翔栄クリエイト 翔栄ファーム 龍ヶ崎のHNです。
土って何で出来ているのだろうかとしばしば考えます。身近にある土について、皆さまは考えた事はありませんでしょうか。
今までに書物やインターネット等で見聞きしてきた事や調べた事や考え等を自分なりにまとめて、判る範囲で書いてみます。しかし細かい部分や詳しい話はあしからず正書をご参考してください。
【目次】
■ 土の成分はさまざま (分布する環境や風土により様々)
まずひとつは火山灰や溶岩やら何やらが崩れた(風化、分解した) 物、その堆積物(その質は場所により細かな成分は様々です その粒子の大きさも色々の様でシルト 砂岩 礫など)。
また他に(多くの部分を占めるのであろう成分に)は、生命体に由来する物。植物や動物、昆虫や鳥やら等から出る死骸や排泄物やその未分解物や分解物など。
以上の2つが大まかな構成かと考えています。
それらが混ざりあい、団子状や粒子状になったりして合わさって出来ている様です。
そして、場所や部分により土の隙間には、様々な成分が溶け出した水分の液体(液相)と、酸素や二酸化炭素やらの気体(気相)があるそうです。
耳にした事があるかも知れませんが、ミミズがいる土は良いと言われます。
土にはミミズの腸内細菌や食べかす、排泄物つまりウンチが多くを占めていると言われます。きっと小さな世界ではミミズなどの小動物やそれよりも小さな微生物たちがたくさん活動している様です。
人の腸の中と同じ様に動物各々にも腸があり、そこに微生物がたくさん棲む(共生している?)。こう聞くと私は驚きに感じます。きわめて小さな世界では(それは大きな世界でも同様かも知れませんが)生命がせめぎ合って、図ってか図らずしてかやりとりして生きている様なのです。
人の腸内には細菌が100~1000兆個いるとか言われますが、1gの土にも微生物が1000万~億個だかいると言われます。
またさらに私が驚いた話があります。木造の家の柱等を食べて家屋を壊してしまうシロアリにも腸があり、木を分解する腸内細菌などが居るそうです。一般的には大きな柱や角材などはそう簡単に分解する事はありません。木の成分は強く結びつき合い丈夫だからです(分解しづらい成分[リグニン]等、元素同士が強く結び付き合っていて頑丈です)。
しかし太い木でも少しずつ少しずつ食べられていき、果ては小さい虫の力で大きな建物が崩壊します。強い木材でもシロアリは食べて砕いて、さらには腸内細菌の力にもよって、代謝や変化や分解する。この話は私にとって大変に印象的でした。
■龍ヶ崎の土づくり
ところで、一般的な農業では化学合成肥料を利用し作物に与えている事が多いです。
一方で翔栄ファームでは使用していません(時には果物の樹に動物堆肥を使用したことがありますが、今のところその量はとても少ないです)。
そのために作物の素になる栄養などは人の手作業で補う事があります。栄養を補うと言うか、代わりに土を作っています。化学合成肥料等を使う代わりに、栄養等を含んだ土を自力で作ってそれを利用しています。
ここからは翔栄ファーム、龍ヶ崎にあるはたけで行っている土作りの様子を紹介したいと思います。
それは葉っぱを腐らせて作る土で、腐葉土といいます。土や落ち葉等に私たちが手を加えて腐植(醗酵や腐敗?に似た感じ)のような変化を促し、土を作ります。
まず元となる土を集めて、それに落ち葉などを加えて作ります。元の土は、近隣の借りている敷地の林の土などを集め利用しています。集めた土の上に、目測で5倍位の高さでしょうか、かなりの量の落ち葉を集めて積み上げて足で踏んで行きます。足で踏みますとカサは驚くほど小さくなります。そこへたっぷりの水をかけていきます。水をかけることによって生物の活動や変化を促すためです。
この作業を4,5回と数回に分けて繰り返します。たくさんの量を積み上げて層状にしていきます。
*3回くらい積み上げた後の様子 ホースで水をかけています。
人の高さ以上に積み上げたら、その上にシート等を被せて数週間はそのままにして置きます。
期間をおくことによって微生物たち生物の活動を待ちます。時がたつと様々な事が起きてきます。まず熱が発生して土が温かくなります。また何かの排泄物に似た様な臭い等(何かが代謝分解した事による変化)が出てきます。
数週間経ったら、その未熟な腐葉土を一旦出して拡げてならしていきます。
途中、草木灰(草木を燃やした物)や米ぬかなどといった生命の素や栄養になりそうな物を加えていきます。これをまた、再び同じ場所に積み上げていきます。偏りがなくなる様に均一になるように気をつけて戻していきます。
このならして戻して積み上げる作業はとても大変です。土は重いです。重労働なのです。何人も協力して行っても何時間もかかります。
作業は寒い冬の最中の力仕事ですが、うっすらと汗をかくほどです。完成途中の未熟な腐葉土は発熱しているからです。土にいる微生物たちの力による(腐敗、発酵?など)様々な変化や反応の熱です。体感では40度弱くらい、熱いお風呂に満たない適温のお風呂くらいの熱を発生していると思います。
また熱と一緒に様々な臭いが出ています。その湯気、熱気やガスの中では息をするのも辛くてけっこう辛い作業です。マスクを着けたりもしますが、それはそれで暑いですし、息苦しくなります。
こうして戻して積み上げた後は、またその土の上にシートなどを敷いてそのまま待ちます。その数週間後には完熟に近づいているため臭いは収まっています。こうして手塩にかけて作った土を肥料代わりとして使用したりします。
この作った腐葉土の使い方ですが、ひとつには種をまく時、苗の土にする育苗土として用います。
*育苗土を準備中 完熟腐葉土にはしばしば幼虫がいます。
またその他に、追肥の様な感じでも使用します。栄養が減ってきたからなのか作物の元気がない時機、開花したり実付きが減ってきた頃などに、作物の株元などへ追肥代わりに幾らか撒いたりします。腐葉土を撒くことによって不足してきた栄養素や、その素になる生命達を補って元気を出してもらいます。即効性の肥料と違い、より時間はかかるでしょうが栄養補給として使います。やがて土質の改善にも繋がるかと思い期待をして施しています。
こうした手間暇をかけて土を作り、作物の補いや成長の手助けをしています。この作業を行い得られた土は野菜作りの土台としています。
今のところ龍ヶ崎にある翔栄ファームでは、元々の土地の土の助けと、植物、樹々や動物、微生物等の生命活動の力を借りて、寒い冬の間に腐葉土を作っています。
そうして春に向けて野菜を育てる準備をしています。お読みくださった皆様、お付き合いくださりお疲れ様でした。ありがとうございました。社外秘?ではありましたが、以上で土つくりのお話の結びとさせて頂きます。
*微生物と野菜はお互いにやり取りする事もある その例として落花生と根粒菌がある