グルテンフリーの食生活が子宮内膜症の痛みを和らげてくれるとか・・・痛みに苦しんでいる人々たちにとっては朗報なのですが、実際はどうなのでしょう!
■ 子宮内膜症とは?
子宮内膜症とは、子宮内膜にしか存在しないものが子宮以外の場所にできてしまう病気で痛みがあります。
月経前、月経中などの痛み、妊娠しにくくなるなど、正常な子宮内膜の組織同様にホルモンに反応し、徐々に大きくなってしまったり、他の場所に広がってしまったり、ひどくなると取り除くための手術をしなければいけない場合もあります。
子宮内膜症は女性特有の病気と思われがちですが極めてまれに男性においても発症するとも言われています。
多くは女性にみられ、月経の回数が多い人ほど、つまり初潮が早い人、出産が遅い人、または出産経験がないなどという人が発症しやすいと考えられております。発症率は生殖年齢にある女性の約10%に見られます。
■ 要因の1つは内分泌かく乱物質が影響している?
現代の食生活の変化が内分泌系に変化を起こさせ、それが健康障害を誘発する外因性物質、いわゆる「内分泌かく乱物質」というものを知らず知らずのうちに摂取してしまう機会が増えたことで子宮内膜症に影響があるかもしれないと言われています。
ホルモンの分泌に乱れが生じることで起こらなければいけない反応が起こらない、もしくは起こってはいけない反応が起こってしまう、などの現象がみられるようになります。
まさに子宮内膜症は起こるはずのない場所に子宮内膜の細胞が繁殖してしまう病気ですので内分泌かく乱が影響しているのかもしれません。
そのため内分泌かく乱を起こす食材は避けることが子宮内膜症にならない、なりにくくなると考えられるのです。
内分泌かく乱物質とは正常のホルモンの働きになんらかの悪さをすることで内分泌系の生体をかく乱してしまい、胎児の器官などを形成する際に望ましくない悪い影響を与えてしまうと考えられています。
■ グルテンフリーで子宮内膜症の痛みが軽減された?
グルテンとは小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質がからみあったものでグルテンフリー食品とは「小麦粉不使用の食品」のことを言います。このグルテンが含まれる食品を口にしないことをグルテンフリーと呼んでいます。
小麦粉に水を加えることで弾力があり伸びにくいグルテニンの性質と弾力はないが粘着力が強く伸びやすいグリアジンの性質が結びつき、パン、パスタ、ラーメンやうどんなど、多くの人に小麦粉を使用した食品が愛されています。一方、小麦製品でアレルギー反応が出る方も少なくありません。
グルテンを消化しにくい体質だったり、グルテンが小腸などに悪影響を及ぼす可能性がある体質などと指摘された方の中には、小麦粉製品を口にしないという「グルテンフリー」を実践し、体質改善ができるかなどグルテンの影響を自ら確かめている人も増えているようです。
子宮内膜症の人がグルテンフリー食にしたところ痛みが和らいだという話や、グルテンと痛みは関係性がないなど何が正しくて何が間違いなのか、さまざまな記事がネット上でも見られるようになり、いったい何を信じたらいいのか困惑してしまう方も多いことでしょう。
医学論文や、海外の研究者の研究サイトを見る限り、子宮内膜症の人がグルテンや乳製品フリーの食事に変えることで子宮内膜症の痛みが軽減される可能性があるということは言えるようです。
様々な要因が重なることで起きる子宮内膜症の要因の中の1つにグルテンが関係しているかもしれないようですが詳細はよくわからないというのが現実のようです。
今は子宮内膜症の患者さんがいろいろな食事療法を試してその状態を研究するという段階のようで、本当に効果があるかどうかが明らかになるのはまだまだ先と言えそうです。
子宮内膜症で苦しんでいる方が薬だけに頼らず食事療法を実践する際にグルテンフリー食を試してみる、痛みから少しでも開放されるためにもいいと言われている食事療法にかけてみる、もし自身がその痛みに耐えている当事者であるのなら試す価値ありと考えるのもいいかもしれません。
グルテンフリーの商品として小麦の価格高騰の代替品としても注目されている「米粉」、お米を細かく挽いて粉状にしたもので昔からお団子、おせんべいなど和菓子の材料として使用されていました。米粉は低GI食品、食後の血糖値が急激に上がりにくいという性質をもつ食品です。
グルテンフリー食材のデメリットは美味しくないと感じることかもしれません。美味しさの源、グルテンが含まれないとどうしても味が落ちてしまいます。
しかしながら、小麦の代わりに使用された米粉で作ったパンやヌードル、スイーツなと加工技術の発展とともに美味しいグルテンフリー食品が増え、最近では小麦のスイーツよりも美味しいと言われるほどにもなりました。
子宮内膜症は完治しても再発の可能性が?
再発とは本来その部位から病巣が完全に消えて再び病巣ができることを言います。手術や薬で完治しても子宮内膜症の再発の可能性は最大55%と考えられています。
年齢が若い、子宮内膜が大きい、手術後に妊娠しないなどの方は再発のリスクが高いそうです。グルテンフリー生活を心がけてみる、食生活から改善してみる、自分にあった食事療法に挑戦してみる、痛みに負けず戦う勇気がきっと改善の道を開いてくれることでしょう。