唐突ですが皆様に質問です。
「世界で一番安全な野菜を作っている国はどこでしょうか?」
因みに外務省のホームページによると、
世界の国の数は、日本が承認している国が195ヵ国、
ここに日本を加えるので196ヵ国です。
つまりこれらを順位付けする必要があり、
このランキングはある意味、
「世界で一番危険な野菜を作っている国はどこでしょうか?」
と言い換えることも可能です。
■ 国産野菜の安全神話は本当か?
まず何をもって「安全」「危険」というかについて、
ここでは「農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤など)を
たくさん使っている作物ほど危険」
ということを基準にしていこうと思います。
ということで質問の仕方を
「一番農薬を使っている国はどこだと思いますか?」
という表現に切り換え大学生に聞いてみたところ、
大抵の人が「アメリカや中国」と答えたそうです。
農薬の大量使用イメージが強いというのが理由でした。
それに対して冒頭の質問、
「世界で一番安全な野菜を作っている国はどこでしょうか?」
という問いに対しては9割の学生が「日本」と答えています。
(出典:「PRESIDENT Online」)
これは「国産が一番安全」であるとの認識が
我々日本人に強いという一つの現れです。
しかし驚くなかれ、実態は全くの逆です。
FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、
中国の農薬使用量は、農地1haあたり13.1kgという
世界トップレベルの数値ですが、
日本の農薬使用量は農地1haあたり11.8kgと、
中国に劣らずこちらも世界トップレベルなのです。
(出典:「FAO(国連食糧農業機関)」)
■ 日本は世界各国の農薬使用量を大きく上回っている
同じくFAO(国連食糧農業機関)の統計によると、
農薬大国のイメージが強いアメリカの
農薬使用料は実は日本の5分の1程度。
因みにヨーロッパの国々はというと、
それぞれ日本との比較で見た場合、
イギリスは1/4、フランスは1/3、スペインは1/3、
ドイツは1/3、デンマークは1/10、スウェーデンは1/20。
その他の地域、南米ブラジルでは1/3.
インドに至っては1/30という農薬の使用量です。
これらの数値を見て皆様は
どのような印象を持たれるでしょうか?
繰り返しになりますが、
日本の農薬使用量は世界トップクラスです。
したがって我々日本人は決して
安全な農作物を食べているわけではなさそうです。
(参考:翔栄ファーム「残留農薬について考えよう」)
■ 日本に安全な農作物はあるのか?
結論を言えばもちろん日本にも安全な農作物はあります。
ただし現状では、総量から考えれば
かなり少ないと思っていただいて間違いありません。
というのは、有機栽培を安全と規定する場合、
「日本の耕作面積における有機栽培の割合」は
何とわずかに0.5%しかないからです。
(参考:農林水産省「The world of organic agriculture Statistics & Emerging Trends 2018」)
日本では有機栽培という場合、
有機JAS認定を取得している栽培者ということなので、
非取得だが同等レベルの栽培を行う農家を含めると、
実際の数はもう少し多くなるかもしれませんが、
それでも1%~3%程度ではないかと推測されます。
(我々翔栄ファームのような自然栽培者となると
その数は更に激減するため、農作物の生産量という点では
特に希少であることは間違いありません。)
何を言わんとしているかというと、
皆様が安全な食材を入手したいと思っても
その量は極僅かであり入手は非常に困難ということです。
ただご存じの方も多いと思いますが、
2050年のカーボンニュートラル実現の一環として
2021年3月に農林水産省より
以下のような声明が発表されました。
「脱炭素への取り組みが世界的に加速する中、農林水産省は化学肥料や農薬を使用しない有機農業の拡大に向けてかじを切ることになりました。2050年までに、有機農業の面積を国内の農地の25%にあたる100万ヘクタールまで拡大することなどを新たな戦略に盛り込む方針です」
(参考:農林水産省「みどりの食料システム戦略の 検討状況と策定に当たっての考え方」)
これはこれで評価されるべきことだと思いますが、
大切なことはこのような計画が実行される背景に、
一体何があるのかを知ることです。
■ 農薬大量使用は生物循環を破壊する?
ここのところ翔栄ファームコラムでは、
世界的に表土が破壊されていることや、
農薬・化学肥料使用により農地が砂漠化し、
地球温暖化の大きな要因となっている窮状に触れてきました。
大筋は下記アーカイブをご覧いただくとして、
私たちは、日本人には中々ピンとこないような
食料に関する危機的状況が、実は足元まで迫っていることに、
いい加減目を向けなければならいなのです。
そして同時に日常的に食べているものを
冷静に再点検する必要があります。
もう忘れてしまってはいないでしょうか?
日本は世界的な農薬大国です。
そして有機栽培以上の安全性を担保した農作物は
せいぜい数パーセントしかないのです。
つまりよほどの感度の良さと決断力を伴っていない限り、
皆様は「危険」な食べ物を摂取していることになります。
「農薬、化学肥料、遺伝子組換え、ゲノム編集、雄性不稔など」
あらゆる危険と反自然が身の回りだけに留まらず、
体内にすでに蓄積されていることを自覚する必要があります。
なぜならば、食の危険は農薬・化学肥料だけではありません。
今後起こるであろう世界的食糧危機を乗り越えるために、
世界では熾烈なテクノロジー競争が繰り広げられ、
その中心には必ずゲノム編集が存在します。
ここでは特段賛否に触れませんが、自然でないその人工物が、
すでに私たちの日常生活に紛れ込んでしまっていることを
決して忘れてはならないからです。
唐突ですが皆様に質問です。
「世界で一番安全な野菜を作っている国はどこでしょうか?」
因みに外務省のホームページによると、世界の国の数は、日本が承認している国が195ヵ国、ここに日本を加えるので196ヵ国です。つまりこれらを順位付けする必要があり、このランキングはある意味、「世界で一番危険な野菜を作っている国はどこでしょうか?」と言い換えることも可能です。
■ 国産野菜の安全神話は本当か?
