前編では日本人の糖尿病比率の高さや肥満は
食生活の乱れ、特に砂糖、白米、小麦粉の過剰摂取に
その一因があるということと、
こうなってしまった原因の一つには
食に関する知識レベルの低さが挙げられるということを
合わせてお伝えしてきました。
後編では、この現状を踏まえた上で、
予告通り食事の際に必ず気を付けるべきポイント、
あるいは食べてはいけない食品について
お話していきたいと思います。
トップバッターは人口甘味料です。
■ 人口甘味料(ゼロカロリー)の危険性
清涼飲料水の中には
カロリーゼロを謳ったものがたくさんあります。
不思議に思ったことはないでしょうか?
飲んでみると十分な甘味を感じるにも関わらず、
カロリーや糖質はゼロなのですから。
というわけでゼロカロリーの人口甘味料の
特徴について簡単にご説明します。
恐らく多くの方が今までの飲食を
後悔することになると思いますので、ご覚悟の程を。
実は、摂取したカロリーゼロ・糖質ゼロを謳った
飲料等に入っている人工甘味料は
体内で分解されません。
そして分解されないだけではなく吸収もされません。
つまりエネルギーにならないため、
甘味を感じるにもかかわらずカロリーがないのです。
何といっても吸収されないわけですから。
一見好都合のようにすら思えるのですが、
問題はここからです。
これらの人口甘味料は排泄されません。
体内に残存し続けます。
では体内に摂取された人口甘味料はどこへ行くか、
というとそれはずばり腎臓や肝臓です。
これらは体内の毒素を分解したり、ろ過することで、
それらを体外に排出する役割を担っていますが、
人口甘味料はこの重要な臓器である
腎臓と肝臓に蓄積されてしまうのです。
それらを体外に出すことできません。
思い当たる節のある方はいますぐ
意識と行動を改めたほうがよさそうです。
■ トランス脂肪酸
この名前を聞いて真っ先に思い浮かぶのは
「マーガリン」ではないでしょうか?
もちろんこれは代表格です。
しかしトランス脂肪酸はマーガリンだけではなく、
私たちの日常生活の中にもっとどっぷりと入り込んでいます。
例えば揚げ物やお菓子です。
自宅での調理であればコントロールが可能ですが、
スーパーやコンビニ、あるいは市中の飲食店での調理では
先ず間違いなく安い油が使用されているでしょう。
これらがトランス脂肪酸である可能性が高いばかりでなく、
油は一度使用したらすぐに酸化して
トランス脂肪酸に変化するということを忘れてはいけません。
因みに、農林水産省の資料
「トランス脂肪酸の摂取と健康への影響」によると、
トランス脂肪酸には、心血管疾患(CVD)、
特に冠動脈性心疾患(CHD)のリスクを高める
確実な証拠があるとしています。
血液中のLDLコレステロール(悪玉)を増やすだけでなく、
HDLコレステロール(善玉)を減らすため、
血液の脂質プロファイルを
アテローム性(動脈硬化などの原因となる)に
変化させるというのです。
そしてトランス脂肪酸の主要な摂取源は、
揚げ物などのファーストフードや
焼き菓子などであると明記しています。
ただしここで誤解してはならないことは
「良い油」は大事であり、あくまでも安いものや
実態の分からないものは避けるべきだということです。
やはりここでもご自身が普段食べているものを
チェックする必要があると思います。
■ 人工物
このコラムをお読みになっている皆様は、
恐らく普段から買い物の際には
食品表示ラベルをご覧になっていると思います。
特に加工品についてはなおさらではないでしょうか。
なぜなら多くの加工品には
化学調味料や食品添加物が使用されているからです。
かといって無添加の加工品を探すことは非常に困難です。
因みに無添加とは原材料の産地から
最終加工場までの全工程において、
食品添加物が一切使用されていないということです。
更に加工食品において表示が免除されている
加工助剤、キャリーオーバー、強化剤なども使用されません。
しかしだからといって
化学調味料が入っていないかというと、
そういうことではなかったりするので困ります。
このように食品表示法は非常に難解なため、
食品ラベルを見てその奥に潜む実態まで見抜くことは、
一般消費者では先ず不可能と思われたほうがいいと思います。
とにかく食品選び(特に加工)には
細心の注意を払うべきですし、
疑わしさを感じたらそれは避ける
という態度が非常に重要ではないでしょうか。
