皆様こんにちは!翔栄ファーム龍ヶ崎農場「プロジェクト※」(自称)担当の佃と申します。
稲作については、6月に稲作への取組みと田植までの様子について、9月に「夏を乗り越え、収穫前の稲作」と題してご紹介してまいりましたが、遅ればせながら今回は、収穫の成果と挑戦1年目で見えてきた課題についてご報告したいと覆います。
■ いよいよ稲刈り!果たしてその成果は?
前回の報告は、草丈が伸び過ぎてしまった稲がほぼ全面的に倒伏してしまい「果たして無事に収穫出来るのか?」というところで終わっておりますが、その後10月1日に稲刈りを行いました。
やはり倒伏の影響が大きく、コンバインでの刈り取りは協力農家さんにお願いしたのですが、稲が倒れている方向によってコンバインを入れる方向が制約されたり、地面スレスレを刈らなければならないため雑草が絡まったりごみが詰まってしまったり、とてもやり難そうに苦労しながら、でも丁寧に刈り取っていただきました。
収穫した籾を乾燥・調整・籾摺り(これも協力農家さんで)していただいた結果としての玄米の収量は約2反歩の田んぼで240kg、慣行栽培のおよそ1/4、自然栽培として目論んでいた量と比較しても1/2以下というちょっと寂しい結果でした。
倒伏と、穂いもち病の影響で粃(しいな)と呼ばれる稔実不良で実の入っていない籾が多かったことが原因と考えられます。
■ 量はともかくそのお味は?
いろいろと苦労した割に量的には不発に終わってしまった挑戦1年目の稲作ですが、果たしてその食味はどうでしょう?期待と不安が入り混じる思いで早速試食してみました。
「おお!結構ちゃんと美味しいじゃないか!」 ここはさすがに農薬・化学肥料不使用の自然栽培コシヒカリ、味は最高でした。手塩にかけた思い入れも少なからずあるとは思いますが、炊き立てのご飯で作ったおにぎりを感無量で頬張りました。
■ 来シーズンへ向けての課題
量は採れませんでしたが美味しいお米が作れることが分かった翔栄ファーム挑戦1年目の稲作。
ここからは来シーズンへ向けての課題と対策を整理してみたいと思います。
(挙げればきりがないくらい沢山あるのですが、大きなところをかいつまんで。)
【雑草対策】
前回ご報告したように、ドタバタで開墾した水田で元々自生していた地下茎植物の根を取り切れず、田んぼの一部を征服されてしまった状況がありました。植付け前の田づくりを入念にして、草取りは早め早めの対応を心掛けたい思っています。
【倒伏対策】
作付けした「コシヒカリ」は、食味は極上なものの草丈が高く倒伏しやすい品種でした。加えて窒素過多など土壌の影響もありそうです。
土壌分析も計画していますが、かと言って自然栽培ですから土壌改良のために何かを大量に投入することは出来ませんので、草丈が低く茎が丈夫で耐倒伏性のある品種の作付けを考えています。
【いもち病対策】
これが最も難題です。
いもち病は罹ってしまうと蔓延するのを防ぐことが難しい病気で、対策は「発生させないこと」が定石と言われています。そのため慣行栽培では種籾~育苗~植付け後の各段階で殺菌剤系の農薬を使用しますが、翔栄ファームではもちろん農薬は使いません。
ではどうするか?出来ることは、いもち病耐性に優れた品種を選択することくらいしかなさそうです。後は植付けの株間を広めにしたり、畦畔の除草をマメにして風通しを良くして病気の発生を抑えるなど、出来るだけのお世話をした上で、その先は自然の力に委ねたいと思っています。
■ 翔栄ファーム、今後の稲作への取組み
「安心安全な食をお届けする」をテーマとしている私たち翔栄ファームは、お野菜に加え、米・大豆・麦などの主食となる穀物類も重要な作物と位置付けています。
やっと1年目でスタートしたばかりですが、ここで得た経験を糧に、来シーズン、再来シーズンと、少しづつでも生産量を増やしていきたいと思っています。これからも応援よろしくお願いいたします。