これはあくまでも社会全般の話であって
当コラム読者に対するものではありません。
(そうであってほしいと思っています)
今回は敢えて結論から申し上げておきますが、
「食生活の乱れが招くもの」、それは「病気」です。
■ 糖質の過剰摂取と栄養の偏りがもたらすもの
ご存じでしょうか?
2010年以降の統計では日本人の成人の5人に1人が
糖尿病あるいはその予備軍だといわれています。
(成人約1億人中、約2千万人が該当)
これは中々の数字です。
5人家族であればその内の1人、
職場であれば自分を中心に前後左右の同僚に
自分を含めた5人の内の誰か1人、
という計算になるわけです。
100人の従業員がいる会社では20人が糖尿病
あるいは糖尿病予備軍と聞けば、
この比率がかなり異常であることが
お分かりいただけると思います。
ここでは特に糖尿病について説明はしませんが、
現象としては読んで字のごとく
尿の中に糖が混じっている状態です。
ではなぜこんなことが起こるのでしょうか?
一言でいえば糖質の過剰摂取と
栄養バランスが悪いというこの一点に尽きます。
しかしどうやらその根源はもっと深いところにあるようです。
それについては後ほどお話します。
■ 日本はG7加盟国なのに貧困国?
ショッキングなお話を一つ。
糖尿病は貧困層の病気です。
日本は貧困国なのでしょうか?
一般的に貧困国の特徴はエンゲル係数
(所得に対する食費の割合)が高い傾向にあります。
しかし日本人の平均のエンゲル係数は、
どちらかというと減少傾向にあるため、
少なからずこの観点からは
日本の貧困国説は否定できるはずです。
ただしそれは表面的な話です。
というのは医療費支出が高いのです。
日本人の平均寿命が延びていることは事実ですが、
健康寿命となると残念ながら
そこから10歳は低くなってしまいます。
換言すれば死ぬまでの10年間は健康ではない状態である、
場合によっては病気に苦しんでいる期間ともいえるのです。
では一体何が原因と考えられるのでしょうか?
■ 糖質過多の危険性
“白く精製された食べ物は避けた方がいい”
という話をよく耳にします。
代表的なものは「砂糖」「白米」「小麦粉」です。
これらは共に糖質ですが、砂糖を例に取ると、
砂糖は一気に血糖値を上げてしまうため
膵臓からのインスリンを大量に分泌させ
糖を抑えようとします。その結果、
内臓や血管に大きな負担を掛けることになります。
この血糖値の乱高下が心身への大きな悪影響を与え、
血糖値が下がったあとの状態は
鬱に近いとさえいわれています。
まあ、砂糖は何となく理解できますが、
なぜ白米と小麦粉がここまで悪者の代名詞のように
扱われるのでしょうか?
■ エンプティー・カロリー
白米や小麦粉はもみ殻や胚といった
ビタミン、ミネラルなどの大切な栄養素を含む
重要部分を悉く削り落してしまいます。
そして残ったものはほとんど炭水化物のみ。
もちろん食物繊維も若干は残りますが、
そのほとんどは糖質です。
先ほど砂糖のところでお話しましたが、
糖質の摂取は血糖値を一気に上げてしまいます。
本来、糖質の分解を行うものはビタミンとミネラルであり、
それらは摂取した食物の栄養により
賄われることが原則です。
しかしこれらにはその栄養素がないため、
体内のビタミンとミネラルを使用することになります。
このことから白米や小麦粉
(炭水化物だけの食事や過剰摂取の場合)のことを
エンプティー・カロリーといいます。つまり、
カロリーだけがあり、その他の必要な栄養素がないばかりかそれらを体内から奪う存在
だというのです。
このことから、糖質を分解する過程で
大量のインスリンが分泌されること自体が、
実は異常であることを知る必要があります。
対して玄米や全粒粉小麦には
ビタミンとミネラルが豊富に含まれているため、
糖質をゆっくりと分解することができ、
急激な血糖値の上昇を抑えることができるのです。
もちろんインスリンの分泌も穏やかになるため
非常に理に適っています。とはいえ、
むやみに白米や小麦粉を否定するつもりはありません。
なぜならば炭水化物は重要な栄養素です。
大切なことは栄養バランスの取れた食事をすることと
炭水化物の過剰摂取をしないということです。
■ 正しい知識を身に着ける
ところで現代では肥満は病気とされています。
また肥満は他の様々な病気の
一因になることも珍しくありません。
筆者が幼少の頃は、
「大人はある程度恰幅がよくないと貧相に見える」
「あるいは恰幅のよさは裕福さの象徴だ」
と両親から聞かされたものです。
しかし現代においてはほぼ真逆です。
つまり肥満は食生活の貧しさや無知、
更に自己管理能力の欠如と見做されることがあります。
本来、正しい知識のもとに食生活を送っていれば
一定レベルで肥満を防ぐことはできるのです。
しかし現代人の多くは
この正しい知識を持ち合わせていなばかりか
食品会社や外食業界の巧みな商品販売戦略に乗せられて、
ついつい日々の大切な食事を疎かにしがちです。
その結果、男女問わず多くの人々が
ダイエットをする羽目になるのです。
一応、ここでお伝えしておきますが、
筆者はダイエット(主にファスティング)の
否定論者ではありません。
なぜならばデトックス(毒だし)は
必要だと思っているからです。
とはいえ世の中には危険なダイエット方法が多くあります。
そして危険な食品すら氾濫しているのが現状です。
というわけで後編では食事の際に
必ず気を付けるべきポイント、
あるいは食べてはいけない食品について
お話していきたいと思います。
(「食生活の乱れが招くもの」後編へ続く)
これはあくまでも社会全般の話であって当コラム読者に対するものではありません(そうであってほしいと思っています)。
今回は敢えて結論から申し上げておきますが、「食生活の乱れが招くもの」、それは「病気」です。
■ 糖質の過剰摂取と栄養の偏りがもたらすもの
ご存じでしょうか?
