食品の保存性を高めたり、味や香りをよくしたりするために、食品を加工する際には当たり前のように食品添加物が使用されています。中には原料に石油が使われている食品添加物があるのはご存知ですか?
ということは、添加物が入っている食品を食べている私たちは、知らないうちに石油も食べてしまっていることになります。そもそも、食品添加物がよくないものと知りながらも使用しなければならないのはなぜなのでしょうか? 今回は食品添加物について考えてみました。
■ 食品添加物って何?
食品衛生法によると食品添加物とは食品を加工、保存、味付けなどに使用する調味料や保存料、着色料のことです。 もちろんその安全性は厚生労働省で認められたものしか使用が許可されていません。
食品添加物を加えるとその食品が一段と美味しくなります。例えば誰もが大好きなプリンやゼリー、香りをつける香料、プルプルとした食感のためのゲル化剤、舌触りを滑らかにするための安定剤などなど、香り、食感、色付け、さらには長持ちさせるなど食品添加物は大きな役割を果たしています。
食品添加物をうまく使用しないと、ゼリーやプリンのプルプルとした滑らかな食感もなくなり、ハムやソーセージを長持ちさせることができずすぐに腐ってしまう、パンやクッキーはパッサパッサなど食品の安全性はもちろん、食事が味気なく苦痛なものになってしまうかもしれません。
■ 食品添加物、種類とその活躍ぶり??
食品添加物は私達の生活の中で大きな役割を果たしてくれていることは否定できません。
〇製造・加工
泡立ちをおさえる消泡剤、phを調整するph調整剤、型離れをしやすくする離型剤など
〇形成・食感
豆腐用凝固剤、膨張剤、かんすい、乳化剤、ゲル化剤、安定剤など豆腐や中華めん、マーガリン、プリン、ゼリーなど形成や触感をもたせるために
〇着色
見た目のおいしさを良くするため着色や脱色するために使用する着色料、発色剤、漂白剤など
〇味・香り
甘味を加える甘味料、酸味を加える酸味料、苦みを加える苦味料、旨味を加える調味料、香りを加える香料など
〇品質
微生物・カビの繁殖を防ぐ保存料や防カビ剤、酸化変質を防ぐ酸化防止剤、原料の殺菌除去のための雑菌剤など
■ 石油が原料になっている食品添加物
食品添加物の中でも避けなければいけない添加物、最も気を付けなければいけないものがあります。
食品添加物の中で石油が原料になっている添加物、代表的なものとして、タール色素です。お子様が大好きな駄菓子やゼリーなど多くの食品に使用されています。
自然界に存在しない構成成分の化学物質のため人のからだの中で分解されにくく、体の中に残ってしまうことで遺伝子への影響や発がん性の可能性があるものです。
原材料名に表記があったら安全性については保証されていない添加物であること、どんなにお子様がお好きなお菓子でも避けたほうがいいことを知っておくことが家族みんなの健康を守ることであると理解しておきましょう。
赤色
〇赤色2合(赤2):発がん性や不妊などの危険性が!
かき氷のイチゴ味のシロップ、市販のゼリー、アイスなど
〇赤色3合(赤3):染色体異常(奇形児)、発がん性、成長抑制
福神漬け、かまぼこ、菓子類など
〇赤色40号(赤40):アレルギー、腎臓へ有害性
キャンディ、清涼飲料水など
〇赤色104(赤104)●赤色105号(赤105):発がん性、染色体異常
ソーセージ、菓子類など
〇赤色106号(赤106):肝機能への悪影響、発がん性、遺伝子障害、染色体異常
福神漬け、ハム、ソーセージ、桜えびなど *食用として使用されているのは日本だけ
青色
〇青色1号(青1)
かき氷のブルーハワイシロップ
〇青色2合(青2)
チョコレートや氷菓子などの青紫色
青1、青2ともに人への発がん性は確認されておらず多くの国で使用されています。
黄色
〇黄色4号(黄4):人への毒性は見られないため許可されています。
かき氷のレモンシロップ
〇黄色5号(黄5):発がん性は認められていない
清涼飲料水、菓子類、漬物
緑色
〇緑色3号(緑3):人への悪影響は確認されず
メロン味の飲み物、緑色にしたいもの
お祭りの屋台のかき氷、色鮮やかですが食べると舌に色がついてしまう、タール色素は色がすぐついて落ちにくいようです。色が濃いものは疑いましょう。
■ 無添加なら安全?
それなら「無添加」となっていれば安全なのでしょうか?
実は無添加と表示するための決められたルールはないそうです。
そのため「無添加」、「保存料不使用」と書かれているからと言って「体に良い食品」というわけではありません。食品添加物が入っているとよくないもの、無添加の食品は安全なものというのは思い込みに過ぎず正しくはありません。
食品を選ぶときはそれが本当に安全なのかどうか化学的に基づき正しく判断する必要があります。安全であることを見極める力を養うことが大事ですね。
翔栄ファームでは店舗とカフェで無添加のたまごサンドイッチを販売させていただいておりますが、使用しているたまご、食パン、マヨネーズすべてにおいて使う食材をきちんと選んでいます。無添加を実現するには使っている調味料などにも添加物が使用されていないかを確認しないと意味がありません。
食材そのものがどのように作られ、どこで加工され、何が使われて今の形になったのか、産地や原材料、製造方法に至るまでの歴史を丁寧に追いかける必要があることを忘れてはいけません。
なぜそこまでするのか。
それは「迷わず正しく選べる」ことが安全・安心な食生活につながると考えているからです。