛のメッキ、
肥料にも含まれる化学物質で、刺激性を持っています。
そのため、大量に口にすると
体調悪化の原因になる可能性があるのです。
■ ファットスプレッド
「ファットスプレッド」という言葉は
あまり馴染みがないと思います。
これはマーガリンの一種で、
マーガリンよりも油脂含有量が低いもののことです。
マーガリンやファットスプレッドは
植物性の油を人工的に加工したもので、
その工程でトランス脂肪酸という油脂が発生します。
トランス脂肪酸は自然界には存在しない分子構造です。
多量に摂取すると血液の中性脂肪が上昇し、
動脈硬化などの循環器系疾患のリスクが上がる
と海外では指摘されていて
食品への使用を禁止する国もあるほどです。
とまあざっくりとではありますが、
パンには好ましくない複数の食品添加物が
使用されていることがお分かりいただけたと思います。
しかし、誤解していただきたくないのは、
パンを食べるなといっているわけでは決してありません。
余計なものは省きましょう、
ということを声高に申し上げているに過ぎません。
したがってパンを選ぶ際には
国産のNon GMO小麦を使用した、
天然酵母、無添加のものを購入する、
もしなければ買わない、というくらいの
徹底さを身に付けたいものです。
(「ポストハーベスト農薬とは?」終了)
前編では、農作物にオルトフェニルフェノール、ビフェニル、チアベンダゾール、ピペロニルブトキシドなどの農薬を使っても、収穫後は「食品」の扱いになるので、この収穫後の「食品」に対して再びこれらの薬品を添加、混和、浸潤、その他の方法によって使用してもこれは農薬ではなく食品添加物になるのです、という魔法のようなお話をしました。
ということは、あくまでも理屈上、
無農薬栽培の農作物の収穫後しばらく保存するため食品添加物に指定されている化学薬品(栽培中は化学農薬に指定)を規定内で使用しましたが、あくまでも収穫後の食品に対する措置なので、これは無農薬栽培です、安心してお召し上がりくださいね
と言っているようなことでもあります。
■ ポストハーベスト農薬残留の可能性がある輸入農産物
これも前編でお話しましたが、日本の食料自給率は40%以下です。日本は先進国の中で最も自給率が低く、令和2年のカロリーベースによる算出では何と37%。1961年の78%と比べると半分未満という状態です。何だか数字だけを見ていると、我が国の食料安全保障は本当に万全なのか? と勘繰ってしまいたくなります。
しかしこれが現実ですから、私たちは必然的に食料の大半を輸入食品に頼らざるを得ないのです。
これはあくまでも推測に過ぎませんが、ポストハーベストの残留の可能性があるといわれている代表的な輸入農産物は、小麦、大豆、米、とうもろこし、オレンジ、レモン、バナナ、じゃがいも、かぼちゃ、ナッツなどです。「など」と書いたのは、本当はもっと多いのではないかと邪推しているからです。なぜならば60%以上の食糧が輸入品であり、しかも輸入には相当な時間が掛かります。
■ Non GMOの確認だけでは不十分?
食料品店で豆腐や納豆を買うとき、当然原材料のラベルをご覧になると思います。
例えば醤油。原料の大豆が「遺伝子組換えでない」と表示されていることを必ず確認するはずです。その際こんなことはないでしょうか?
「遺伝子組換えでない」と書かれているものの、アメリカ産とかカナダ産と表記されているもの、一方、国産と書かれているもの、あるいは原産国が特に書かれていないもの、さてこんな時皆様はどう思われるでしょうか?
「まあNon GMOだから安いものでいいや」と思ったりしないでしょうか?
もちろん安いに越したことはありません。しかしここが疑わしいポイントです。輸入農産物は長い時間を掛けて皆様のお近くのスーパーまで運ばれてきます。当然、運搬中に発生する害虫やカビを防がなくてはなりません。つまり食品添加物として何かしらのポストハーベストが使用されている可能性は限りなく高いのです。
というわけで「Non GMO + 国産」、これが私たちの選択すべき答えです。
■ 特に小麦に要注意
日本国内で消費される小麦は85%以上が外国産です。パン用に限って言うと99%が輸入小麦です。ポストハーベストが必要なことは先ずいうまでもないでしょう。実際、小麦からはポストハーベスト農薬の残留が毎年確認されています。とはいえもちろん国で認めた基準値以内です。
ただここで使われるポストハーベストはマラチオンなどの農薬で、これには環境ホルモン作用があり精子の数を減らすといわれる薬品です。
■ パンのその他の食品添加物
パンには輸送時の衛生上のリスク以外の目的でも様々な食品添加物が使用されています。
例えばイーストフード、臭素酸カリウム、ファットスプレッド、乳化剤、メタリン酸ナトリウム、リン酸塩、ゾルビン酸、pH調整剤などです。
この中から特に危険そうなものを挙げてみます。
■ 臭素酸カリウム
まず初めに臭素酸カリウム。これは小麦粉の改良剤ですが、臭素酸カリウムは、アメリカでは使用が認められているものの、EUでは使用が禁止されている食品添加物です。
役割としては食感よく、ふんわりとさせることと防腐作用ですが、臭素酸カリウムの一番の問題点は、体内に入った際に直接DNAを傷つけ、それにより発がんをもたらす可能性があるという点です。日本の食品衛生法ではパンのみに使用可能とされていて、分量含め厳しい使用基準が定められています。
因みに臭素酸カリウムは食品完成前には除去される「加工助剤」であるため成分表への表記は求められません。また、これは日本国内の話ではありませんが、FAO・WHOの合同食品添加物専門家委員会(JECFA)においては、使用は容認できないと結論づけられている物質です。
■ イーストフード
これは馴染みのあるものではないでしょうか。「何でこれが?」という感じだと思います。イーストフードは酵母の発酵をよくし、ふっくらしたパンを造るために使用される食品添加物です。
ただこんな特徴もあります。イーストフードは人工的に作られた成分であり、本来の発酵では発生しない塩化アンモニウムを発生させます。このガスは大量に吸うと吐き気の原因になります。
因みに塩化アンモニウムは、火薬や亜鉛のメッキ、肥料にも含まれる化学物質で、刺激性を持っています。そのため、大量に口にすると体調悪化の原因になる可能性があるのです。
■ ファットスプレッド
「ファットスプレッド」という言葉はあまり馴染みがないと思います。これはマーガリンの一種で、マーガリンよりも油脂含有量が低いもののことです。
マーガリンやファットスプレッドは植物性の油を人工的に加工したもので、その工程でトランス脂肪酸という油脂が発生します。トランス脂肪酸は自然界には存在しない分子構造です。多量に摂取すると血液の中性脂肪が上昇し、動脈硬化などの循環器系疾患のリスクが上がると海外では指摘されていて、食品への使用を禁止する国もあるほどです。
とまあざっくりとではありますが、パンには好ましくない複数の食品添加物が使用されていることがお分かりいただけたと思います。
しかし、誤解していただきたくないのは、パンを食べるなといっているわけでは決してありません。余計なものは省きましょう、ということを声高に申し上げているに過ぎません。
したがってパンを選ぶ際には国産のNon GMO小麦を使用した、天然酵母、無添加のものを購入する、もしなければ買わない、というくらいの徹底さを身に付けたいものです。
(「ポストハーベスト農薬とは?」終了)
参考:
世界の食料自給率 – 農林水産省