翔栄ファームは自社農場で栽培した
固定種・在来種の自然栽培野菜を
毎週2回産地直送でお客様の元にお届けしています。
というわけで今号の農場便りでは、
皆様にお届けする宅配野菜セットが
どんなプロセスでご自宅に届くのかが分かるように、
ご注文から発送までのオペレーションの流れについて
ご紹介したいと思っています。
尚、この時代にあっても発送伝票の出力以外は
すべてが手作業です。
1:野菜セットの内容決め(発送日前日)
翔栄ファームの宅配セットは
基本的にその時期に収穫できたお野菜だけを
お任せで箱詰めにしてお送りしています。
先ずご注文をいただくとすぐに
宅配リーダーが収穫できそうな野菜が何なのかを
スタッフに確認します。
具体的には各農場スタッフからの、
前回の収穫時の状況や日々の作物管理作業の中における
生育状況の変化等についての報告です。
そして、これらの情報が基となって
セット内容が決まります。
その際、前回のご注文時のラインナップと
被らないようにバランスを取っています。
よく聞かれることですが、
定期と単発の内容の違いがあるとすれば
「初生り(はつなり)」が入る確率です。
初生りはどうしても数量が限定されてしまうため
定期優先となってしまいがちです。
2:収穫(発送日朝~午前中)
ご注文数に応じて
セット内容の各野菜の必要数を収穫します。
正確にはその日に収穫しようとしていた数量に
宅配分をプラスするという感じです。
基本的には発送日の早朝に収穫しています。
いわゆる朝採れ野菜です。
3:水洗い(発送日午前中~昼過ぎ)
収穫後、作業場に集められた採れたて野菜は
すぐに一つ一つ丁寧に水洗いします。
泥や虫を落とすためです。
葉物の場合は葉の中にいる
小さな虫(アブラムシ、芋虫)を取り除きながら、
根菜類の場合はしっかりと泥を落とすことに
注力しながら水洗いしています。
まれに泥付き野菜を所望される
お客様もいらっしゃいますが、
やはりお客様がご自宅で調理しやすいようにと
翔栄ファームではしっかりと手洗いしています。
この作業中が最も野菜への愛情が
感じられる時間帯かもしれません。
今時分は朝から気温が30℃を超えることもあり、
水洗い作業は一服の清涼剤でもあります。
4:乾かし作業(発送日昼間)
水洗いして泥などを落とした野菜は
すぐに作業場に細長い2枚の板を渡して
その上に乗せたコンテナの中に入れて乾かします。
当然ですが夏の時期は乾きがとても早く、
雨降りの湿気の多い時期はそうではありません。
そのような時は作業場にある
扇風機を使って乾かしています。
そしてこの時間を活用して
宅配用の段ボールを組立てたり、
お野菜紹介やレシピなどの同梱物を準備します。
5:袋詰め(発送日午後)
翔栄ファームでは一つ一つの野菜を
ボードンと呼ばれる透明な袋に入れています。
正式名称は「防曇袋」。
読み方が「ぼーどんぶくろ」なので通称ボードンです。
特徴は野菜の水分で袋が曇らないように
きれいに見えるという点だと思いますが、
もちろん乾燥防止の意味もあります。
この袋詰めの際に「調整」という作業を行います。
宅配には少し大きすぎるとか、この部分は傷んでいるとか、
個体差を可能な範囲で取り除き、
極力公平なサービスがご提供できるよう心がけています。
そして調整後の野菜をボードンに封入し終わったら、
品種ごとに野菜の名称ステッカーを貼って
この工程は完了となります。
ただしお客様によってはボードンではなく、
新聞紙で包んで欲しいというご要望もあります。
その場合は包んだ新聞紙の上からステッカーを貼っています。
6:箱詰め(発送日午後)
そしていよいよ段ボールに野菜をセットします。
野菜セットの種類ごとに箱詰め作業を行います。
