甘味料の一種の「異性化糖(いせいかとう)」、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなどのデンプンを酵素の力で分解しブドウ糖にした後に果糖に変換(異性化)させた液状の糖のことで、低温で甘さが引き立つというその液体の性状を活かして清涼飲料水、ドレッシングや麺つゆ、冷菓やアイス、レトルト、調味料などに、また砂糖より安価ということもあり多くの食品に使用されています。
しかしながら、その異性化糖が私たちのからだをサビさせてしまい脳にも影響が、老化現象の原因となるので過剰摂取は避けるべきと言われています。今回はこの「異性化糖」についてのお話です。
■異性化糖とは?
異性化糖とは、日本の食品の原材料名でよく「果糖ブドウ糖液糖(ブドウ糖果糖液糖/高果糖液糖/砂糖混合異性化液糖など)」と表記されており清涼飲料水などの缶の裏の成分表に書かれています。この表記で使われている甘味は異性化糖のことで、砂糖と比べるとキレのある爽やかな喉越し、冷やしたほうが甘味を感じるなどの理由から主に清涼飲料水に使用されることが多いようです。
砂糖がサトウキビやてん菜を絞って作られるのに対し、異性化糖はとうもろこしやじゃがいも、さつまいもなどに含まれるデンプンを原料に酵素の働きでブドウ糖に変え、その一部を果糖に変換(「異性化」)した液状の糖のことで人工的に加工された食品『超加工食品』に含まれるものの一つとされています。
■異性化糖の特徴とは?
液体のため溶かす手間がかからないため使用しやすく、ショ糖(砂糖)より安価に製造でき甘味がシャープ、ショ糖の甘味を1とした場合、果糖は1.2~1.7倍に、異性化糖は果糖の割合によって甘味度も調整が可能で低温(5℃程度が最適とされています)でも甘味が増加するのと大量の運送や保存が容易であることも利点として挙げられています。
■異性化糖のメリットとデメリット

異性化糖は体に入るとすぐに吸収されるメリットがあり低血糖になったときの対策としては適切です。しかし、ブドウ糖と比べて中性脂肪になりやすいなど健康に影響を与える可能性があるため過剰摂取は控えるよう注意が必要です。異性化糖は、人工甘味料ではなく、天然由来の成分で食品添加物にも指定されていません。
異性化糖が含まれた食品などを長い間過剰摂取してしまうことで食欲を抑制する信号が上手く脳に伝わらなくなり食べ過ぎ、肥満になりやすい状態になる可能性もあり、その結果、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、動脈硬化などを引き起こす原因となる恐れがあります。
■糖化を促す!異性化糖の本当のこわさ!

年齢を重ねることで起こるからだの酸化現象と同様、「糖化現象」という言葉はご存知でしょうか?糖化も酸化同様にからだの老化を促進し、生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
活性酸素の増えすぎで正常な細胞が攻撃されてしまうことで起こる酸化、からだのサビと呼ばれているものです。
糖化はからだのコゲ、摂取した余分な糖分が体内で細胞を劣化させてしまう現象、メイラード反応と呼ばれるものです。メイラード反応と言えば食物でも起こる反応で砂糖が卵や牛乳などのたんぱく質に反応することで美味しくなるなどのメリットがあるのですが人の体内で起こると動脈硬化、白内障、アルツハイマーなどの疾患との関係性や肌のシワ、シミ、くすみの原因にもなると言われております。
この糖化を高めてしまうとされているのも異性化糖と言われているようです。脳の健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。過剰摂取することで、脳の遺伝子を損傷してしまい、老化を促進する可能性があると指摘されています。
消化酵素に分解されない異性化糖は食事や飲み物などで摂取するとそのままの形で腸から吸収され一部が中性脂肪に変化します。血糖値を上昇させたり、インスリンの刺激をする力が弱いため満腹感が得られにくく、清涼飲料水の摂取しすぎによる肥満につながる可能性があります。

お子様が甘いソフトドリンクをたくさん飲む食生活になってしまっている場合は主菜、副菜が揃ったバランスの良い食事を摂るように注意をする、大人も糖化現象を引き起こさないように玄米やそばなどの低GI食品を食べる、野菜、海藻を最初に食べて血糖値の上昇を防ぐ「ベジタブルファースト」、更には糖化を抑えてくれるお茶もおすすめです。
柿の葉茶、グアバ茶、甜茶、ドクダミ茶やルイボスティーなどには、糖化を抑える働き、抗糖化作用が確認されていますので食事法を実施するとともにお茶を毎日かかさず長く飲み続けましょう。お茶を飲むことを習慣化することで糖化のリスクが減少し、肥満や生活習慣病の予防にもなります。家族みんなで異性化糖の過剰摂取をしないよう注意をしながらバランスの良い食生活への改善を見直すことを心がげてみてはいかがでしょうか?