というわけでここからは、
化学調味料と食品添加物の悪影響について
簡単にご説明したいと思います。
■ 化学調味料
一般的に化学調味料は化学的に白く精製した
アミノ酸を指すことが多いのですが、
実は化学調味料という言葉は公共放送の料理番組内で
特定の商品名と区別するために使われたものであり、
食品表示基準などの行政上の用語ではありません。
したがって正確には定義は存在しません。
しかし既述の“化学的に白く精製されたアミノ酸”は
当然のこととしても、“精製塩”のように
元は海水という自然界の物質であったとしても
精製後は人工物です。
これらの人工物の使用方法は
ずばり安いものや悪いものの味をごまかすことです。
■ 食品添加物
主な食品添加物は保存料や着色料です。
これは人に対する発がん性があるかどうかの
「根拠の強さ」を示すものに過ぎませんが、
2015年10月26日、世界保健機関(WHO)の研究機関である
国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer : IARC)は、
加工肉及び「レッドミート」の摂取により
大腸がんのリスクが増加することを
プレスリリースによって公表しています。
食品添加物の進出範囲はとても広く、
一例を挙げると次亜塩素酸ナトリウムのような
漂白剤も食品添加物殺菌料とされています。
筆者は以前サラダの加工場を見学したことがありますが、
そこでは大量のカット野菜が
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の巨大なプールに
浸されている光景を目撃したことがあります。
それ以来カット野菜はもちろんのこと、
コンビニ野菜やバイキングなどで
長時間空気中にさらされているにも関わらず
変色しないサラダバーは一切食べないことにしています。
理由はお分かりだと思います。
以上、食事の際に気をつけるべきこととして、
いくつかのカテゴリーを挙げて参りました。
こう見てみると現時点でほぼ安全な食事をしているよ、
という人は恐らく少ないのではないでしょうか。
そこで最後に食べるべきと考えるおすすめを3つだけ
ご紹介して終わりたいと思います。
一つ目は「玄米や全粒小麦」
二つ目は「豆類、海藻類」
三つ目は「果物、ナッツ類」です。
果物に含まれる天然の果糖は体に非常に良く、
ナッツ類に含まれるオメガ3脂肪酸や9脂肪酸も
同様に体にとても良い成分です。
(「食生活の乱れが招くもの」終了)
前編では日本人の糖尿病比率の高さや肥満は、食生活の乱れ、特に砂糖、白米、小麦粉の過剰摂取にその一因があるということと、こうなってしまった原因の一つには食に関する知識レベルの低さが挙げられるということを合わせてお伝えしてきました。
後編では、この現状を踏まえた上で、予告通り食事の際に必ず気を付けるべきポイント、あるいは食べてはいけない食品についてお話していきたいと思います。
トップバッターは人口甘味料です。
■ 人口甘味料(ゼロカロリー)の危険性
清涼飲料水の中にはカロリーゼロを謳ったものがたくさんあります。不思議に思ったことはないでしょうか? 飲んでみると十分な甘味を感じるにも関わらず、カロリーや糖質はゼロなのですから。
というわけでゼロカロリーの人口甘味料の特徴について簡単にご説明します。恐らく多くの方が今までの飲食を後悔することになると思いますので、ご覚悟の程を。
実は、摂取したカロリーゼロ・糖質ゼロを謳った飲料等に入っている人工甘味料は体内で分解されません。そして分解されないだけではなく吸収もされません。つまりエネルギーにならないため、甘味を感じるにもかかわらずカロリーがないのです。何といっても吸収されないわけですから。
一見好都合のようにすら思えるのですが、問題はここからです。
これらの人口甘味料は排泄されません。体内に残存し続けます。では体内に摂取された人口甘味料はどこへ行くか、というとそれはずばり腎臓や肝臓です。これらは体内の毒素を分解したり、ろ過することで、それらを体外に排出する役割を担っていますが、人口甘味料はこの重要な臓器である腎臓と肝臓に蓄積されてしまうのです。それらを体外に出すことできません。思い当たる節のある方はいますぐ意識と行動を改めたほうがよさそうです。
■ トランス脂肪酸
この名前を聞いて真っ先に思い浮かぶのは「マーガリン」ではないでしょうか?