まず何をもって「安全」「危険」というかについて、ここでは「農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤など)をたくさん使っている作物ほど危険」ということを基準にしていこうと思います。
ということで質問の仕方を、「一番農薬を使っている国はどこだと思いますか?」という表現に切り換え大学生に聞いてみたところ、大抵の人が「アメリカや中国」と答えたそうです。農薬の大量使用イメージが強いというのが理由でした。
それに対して冒頭の質問、「世界で一番安全な野菜を作っている国はどこでしょうか?」という問いに対しては9割の学生が「日本」と答えています(出典:「PRESIDENT Online」)。これは「国産が一番安全」であるとの認識が我々日本人に強いという一つの現れです。
しかし驚くなかれ、実態は全くの逆です。
FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、中国の農薬使用量は、農地1haあたり13.1kgという世界トップレベルの数値ですが、日本の農薬使用量は農地1haあたり11.8kgと、中国に劣らずこちらも世界トップレベルなのです(出典:「FAO(国連食糧農業機関)」)。
■ 日本は世界各国の農薬使用量を大きく上回っている
同じくFAO(国連食糧農業機関)の統計によると、農薬大国のイメージが強いアメリカの農薬使用料は実は日本の5分の1程度。因みにヨーロッパの国々はというと、それぞれ日本との比較で見た場合、イギリスは1/4、フランスは1/3、スペインは1/3、ドイツは1/3、デンマークは1/10、スウェーデンは1/20。その他の地域、南米ブラジルでは1/3.インドに至っては1/30という農薬の使用量です。
これらの数値を見て皆様はどのような印象を持たれるでしょうか?
繰り返しになりますが、日本の農薬使用量は世界トップクラスです。したがって我々日本人は決して安全な農作物を食べているわけではなさそうです(参考:翔栄ファーム「残留農薬について考えよう」)。
■ 日本に安全な農作物はあるのか?
結論を言えばもちろん日本にも安全な農作物はあります。ただし現状では、総量から考えればかなり少ないと思っていただいて間違いありません。というのは、有機栽培を安全と規定する場合、「日本の耕作面積における有機栽培の割合」は何とわずかに0.5%しかないからです(参考:農林水産省「The world of organic agriculture Statistics & Emerging Trends 2018」)。
日本では有機栽培という場合、有機JAS認定を取得している栽培者ということなので、非取得だが同等レベルの栽培を行う農家を含めると、実際の数はもう少し多くなるかもしれませんが、それでも1%~3%程度ではないかと推測されます(我々翔栄ファームのような自然栽培者となるとその数は更に激減するため、農作物の生産量という点では特に希少であることは間違いありません)。何を言わんとしているかというと、皆様が安全な食材を入手したいと思ってもその量は極僅かであり入手は非常に困難ということです。
ただご存じの方も多いと思いますが、2050年のカーボンニュートラル実現の一環として、2021年3月に農林水産省より以下のような声明が発表されました。
「脱炭素への取り組みが世界的に加速する中、農林水産省は化学肥料や農薬を使用しない有機農業の拡大に向けてかじを切ることになりました。2050年までに、有機農業の面積を国内の農地の25%にあたる100万ヘクタールまで拡大することなどを新たな戦略に盛り込む方針です」
(参考:農林水産省「みどりの食料システム戦略の 検討状況と策定に当たっての考え方」)
これはこれで評価されるべきことだと思いますが、大切なことはこのような計画が実行される背景に、一体何があるのかを知ることです。
■ 農薬大量使用は生物循環を破壊する?
ここのところ翔栄ファームコラムでは、世界的に表土が破壊されていることや、農薬・化学肥料使用により農地が砂漠化し、地球温暖化の大きな要因となっている窮状に触れてきました。大筋は下記アーカイブをご覧いただくとして、私たちは、日本人には中々ピンとこないような食料に関する危機的状況が、実は足元まで迫っていることに、いい加減目を向けなければならいなのです。そして同時に日常的に食べているものを冷静に再点検する必要があります。
もう忘れてしまってはいないでしょうか?
日本は世界的な農薬大国です。そして有機栽培以上の安全性を担保した農作物はせいぜい数パーセントしかないのです。つまりよほどの感度の良さと決断力を伴っていない限り、皆様は「危険」な食べ物を摂取していることになります。
「農薬、化学肥料、遺伝子組換え、ゲノム編集、雄性不稔など」あらゆる危険と反自然が身の回りだけに留まらず、体内にすでに蓄積されていることを自覚する必要があります。なぜならば、食の危険は農薬・化学肥料だけではありません。今後起こるであろう世界的食糧危機を乗り越えるために、世界では熾烈なテクノロジー競争が繰り広げられ、その中心には必ずゲノム編集が存在します。
ここでは特段賛否に触れませんが、自然でないその人工物が、すでに私たちの日常生活に紛れ込んでしまっていることを決して忘れてはならないからです。
翔栄ファームコラムのアーカイブス:
【 土について考えてみる(前編) 】
【 化学肥料と地球温暖化 】
【 健康的な食事は温室効果ガスの排出削減につながるか? 】