「ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれるカロテノイドやビタミンEが認知症リスクを低下させてくれる!」
このことはアルツハイマー病を発症した人は発症していない人に比べ脳内のルテイン、ゼアキサンチン、リコピン、ビタミンEなど野菜に多く含まれる成分が半分しかないことが明らかになったという調査結果から明らかになりました。(米国バージニア工科大学医学部調査より)
■ 認知症にも種類がある?3大認知症
認知症とは、「記憶障害と、失語、失行、失認、実行機能などの障害が1つ以上加わり、その結果、明らかに社会生活や職業上に支障をきたしたり、能力レべルの低下が見られる状態であること」と定義されています。認知症の最大の原因は加齢、誰にでも起こりうる身近な病気です。
〇アルツハイマー型認知症
よく耳にされる「アルツハイマー」、認知症の原因の半分以上を占める進行性の神経変形疾患、脳の中に原因となるたんぱく質がたまり、脳の神経細胞が壊されることで発症し認知機能が徐々に障害されていく病気で物忘れなどから始まりゆっくりと徐々に悪化する傾向にあります。
〇血管性認知症
脳梗塞、脳出血など脳の血管が詰まる、破れることで発症します。記憶障害、脳血管障害の部位によりますが意欲低下、無関心など脳組織への血液供給が減少または途絶し、脳組織が破壊されることにより精神機能が失われ認知症を引き起こします。
〇レビー小体型認知症
アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多い認知症で大脳皮質の神経細胞内に「レビー小体」という特殊な変化が現れます。初期症状に幻視(実際にないモノがみえる)が現れ、日によってしっかりとしていたり、ボーとしていたり、睡眠時の異常行動(大声で叫ぶ)などの症状も伴い、手足の震え、筋肉のこわばりなどパーキンソン病との関連が指摘されています。
■ 高齢者5人に1人が認知症になる!
日本の高齢者人口は3623万人と日本の高齢者(65歳以上)の人口率は29.1%と高いです(2023年9月現在)。2022年の調べによると日本は高齢者の人口率が世界第1位です。ついで2位がイタリア(24.5%)、3位がフィンランド(23.5%)となります。
2年後の2025年には高齢者の5人に1人(20%)が認知症になりうると推移されています。超高齢化の最先端を行く日本は高齢化が進むにつれ認知症の高齢者が増えるという計算になり5人のうちの4人が認知症ではなくても認知症予備軍と言える軽度の認知症かもしれません。認知症の原因が加齢による場合も多いということは、誰もが年をとるので他人ごとではないということになります。
■ 緑黄色野菜を食べて認知症を予防しよう!
認知症を発生させないためには体内で増えた活性酸素を除去していくことです。老化を防ぎ、認知症やがん、生活習慣病などの予防につながります。
活性酸素による酸化を抑えること、抗酸化作用でからだの中をサビつかせないようにすることが重要なのです。
緑黄色野菜に多く含まれる野菜の色素成分、カロテノイドの一種のルテイン、ゼアキサンチン、リコピンやビタミンEには体内の活性酸素を除去する抗酸化作用があり、老化防止に効果的と考えられています。が、これらの作用は体内では合成できないため年齢を重ねるとともに減少してしまいます。そのためこれらは食事から摂取するしかないと言われています。
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、アスパラガス、トマト、ピーマン、ブロッコリーなどビタミンが豊富な緑黄色野菜、特に体内の免疫力を高めてくれるビタミンCや抗酸化作用があるビタミンEは血中コレステロール値を下げ血管や脳の老化の抑制が期待できる、認知症の予防に効果があると言われています。
■ おすすめのカラフルな野菜「フィトケミカル」
野菜、果物、豆類など植物性食品の色素や香り、ネバネバ、アクなどの成分から発見された化学物質で種類は数戦以上にも、代表的なものにポリフェノール、フラボノイド、アントシアニン、カロテノイドなどがあります。
免疫力アップ、抗酸化作用デトックス作用、がん予防、アンチエイジング作用など病気からからだを守り健康に優れた機能があり、生きるために必須の機能性成分ではありませんが健康に生きるための手助けをしてくれます。
緑→クロロフィル:
ほうれん草、ピーマンなど、抗酸化作用、コレステロール値抑制、抗がん作用など
赤・紫→アントシアニン:
茄子、紫にんじんなど血圧の安定や抗酸化作用
赤→リコピン:
トマトの抗酸化作用、血流改善など
オレンジ・黄色→βカロテン:
かぼちゃ、にんじんの抗酸化作用、抗がん作用
白→硫化アリル:
玉ねぎ、にんにくなど抗がん作用、免疫力向上など
黒・茶→クロロゲン酸:
ヤーコン、ジャガイモなどの抗酸化作用、糖尿病予防、コレステロール値抑制
βグルカン:
きくらげ、なめこなど抗がん作用、コレステロール値抑制、免疫力向上など
野菜が持つ色には「大きな力」があることがわかります。5色ほどの野菜を食べることを心がけるといいでしょう。
1度の食事でそろえるのが大変だったら1日の食事の中で揃えるようにしましょう。いろいろな色の野菜を摂ることを意識することで自然とバランスよく栄養素を摂取することができます。
特に色の濃い緑黄色野菜は1日に120グラムほど、小鉢で毎食1,2皿を目安に食べるということを意識してみることから始めるといいかもしれません。
野菜をたっぷり食べて認知症予防、錆びないからだづくりを心がけ加齢に負けない健康な生活を楽しみましょう!