コリコリとした歯ごたえが感じられる青梅はジュースやシロップ漬けに、完熟した梅は赤しそ、塩と一緒に浸けて梅干しに、浸かると肉質に旨味が凝縮されたった一粒でも立派なご馳走になります。私たち日本人にとってはなくてはならない食材ですね。
■ こんなにある梅の効能
この一粒の梅にはからだに嬉しいたくさんの効果があります。
〇抗菌・抗ウイルス作用
クエン酸が細菌の繁殖を抑えてくれるので食べ物が腐るのを遅らせる働きがあります。昔から日の丸弁当には梅干しがのっているのは食中毒の予防として合理的なのかもしれません。
〇疲労回復
梅には有機酸が多く、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、などが多く含まれ、エネルギーを作り出す回路をスムーズに動かす作用があり疲労を蓄積しにくく疲れがたまった体を回復させてくれます。エネルギー代謝が滞ると疲労、肩こり、細胞の老化、動脈硬化、生活習慣病などの原因にも、梅の酸味成分が栄養素の不完全燃焼を防いでくれます。
〇胃腸を整える
昔から熟す前の梅の実をいぶして生薬として用いられ、梅の酸味成分のクエン酸が唾液の分泌を促し、胃粘膜を保護、胃腸の調子を整えてくれることで食欲を増進させ消化吸収の手助けをしてくれます。
〇血圧の上昇を抑える
アンギオテンシンという血管収縮性作用のあるホルモンを調整、血圧の上昇を抑え動脈硬化の発生を抑制します。
〇骨を丈夫に豊富なミネラル
梅には私たちのからだを形成してくれる鉱物性の栄養素、ミネラル(カルシウム、リン、鉄分など)が豊富です。ミネラルが不足するとからだのバランスが崩れ病気を引き起こす原因となります。一粒食べることでカルシウムが体内に定着しやすくなり骨粗しょう症の予防効果があります。
〇血液サラサラ効果
クエン酸が疲労の原因となる乳酸の蓄積を防いでくれることで血液が酸性から弱アルカリ性に、血液サラサラ効果が期待できます。健康なからだでいるためには酸性とアルカリ性のバランスをとり血液や細胞液を弱アルカリ性に保つことが大事です。ご飯、パン、肉、魚、お酒などは酸性のため血液がドロドロに、血行不良や免疫力低下などの恐れが、ここで頼りになるのが酸っぱい梅干し、梅干しはアルカリ性食品なのでほんの少し食べるだけで中和させてくれるという嬉しい効果があります。
〇抗酸化作用
抗腫瘍活性・抗酸化活性・抗肥満活性などの機能性がある梅リグナンという抗酸化作用のあるポリフェノールの一種が多く含まれています。
高い抗酸化力のあるビタミンEが多く含まれており、血管や肌、細胞などの老化を防止、血行促進など血液やリンパの流れがよくなることで抵抗力、免疫力がアップ、生活習慣病の予防にも効果があります。
新陳代謝がよくなることで体内の老廃物が排出されむくみや老化の予防、さらにはシミ、シワ、くすみなどの原因となる内臓の老化も予防してくれるので美肌効果も期待できます。
デメリットもあるので注意!
塩分が多いため食べすぎは禁物、高血圧、腎臓病のリスクが高まってしまいます。肝臓にも負担をかけてしまうことも。胃酸が多い人は胃酸がさらに増えてしまうことで胃痛を引き起こす原因になってしまいます。
■ 梅!おすすめの食べ方とは?
梅干し
梅と言ったらまずは梅干し、あったかいご飯にのせたり、おにぎりにしていただくのが美味しいですよね。梅の時期にご自宅で漬ける方も多いのではないでしょうか?
1日1粒(6g~8g程度)食べれば医者いらずといわれるほど、カルシウムの吸収量が多い夜に食べるのが一番だとか。梅干しとしらすを一緒に食べるとカルシウムの吸収率が一段とアップします。
梅干しと食べ合わせが悪いとされているうなぎ、一緒に食べると気持ちが悪くなると私も母から聞いていましたが、実は、医学的には全く問題がないという声も、梅干しが食欲を増進させることでうなぎを食べすぎてしまう、過食や贅沢防止の為に伝えられてきたとも考えられているようです。
梅酒、梅シロップ、梅ジャム
熟す前の青梅で漬けた梅酒や梅シロップ、熟した梅を煮詰めて作る梅ジャム、手間はかかりますが自家製のお気に入りの味にアレンジして、完成するまでの過程を見るのもワクワクします。
梅のヘタを竹串などで1個づつ取る作業が毎年恒例になっているご家庭も多いのではないでしょうか。
子供のころ、ヘタを取る梅の量が多すぎてめちゃくちゃ大変だったことを覚えています。でもそれ以上に出来上がりが待ち遠しかった。
美味しくいただけるのも楽しみの一つですが、手づくりするその大変さと楽しみに気付くことも心が豊かに、至福の時を感じることができるかもしれません。
梅醤番茶(うめしょうばんちゃ)
材料:梅干し、醤油、生姜、番茶
一粒の3分の1ほどの梅干しをちぎり湯呑に入れ、醤油とすりおろし生姜汁を2,3滴たらし、3年番茶を注ぎ混ぜれば出来上がりです。
昔から自然のお薬として親しまれているからだにやさしいお茶、健康法の1つとして毎日食前か空腹時に飲むのが効果的と言われています。風邪をひいた、おなかの調子がすぐれないなど体調がすぐれない時にもおすすめ、ポカポカとからだが温まるお茶です。
■ 梅を食べる生活のすすめ
その梅干し一粒が持つ酸っぱさが健康になる、そのまま食べても、調理方法を工夫することでいろいろな料理にも利用できますね。梅が持つ計り知れない魅力、1日1粒に挑戦してみませんか?
まだ少し先になりますが、梅干しの日があることはご存知ですか?古くから「梅干しを食べると難が去る」と言われていたことから「7月30日」が梅干しの日と定められているそうです。
語呂合わせだそうですが、7が(なん)、30が(さる)ということだとか・・・