近年のLOHAS志向の高まりのせいか、
オーガニックという言葉も
すっかりと定着してきました。
もはや有機野菜といっても、
それほど珍しいイメージでは
なくなってきたに違いありませんが、
では有機野菜が身近ですか?と尋ねられると
もしかしたら首をかしげる方も
多いのではないでしょうか。
そう、実際にはいつでもどこでも買える
っていうものでもないようです。
というわけで今回は有機農法の
生産比率について調べてみました。
中国やアメリカより低い取組面積比率
そもそも有機とは何でしょうか?
言葉の意味としては
「生命力を有している」的なことになります。
そして英語のorganicの元になっている
organも生物の器官を指しています。
ということは、生物由来の何か、
というイメージを持っていただければ
いいのではないでしょうか。
農業分野に限ると(あくまでも感覚的にですが)、
無機的な化学肥料に対比する意味合いで、
それ以前のやり方の農業に対して
使われていたりもします。
とはいえ、これまでも取り上げてまいりましたが
現在の日本で「有機農業」という場合は
定義が決められています。
詳細は過去のコラムにもありますので省きますが、
「合成肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使わず、
環境負荷を低減した」農業生産のことを指します。
この有機農業の取組面積は、
国内の合計が2300ha(平成29年)。
これは全耕地面積の0.5%に過ぎません。
えっオーガニックブームのはずなのに
なんか少なくない? と感じた人も
多いのではないでしょうか。
しかし、、、
これでも平成21年の0.4%に
くらべるとだいぶ増えてきているのです。
ただし規格である有機JAS認証を
取得している農地は全体の半分以下なので、
この認証取得を前提にすると
日本の取組面積割合は
わずか0.2%ほどになってしまいます。
海外とくらべてみても、
日本の取組面積の少なさは際立っています。
耕地面積に対する有機農業の取組面積の割合は、
イタリアでは15.4%、
スペインでは8.9%。
少ないと言われるアメリカ・中国でも
両国同率で0.6%です。
日本は欧米にくらべて田畑の占める割合が
高い環境であることや、
作物の形の良さや均一性など、
見た目意識が根強いことあたりに
理由があるのかも知れません。
農産物には「特別栽培農産物」という表示で
販売されているものがあります。
最近はスーパーなどでも
結構見かけるようになりました。
これは上記の「有機農業」の
定義を満たしていなくても、
「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」
に則って農薬や化学肥料を減らして
生産されていれば名乗ることができます。
当然、既述の数字には含まれていないのですが、
約12万haの農地で作られているとされており、
生産量はかなり多いことになります。
特別栽培農産物を名乗るために
クリアするべき主な条件は、
「当該農産物の生産過程等における節減対象農薬の使用回数が、慣行レベルの5割以下」・「当該農産物の生産過程等において使用される化学肥料の窒素成分量が、慣行レベルの5割以下」
というもの。
短くいえば農薬と肥料を
これまでの半分にするというところです。
有機JASの認証にくらべると
はるかにクリアしやすいことなどから、
特別栽培委農産物が多くなっているのでは
ないでしょうか。
もちろん農薬等使用状況の表示など
守らなければならないルールは結構あって、
むやみには使えないようになっているのですが。
しかしいくら特別栽培農産物といっても
慣行農法の半分以下の量は
農薬や化学肥料を使っているため、
そのあたりについては消費者各々の
判断が必要になってくると思います。
表示には決まりがあるので
上記のガイドラインでは
農産物全体の表示についても
定められています。
ポイントは、消費者に勘違いをさせる
あいまいな表示を禁止していること。
これには「無農薬」・「減農薬」・「無化学肥料」
・「減化学肥料」があたります。
同Q&Aでは、ガイドラインによる
表示ではない場合であっても、
こうした表示はするべきでないとされています。
実際には農薬等を使用していない場合でも
近隣の農家が散布した農薬が付着してしまう、
ドリフト問題などもあるからです。
有機JASに関連しては、
認証されていない事業者が
有機JASマークを使うことはできませんし、
マークがついていない農産物やその加工品に
「有機」・「オーガニック」などの名称や、
まぎらわしい表示をすること自体が
禁じられています。
つまり最初に戻ると、
商品に有機やオーガニックの表示が
直接されているものって
思ったよりは出回っていないはず、
ということになるかなと思います。
もちろんあるとこにはありますが
なかなか入手がむずかしい、
つまり身近とはいえない感じがします。
普段から気にして買っている人は
よくご存知だと思います。
消費者の選択が、明日の陳列棚を作ります
言葉の普及度に反して、
有機農業やそれに近い農業は
まだまだ一般的ではありません。
とはいえ人への安全性はもちろん
環境保全の観点からも、
重要度は上がっていくのではないでしょうか。
消費者一人一人の選択が
陳列棚に並ぶ商品を決めていくのです。
そしてどう育てられたかを知るには、
表示の確認が大きなウエイトを占めています。
日々のお野菜、細かいポイントも
よく見ていきたいところです。
近年のLOHAS志向の高まりのせいか、オーガニックという言葉もすっかりと定着してきました。もはや有機野菜といっても、それほど珍しいイメージではなくなってきたに違いありませんが、では有機野菜が身近ですか?と尋ねられるともしかしたら首をかしげる方も多いのではないでしょうか。
そう、実際にはいつでもどこでも買えるっていうものでもないようです。というわけで今回は有機農法の生産比率について調べてみました。
中国やアメリカより低い取組面積比率
そもそも有機とは何でしょうか?