例えば先ず初めに定期宅配のSセットで次がMセット。
そのあとで単発Sセット、Mセット。
そして最後にその他のご注文分に取り掛かる、
というような感じです。
とはいえ翔栄ファームの場合は定期・単発を問わず、
圧倒的に彩り野菜セットのご注文が多いので、
これを例に箱詰めの段取りを簡単にお伝えします。
先ほどの野菜の乾燥待ちの時間をつかって
組立てた段ボールの底に新聞紙を数枚敷きます。
これは野菜から出る水分を吸い取り、
かつ段ボールの外への染み出しを防ぐためと、
野菜が衝撃で痛まないよう緩衝材の役割があります。
特にトマトは潰れやすいので要注意です。
そしてここから実際に野菜を入れていくのですが、
2人1組のペアで行うことが基本です。
先ず段ボールごとにセット内容が掛かれた用紙があります。
それをセット係が読み上げ、
もう1名がその野菜を取ってくるといった具合です。
これを一つ一つ行うことで、
入れ忘れや入れ間違いを未然に防いでいます。
全ての野菜のセッティングが完了したら、一番上に同梱物、
今回の野菜の説明が書かれた用紙や簡単なレシピ、
その他各種ご案内などを入れます。
そしてこれらを同梱した段階で段ボールの上蓋を閉じます。
7:送り状貼り(発送日午後)
最後に段ボールの天面に
送り状や冷蔵ステッカーなどを貼って完了です。
その日の発送分が全て梱包し終わったら、
軽トラに詰め込んで近くの配送センターに持ち込みます。
配送トラックが出発する時間までは
センター内の大きな冷蔵庫の中で保管されます。
以上が翔栄ファームの宅配オペレーションの全容です。
恐らくまだまだ改良の余地があるとは思うのですが、
少しでも長く鮮度を保った状態で
お客様のお手元にお届けできるように、
できるだけ時間のロスがないよう心がけています。
これからも翔栄ファームをご愛顧いただけますよう、
スタッフ一同、皆様と自然への感謝と共に
安心安全な野菜を作り続けて参ります。
翔栄ファームは自社農場で栽培した固定種・在来種の自然栽培野菜を、毎週2回産地直送でお客様の元にお届けしています。
というわけで今号の農場便りでは、皆様にお届けする宅配野菜セットがどんなプロセスでご自宅に届くのかが分かるように、ご注文から発送までのオペレーションの流れについてご紹介したいと思っています。尚、この時代にあっても発送伝票の出力以外はすべてが手作業です。
1:野菜セットの内容決め(発送日前日)
翔栄ファームの宅配セットは基本的にその時期に収穫できたお野菜だけをお任せで箱詰めにしてお送りしています。
先ずご注文をいただくとすぐに宅配リーダーが収穫できそうな野菜が何なのかをスタッフに確認します。具体的には各農場スタッフからの、前回の収穫時の状況や日々の作物管理作業の中における生育状況の変化等についての報告です。そして、これらの情報が基となってセット内容が決まります。その際、前回のご注文時のラインナップと被らないようにバランスを取っています。
よく聞かれることですが、定期と単発の内容の違いがあるとすれば「初生り(はつなり)」が入る確率です。初生りはどうしても数量が限定されてしまうため定期優先となってしまいがちです。
2:収穫(発送日朝~午前中)
ご注文数に応じてセット内容の各野菜の必要数を収穫します。正確にはその日に収穫しようとしていた数量に宅配分をプラスするという感じです。基本的には発送日の早朝に収穫しています。いわゆる朝採れ野菜です。
3:水洗い(発送日午前中~昼過ぎ)
収穫後、作業場に集められた採れたて野菜はすぐに一つ一つ丁寧に水洗いします。泥や虫を落とすためです。葉物の場合は葉の中にいる小さな虫(アブラムシ、芋虫)を取り除きながら、根菜類の場合はしっかりと泥を落とすことに注力しながら水洗いしています。まれに泥付き野菜を所望されるお客様もいらっしゃいますが、やはりお客様がご自宅で調理しやすいようにと翔栄ファームではしっかりと手洗いしています。