もちろんこれは代表格です。しかしトランス脂肪酸はマーガリンだけではなく、私たちの日常生活の中にもっとどっぷりと入り込んでいます。
例えば揚げ物やお菓子です。自宅での調理であればコントロールが可能ですが、スーパーやコンビニ、あるいは市中の飲食店での調理では先ず間違いなく安い油が使用されているでしょう。これらがトランス脂肪酸である可能性が高いばかりでなく、油は一度使用したらすぐに酸化してトランス脂肪酸に変化するということを忘れてはいけません。
因みに、農林水産省の資料「トランス脂肪酸の摂取と健康への影響」によると、トランス脂肪酸には、心血管疾患(CVD)、特に冠動脈性心疾患(CHD)のリスクを高める確実な証拠があるとしています。血液中のLDLコレステロール(悪玉)を増やすだけでなく、HDLコレステロール(善玉)を減らすため、血液の脂質プロファイルをアテローム性(動脈硬化などの原因となる)に変化させるというのです。そしてトランス脂肪酸の主要な摂取源は、揚げ物などのファーストフードや焼き菓子などであると明記しています。
ただしここで誤解してはならないことは「良い油」は大事であり、あくまでも安いものや実態の分からないものは避けるべきだということです。やはりここでもご自身が普段食べているものをチェックする必要があると思います。
■ 人工物
このコラムをお読みになっている皆様は、恐らく普段から買い物の際には食品表示ラベルをご覧になっていると思います。特に加工品についてはなおさらではないでしょうか。なぜなら多くの加工品には化学調味料や食品添加物が使用されているからです。
かといって無添加の加工品を探すことは非常に困難です。因みに無添加とは原材料の産地から最終加工場までの全工程において、食品添加物が一切使用されていないということです。更に加工食品において表示が免除されている加工助剤、キャリーオーバー、強化剤なども使用されません。
しかしだからといって化学調味料が入っていないかというと、そういうことではなかったりするので困ります。このように食品表示法は非常に難解なため、食品ラベルを見てその奥に潜む実態まで見抜くことは、一般消費者では先ず不可能と思われたほうがいいと思います。とにかく食品選び(特に加工)には細心の注意を払うべきですし、疑わしさを感じたらそれは避けるという態度が非常に重要ではないでしょうか。
というわけでここからは、化学調味料と食品添加物の悪影響について簡単にご説明したいと思います。
■ 化学調味料
一般的に化学調味料は化学的に白く精製したアミノ酸を指すことが多いのですが、実は化学調味料という言葉は公共放送の料理番組内で特定の商品名と区別するために使われたものであり、食品表示基準などの行政上の用語ではありません。
したがって正確には定義は存在しません。しかし既述の“化学的に白く精製されたアミノ酸”は当然のこととしても、“精製塩”のように元は海水という自然界の物質であったとしても精製後は人工物です。これらの人工物の使用方法はずばり安いものや悪いものの味をごまかすことです。
■ 食品添加物
主な食品添加物は保存料や着色料です。これは人に対する発がん性があるかどうかの「根拠の強さ」を示すものに過ぎませんが、2015年10月26日、世界保健機関(WHO)の研究機関である国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer : IARC)は、加工肉及び「レッドミート」の摂取により大腸がんのリスクが増加することをプレスリリースによって公表しています。食品添加物の進出範囲はとても広く、一例を挙げると次亜塩素酸ナトリウムのような漂白剤も食品添加物殺菌料とされています。
筆者は以前サラダの加工場を見学したことがありますが、そこでは大量のカット野菜が次亜塩素酸ナトリウム水溶液の巨大なプールに浸されている光景を目撃したことがあります。それ以来カット野菜はもちろんのこと、コンビニ野菜やバイキングなどで長時間空気中にさらされているにも関わらず変色しないサラダバーは一切食べないことにしています。理由はお分かりだと思います。
以上、食事の際に気をつけるべきこととして、いくつかのカテゴリーを挙げて参りました。こう見てみると現時点でほぼ安全な食事をしているよ、という人は恐らく少ないのではないでしょうか。そこで最後に食べるべきと考えるおすすめを3つだけご紹介して終わりたいと思います。
一つ目は「玄米や全粒小麦」
二つ目は「豆類、海藻類」
三つ目は「果物、ナッツ類」です。
果物に含まれる天然の果糖は体に非常に良く、ナッツ類に含まれるオメガ3脂肪酸や9脂肪酸も同様に体にとても良い成分です。
(「食生活の乱れが招くもの」終了)
参考:
トランス脂肪酸の摂取と健康への影響 – 農林水産省
プレスリリース(加工肉及び「レッドミート」の摂取により大腸がんのリスクが増加) – 国際がん研究機関(IARC)