言葉の意味としては「生命力を有している」的なことになります。そして英語のorganicの元になっているorganも生物の器官を指しています。ということは、生物由来の何か、というイメージを持っていただければいいのではないでしょうか。
農業分野に限ると(あくまでも感覚的にですが)、無機的な化学肥料に対比する意味合いで、それ以前のやり方の農業に対して使われていたりもします。
とはいえ、これまでも取り上げてまいりましたが、現在の日本で「有機農業」という場合は定義が決められています。詳細は過去のコラムにもありますので省きますが、「合成肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使わず、環境負荷を低減した」農業生産のことを指します。
この有機農業の取組面積は、国内の合計が2300ha(平成29年)。これは全耕地面積の0.5%に過ぎません。「えっ、オーガニックブームのはずなのになんか少なくない?」と感じた人も多いのではないでしょうか。
しかし、、、これでも平成21年の0.4%にくらべるとだいぶ増えてきているのです。ただし規格である有機JAS認証を取得している農地は全体の半分以下なので、この認証取得を前提にすると日本の取組面積割合はわずか0.2%ほどになってしまいます。
海外とくらべてみても、日本の取組面積の少なさは際立っています。耕地面積に対する有機農業の取組面積の割合は、イタリアでは15.4%、スペインでは8.9%。少ないと言われるアメリカ・中国でも両国同率で0.6%です。
日本は欧米にくらべて田畑の占める割合が高い環境であることや、作物の形の良さや均一性など、見た目意識が根強いことあたりに理由があるのかも知れません。
農産物には「特別栽培農産物」という表示で販売されているものがあります。最近はスーパーなどでも
結構見かけるようになりました。
これは上記の「有機農業」の定義を満たしていなくても、「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に則って農薬や化学肥料を減らして生産されていれば名乗ることができます。当然、既述の数字には含まれていないのですが、約12万haの農地で作られているとされており、生産量はかなり多いことになります。
特別栽培農産物を名乗るためにクリアするべき主な条件は、
「当該農産物の生産過程等における節減対象農薬の使用回数が、慣行レベルの5割以下」・「当該農産物の生産過程等において使用される化学肥料の窒素成分量が、慣行レベルの5割以下」
というもの。
短くいえば農薬と肥料をこれまでの半分にするというところです。有機JASの認証にくらべるとはるかにクリアしやすいことなどから、特別栽培委農産物が多くなっているのではないでしょうか。
もちろん農薬等使用状況の表示など守らなければならないルールは結構あって、むやみには使えないようになっているのですが。
しかしいくら特別栽培農産物といっても、慣行農法の半分以下の量は農薬や化学肥料を使っているため、そのあたりについては消費者各々の判断が必要になってくると思います。
表示には決まりがあるので
上記のガイドラインでは農産物全体の表示についても定められています。
ポイントは、消費者に勘違いをさせるあいまいな表示を禁止していること。これには「無農薬」・「減農薬」・「無化学肥料」・「減化学肥料」があたります。同Q&Aでは、ガイドラインによる表示ではない場合であっても、こうした表示はするべきでないとされています。実際には農薬等を使用していない場合でも近隣の農家が散布した農薬が付着してしまう、ドリフト問題などもあるからです。
有機JASに関連しては、認証されていない事業者が有機JASマークを使うことはできませんし、マークがついていない農産物やその加工品に「有機」・「オーガニック」などの名称や、まぎらわしい表示をすること自体が禁じられています。
つまり最初に戻ると、商品に有機やオーガニックの表示が直接されているものって思ったよりは出回っていないはず、ということになるかなと思います。もちろんあるとこにはありますがなかなか入手がむずかしい、つまり身近とはいえない感じがします。普段から気にして買っている人はよくご存知だと思います。
消費者の選択が、明日の陳列棚を作ります
言葉の普及度に反して、有機農業やそれに近い農業はまだまだ一般的ではありません。とはいえ人への安全性はもちろん環境保全の観点からも、重要度は上がっていくのではないでしょうか。消費者一人一人の選択が陳列棚に並ぶ商品を決めていくのです。
そしてどう育てられたかを知るには、表示の確認が大きなウエイトを占めています。日々のお野菜、細かいポイントもよく見ていきたいところです。