この作業中が最も野菜への愛情が感じられる時間帯かもしれません。今時分は朝から気温が30℃を超えることもあり、水洗い作業は一服の清涼剤でもあります。
4:乾かし作業(発送日昼間)
水洗いして泥などを落とした野菜は、すぐに作業場に細長い2枚の板を渡して、その上に乗せたコンテナの中に入れて乾かします。当然ですが夏の時期は乾きがとても早く、雨降りの湿気の多い時期はそうではありません。そのような時は作業場にある
扇風機を使って乾かしています。
そしてこの時間を活用して宅配用の段ボールを組立てたり、お野菜紹介やレシピなどの同梱物を準備します。
5:袋詰め(発送日午後)
翔栄ファームでは一つ一つの野菜をボードンと呼ばれる透明な袋に入れています。正式名称は「防曇袋」。読み方が「ぼーどんぶくろ」なので通称ボードンです。
特徴は野菜の水分で袋が曇らないようにきれいに見えるという点だと思いますが、もちろん乾燥防止の意味もあります。この袋詰めの際に「調整」という作業を行います。宅配には少し大きすぎるとか、この部分は傷んでいるとか、個体差を可能な範囲で取り除き、極力公平なサービスがご提供できるよう心がけています。
そして調整後の野菜をボードンに封入し終わったら、品種ごとに野菜の名称ステッカーを貼ってこの工程は完了となります。ただしお客様によってはボードンではなく、新聞紙で包んで欲しいというご要望もあります。その場合は包んだ新聞紙の上からステッカーを貼っています。
6:箱詰め(発送日午後)
そしていよいよ段ボールに野菜をセットします。野菜セットの種類ごとに箱詰め作業を行います。例えば先ず初めに定期宅配のSセットで次がMセット。そのあとで単発Sセット、Mセット。そして最後にその他のご注文分に取り掛かる、というような感じです。
とはいえ翔栄ファームの場合は定期・単発を問わず、圧倒的に彩り野菜セットのご注文が多いので、これを例に箱詰めの段取りを簡単にお伝えします。
先ほどの野菜の乾燥待ちの時間をつかって組立てた段ボールの底に新聞紙を数枚敷きます。これは野菜から出る水分を吸い取り、かつ段ボールの外への染み出しを防ぐためと、野菜が衝撃で痛まないよう緩衝材の役割があります。特にトマトは潰れやすいので要注意です。
そしてここから実際に野菜を入れていくのですが、2人1組のペアで行うことが基本です。先ず段ボールごとにセット内容が掛かれた用紙があります。それをセット係が読み上げ、もう1名がその野菜を取ってくるといった具合です。これを一つ一つ行うことで、入れ忘れや入れ間違いを未然に防いでいます。全ての野菜のセッティングが完了したら、一番上に同梱物、今回の野菜の説明が書かれた用紙や簡単なレシピ、その他各種ご案内などを入れます。そしてこれらを同梱した段階で段ボールの上蓋を閉じます。
7:送り状貼り(発送日午後)
最後に段ボールの天面に送り状や冷蔵ステッカーなどを貼って完了です。その日の発送分が全て梱包し終わったら、軽トラに詰め込んで近くの配送センターに持ち込みます。配送トラックが出発する時間まではセンター内の大きな冷蔵庫の中で保管されます。
以上が翔栄ファームの宅配オペレーションの全容です。恐らくまだまだ改良の余地があるとは思うのですが、少しでも長く鮮度を保った状態でお客様のお手元にお届けできるように、できるだけ時間のロスがないよう心がけています。
これからも翔栄ファームをご愛顧いただけますよう、スタッフ一同、皆様と自然への感謝と共に安心安全な野菜を作り続けて参ります。
参考:
プレジデント社刊「WIRED VOL.40(マイクロオーガニズム共生基礎ガイド2021)」