「ファスティング」という言葉が
一般的になって久しいですが、
多くの方は恐らくファスティングを
ダイエットと認識されています。
もちろん一面としては正解ですが、
ファスティングとはずばり断食です。
あくまでも主観ですが、
断食はすごくストイックな印象が強く、
場合によっては修行や出家のような
脱俗的なイメージがあるのに対し、
ファスティングではこれらが払拭され、
身近にすら感じられるので不思議です。
当コラムでは「断食とは?」ではなく、
世間に広く流通するファスティングに
イメージ付けされている
「ダイエット」に近い意味合いで、
これを日常生活にどう取り入れていくか、
というような視点で、周辺情報を
ご紹介していこうと思います。
■ 人はなぜ、ファスティングをするのか
冒頭でファスティング≒ダイエット
であるとの社会認識を、
主観的かつ一方的に洞察しましたが、
実際の捉えられ方には実はあまり興味がなく、
ファスティングを試みる方々の
根底にある願望が何であるのかということ。
そしてそれは、「健康」ではないでしょうか。
つまり「人は『健康』になるために
『ファスティング』をする」と考えてみます。
■ 小食が基本
このコラムの読者の中には、
水野南北(観相家)のように、
「主食は麦飯で、一日に麦一合五勺と決め、
副食は一汁一菜で、米や餅を一切口にせず、
お酒は一日一合まで」というような粗食を
実践している方はいらっしゃるのでしょうか。
むしろ、
・炭水化物中心の食生活から脱せない
・飲酒癖が抜けない
・間食がやめられない
・食べ過ぎで体がだるい
・健康診断の数値が思わしくない
などの、各人各様に抱えている諸課題を
改善したいと願ってはいませんか。
水野南北という観相家の名言に
こんなものがあります。
少食にすれば腸相が良くなります。
腸相が良くなれば人相が良くなります。
人相が良くなれば運命が好転します。
つまり、運命を好転させる大元は
「小食」であるというのです。
ご存じの通り「小食」の効用を
表す言葉は世界中に複数あります。
例えば、
「腹八分目に医者いらず、腹六分目で老いを忘れる」
「胃袋の三分の一は固形物、三分の一は液体、残りの三分の一は消化のためのスペースで食べなさい」
といったものです。
当然ここに隠れている“何のために?”
の部分は「健康になるため、あるいは
あり続けるため」ということです。
ではなぜ小食が健康につながるのか?
あるいは今まで食べていたものを
食べないようにすることが
健康につながるのか?
換言すればファスティングが
健康へのパスポートになるのか?
という話に入ります。
■ なぜファスティングが健康と結びつくのか
先ず「食べない」ことで得られる
最高のギフトは、消化機能を休息させ、
脂肪を燃焼させるということです。
また、オートファジー作用が細胞内で働き、
自らの一部を分解し栄養に変えることで、
細胞内の浄化が起こることです。
つまりデトックスが起こるのです。
ご存じの方も多いと思われますが、
ギリシャ語であるオートファジーの
「オート」は「自己」
「ファジー」は「食べる」
を意味します。オートファジーを
「自食作用」というのはこのためです。
ただ、自食作用はファスティングによる
飢餓状態の時だけに起こるわけではなく、
日常の食生活においても
不足しがちなたんぱく質を、
摂取したものとは別に
細胞内でも生み出しているのです。
とはいえ、健康を目指す第一歩として
必要なことは体内の毒素を浄化すること、
つまりはデトックスすることです。
体重を落とすだけであれば
食事の量を減らすとか、
ロカボダイエットに代表される
炭水化物抜きだとかがありますが、
先ず健康への入口であるデトックスを
精度高く行うためには、
やはり丸1日何も食べない
本来の意味のファスティング(断食)を
実践する必要があるように思います。
ただし絶食期間については
無理をすると危険なため、
丸1日から始めて慣れてきたら
2~3日のファスティングを
毎月1回程度のペースで行うと、
かなり体調の好転、いや絶好調感を
維持できるようになるのではないでしょうか。
しかし個人差があるので
決して無理をしてはなりません。
■ 理想的と言われる食生活
次に、一定のデトックスが
終了した後の日常的食生活について
話を進めて参ります。
心掛けるべきはやはりバランスです。
先述のロカボダイエットのように、
ほとんど炭水化物を摂らない代わりに、
脂質とたんぱく質は制限なしで、
カロリー気にせず食べるようなスタイルを
長期間続けるわけにはいきません。
あくまでも継続が重要です。
その観点で言うと、
お勧めする日常的食事スタイルは
何といっても玄米を主食とする和食です。
しかし玄米については注意が必要です。
万が一、無農薬の玄米が入手できなければ
玄米はあきらめてください。
理由は玄米の胚芽の部分に
残留農薬が蓄積されているからです。
農薬栽培の玄米を食べるくらいなら、
白米(農薬使用であったとしても)を
食べたほうがずっとましかと思います。
なぜならば白米は、もみ殻はもちろん、
糠層も取り除くため、恐らく残留農薬は
ほとんど残らないと思っていただいて
大丈夫だと思うからです。
ただし白米には玄米、発芽玄米と比べると
あまり栄養がなく、糖質の比率が高いため、
その他の副菜や汁物で
不足する栄養素を補う必要があります。
また、肉魚については適量であれば
特に制限はありません。
むしろ、大切なたんぱく源として
摂取することをお勧めします。
いずれにせよ、
バランスを意識した小食を心掛け、
常に腹八分目以下に慣れることが、
ムーブメントとしてのファスティングの