2010年以降の統計では日本人の成人の5人に1人が糖尿病あるいはその予備軍だといわれています(成人約1億人中、約2千万人が該当)。これは中々の数字です。5人家族であればその内の1人、職場であれば自分を中心に前後左右の同僚に自分を含めた5人の内の誰か1人、という計算になるわけです。100人の従業員がいる会社では20人が糖尿病あるいは糖尿病予備軍と聞けば、この比率がかなり異常であることがお分かりいただけると思います。
ここでは特に糖尿病について説明はしませんが、現象としては読んで字のごとく尿の中に糖が混じっている状態です。ではなぜこんなことが起こるのでしょうか?
一言でいえば糖質の過剰摂取と栄養バランスが悪いというこの一点に尽きます。
しかしどうやらその根源はもっと深いところにあるようです。それについては後ほどお話します。
■ 日本はG7加盟国なのに貧困国?
ショッキングなお話を一つ。
糖尿病は貧困層の病気です。日本は貧困国なのでしょうか?
一般的に貧困国の特徴はエンゲル係数(所得に対する食費の割合)が高い傾向にあります。しかし日本人の平均のエンゲル係数は、どちらかというと減少傾向にあるため、少なからずこの観点からは日本の貧困国説は否定できるはずです。
ただしそれは表面的な話です。というのは医療費支出が高いのです。日本人の平均寿命が延びていることは事実ですが、健康寿命となると残念ながらそこから10歳は低くなってしまいます。換言すれば死ぬまでの10年間は健康ではない状態である、場合によっては病気に苦しんでいる期間ともいえるのです。
では一体何が原因と考えられるのでしょうか?
■ 糖質過多の危険性
“白く精製された食べ物は避けた方がいい”という話をよく耳にします。代表的なものは「砂糖」「白米」「小麦粉」です。これらは共に糖質ですが、砂糖を例に取ると、砂糖は一気に血糖値を上げてしまうため膵臓からのインスリンを大量に分泌させ糖を抑えようとします。その結果、内臓や血管に大きな負担を掛けることになります。この血糖値の乱高下が心身への大きな悪影響を与え、血糖値が下がったあとの状態は鬱に近いとさえいわれています。
まあ、砂糖は何となく理解できますが、なぜ白米と小麦粉がここまで悪者の代名詞のように扱われるのでしょうか?
■ エンプティー・カロリー
白米や小麦粉はもみ殻や胚といったビタミン、ミネラルなどの大切な栄養素を含む重要部分を悉く削り落してしまいます。そして残ったものはほとんど炭水化物のみ。もちろん食物繊維も若干は残りますが、そのほとんどは糖質です。
先ほど砂糖のところでお話しましたが、糖質の摂取は血糖値を一気に上げてしまいます。本来、糖質の分解を行うものはビタミンとミネラルであり、それらは摂取した食物の栄養により賄われることが原則です。
しかしこれらにはその栄養素がないため、体内のビタミンとミネラルを使用することになります。このことから白米や小麦粉(炭水化物だけの食事や過剰摂取の場合)のことをエンプティー・カロリーといいます。つまり、
カロリーだけがあり、その他の必要な栄養素がないばかりかそれらを体内から奪う存在
だというのです。このことから、糖質を分解する過程で大量のインスリンが分泌されること自体が、実は異常であることを知る必要があります。
対して玄米や全粒粉小麦にはビタミンとミネラルが豊富に含まれているため、糖質をゆっくりと分解することができ、急激な血糖値の上昇を抑えることができるのです。もちろんインスリンの分泌も穏やかになるため非常に理に適っています。とはいえ、むやみに白米や小麦粉を否定するつもりはありません。なぜならば炭水化物は重要な栄養素です。大切なことは栄養バランスの取れた食事をすることと炭水化物の過剰摂取をしないということです。
■ 正しい知識を身に着ける
ところで現代では肥満は病気とされています。また肥満は他の様々な病気の一因になることも珍しくありません。筆者が幼少の頃は、「大人はある程度恰幅がよくないと貧相に見える」「あるいは恰幅のよさは裕福さの象徴だ」と両親から聞かされたものです。
しかし現代においてはほぼ真逆です。つまり肥満は食生活の貧しさや無知、更に自己管理能力の欠如と見做されることがあります。本来、正しい知識のもとに食生活を送っていれば一定レベルで肥満を防ぐことはできるのです。しかし現代人の多くはこの正しい知識を持ち合わせていなばかりか食品会社や外食業界の巧みな商品販売戦略に乗せられて、ついつい日々の大切な食事を疎かにしがちです。その結果、男女問わず多くの人々がダイエットをする羽目になるのです。
一応、ここでお伝えしておきますが、筆者はダイエット(主にファスティング)の否定論者ではありません。なぜならばデトックス(毒だし)は必要だと思っているからです。とはいえ世の中には危険なダイエット方法が多くあります。そして危険な食品すら氾濫しているのが現状です。
というわけで後編では食事の際に必ず気を付けるべきポイント、あるいは食べてはいけない食品についてお話していきたいと思います。
(「食生活の乱れが招くもの」後編へ続く)
参考:
糖尿病に関する統計・調査と社会的な取組み – 糖尿病情報センター
明治から続く統計指標:エンゲル係数 – 総務省統計局
国民医療費の概況 – 厚生労働省