心構えではないでしょうか。
そしてできることなら
1日の食事の回数を減らすことも
有益であり、推奨する次第です。
「ファスティング」という言葉が一般的になって久しいですが、多くの方は恐らくファスティングをダイエットと認識されています。もちろん一面としては正解ですが、ファスティングとはずばり断食です。
あくまでも主観ですが、断食はすごくストイックな印象が強く、場合によっては修行や出家のような脱俗的なイメージがあるのに対し、ファスティングではこれらが払拭され、身近にすら感じられるので不思議です。
当コラムでは「断食とは?」ではなく、世間に広く流通するファスティングにイメージ付けされている「ダイエット」に近い意味合いで、これを日常生活にどう取り入れていくか、というような視点で、周辺情報をご紹介していこうと思います。
■ 人はなぜ、ファスティングをするのか
冒頭でファスティング≒ダイエットであるとの社会認識を、主観的かつ一方的に洞察しましたが、実際の捉えられ方には実はあまり興味がなく、ファスティングを試みる方々の根底にある願望が何であるのかということ。そしてそれは、「健康」ではないでしょうか。つまり「人は『健康』になるために『ファスティング』をする」と考えてみます。
■ 小食が基本
このコラムの読者の中には、水野南北(観相家)のように、「主食は麦飯で、一日に麦一合五勺と決め、副食は一汁一菜で、米や餅を一切口にせず、お酒は一日一合まで」というような粗食を実践している方はいらっしゃるのでしょうか。
むしろ、
・炭水化物中心の食生活から脱せない
・飲酒癖が抜けない
・間食がやめられない
・食べ過ぎで体がだるい
・健康診断の数値が思わしくない
などの、各人各様に抱えている諸課題を改善したいと願ってはいませんか。
水野南北という観相家の名言にこんなものがあります。
少食にすれば腸相が良くなります。
腸相が良くなれば人相が良くなります。
人相が良くなれば運命が好転します。
つまり、運命を好転させる大元は「小食」であるというのです。ご存じの通り「小食」の効用を表す言葉は世界中に複数あります。例えば、
「腹八分目に医者いらず、腹六分目で老いを忘れる」
「胃袋の三分の一は固形物、三分の一は液体、残りの三分の一は消化のためのスペースで食べなさい」
といったものです。当然ここに隠れている“何のために?” の部分は「健康になるため、あるいはあり続けるため」ということです。
ではなぜ小食が健康につながるのか?
あるいは今まで食べていたものを食べないようにすることが健康につながるのか?
換言すればファスティングが健康へのパスポートになるのか?
という話に入ります。
■ なぜファスティングが健康と結びつくのか
先ず「食べない」ことで得られる最高のギフトは、消化機能を休息させ、脂肪を燃焼させるということです。また、オートファジー作用が細胞内で働き、自らの一部を分解し栄養に変えることで、細胞内の浄化が起こることです。
つまりデトックスが起こるのです。ご存じの方も多いと思われますが、ギリシャ語であるオートファジーの「オート」は「自己」「ファジー」は「食べる」を意味します。オートファジーを「自食作用」というのはこのためです。
ただ、自食作用はファスティングによる飢餓状態の時だけに起こるわけではなく、日常の食生活においても不足しがちなたんぱく質を、摂取したものとは別に細胞内でも生み出しているのです。
とはいえ、健康を目指す第一歩として必要なことは体内の毒素を浄化すること、つまりはデトックスすることです。
体重を落とすだけであれば食事の量を減らすとか、ロカボダイエットに代表される炭水化物抜きだとかがありますが、先ず健康への入口であるデトックスを精度高く行うためには、やはり丸1日何も食べない本来の意味のファスティング(断食)を実践する必要があるように思います。
ただし絶食期間については無理をすると危険なため、丸1日から始めて慣れてきたら2~3日のファスティングを毎月1回程度のペースで行うと、かなり体調の好転、いや絶好調感を維持できるようになるのではないでしょうか。しかし個人差があるので決して無理をしてはなりません。
■ 理想的と言われる食生活
次に、一定のデトックスが終了した後の日常的食生活について話を進めて参ります。
心掛けるべきはやはりバランスです。先述のロカボダイエットのように、ほとんど炭水化物を摂らない代わりに、脂質とたんぱく質は制限なしで、カロリー気にせず食べるようなスタイルを長期間続けるわけにはいきません。あくまでも継続が重要です。その観点で言うと、お勧めする日常的食事スタイルは何といっても玄米を主食とする和食です。
しかし玄米については注意が必要です。万が一、無農薬の玄米が入手できなければ玄米はあきらめてください。理由は玄米の胚芽の部分に残留農薬が蓄積されているからです。農薬栽培の玄米を食べるくらいなら、白米(農薬使用であったとしても)を食べたほうがずっとましかと思います。なぜならば白米は、もみ殻はもちろん、糠層も取り除くため、恐らく残留農薬はほとんど残らないと思っていただいて大丈夫だと思うからです。
ただし白米には玄米、発芽玄米と比べるとあまり栄養がなく、糖質の比率が高いため、その他の副菜や汁物で不足する栄養素を補う必要があります。また、肉魚については適量であれば特に制限はありません。むしろ、大切なたんぱく源として摂取することをお勧めします。
いずれにせよ、バランスを意識した小食を心掛け、常に腹八分目以下に慣れることが、ムーブメントとしてのファスティングの心構えではないでしょうか。
そしてできることなら1日の食事の回数を減らすことも有益であり、推奨する次第です。