「遺伝子組換え食品」。
私たちがよく耳にする言葉です。
人それぞれの印象を持っていると思います。
しかし、遺伝子組換え食品ってどういうもので、
普通の食品や品種改良と何がどう違うのか?
あるいは健康に害があるのか、ないのか?
そのあたりを説明してもらえませんか?
と言われると的確に対応できる人は
そう多くないのかもしれません。
というわけで今回は「遺伝子組換え」について
周辺の言葉も含め順を追って
簡潔にまとめてみようと思っています。
そもそも「遺伝子」とは何でしょうか?
そもそも「遺伝子」とは何でしょうか?
遺伝子は、肌の色や姿形など、
生物の性質を決める“設計図”の働きをするもので、
親から子へ遺伝する形で受け継がれていくため
「遺伝子」とよばれます。
そして遺伝子の正体は、
デオキシリボ核酸(DNA)という化学物質です。
DNAは、糖とリン酸と塩基からできており、
アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、
シトシン(C)の4種類からなります。
通常、DNAは数珠状に連なって鎖状になっており、
2本の鎖がペアとなり、いわゆる
二重らせん構造を作っています。
DNAは細胞の核の中に収められています。
遺伝子の働きの秘密は、
DNAの並び方にあります。
A、T、G、Cの並び方に従って、
作られるアミノ酸の種類が決まり、
それらのアミノ酸が順番につながって、
タンパク質が作られます。
つまり遺伝子の主な仕事は、
タンパク質を作ること」に他なりません。
DNAの並び方が遺伝情報となって
性質が決められる仕組みは、
基本的にあらゆる生物に共通しています。
例えばイネなら、1つの細胞の中に
4万もの遺伝子があります。
それぞれの遺伝子の仕事は決まっていて、
「病気に強くなる」「実をたくさんつける」など、
いろいろな働きのタンパク質を作り出します。
どんな遺伝子を持っていて、
どんなタンパク質がどのように作られるかで、
生物の性質は決まります。
ここまで基本的な説明をしてきところで、
そろそろ本題に入りたいと思います。
では遺伝子を組み替えるとはどういうことでしょうか?
実際に遺伝子を組み替えるとは
どういうことでしょうか?
DNAのうち、遺伝子の部分はごくわずかで、
「すきま」がたくさんあります。
そのすきまに、ある生き物から取り出した
特定の遺伝子を付け加えます。
これが遺伝子組換えです。
例えば
「害虫に強くなる遺伝子」を付け加えると、
新たに「害虫に強くなるタンパク質」が
つくられるようになります。
その結果、「害虫に強いタンパク質」の働きで、
その生物は害虫に強くなるのです。
また、除草剤の影響を受けないタンパク質を
つくる遺伝子を付け加えれば、
皆様もよくご存じと思われる、
除草剤をまいても枯れない
農作物をつくることもできます。
「品種改良」と「遺伝子組み換え」の違いは何でしょうか?
さて、私たちは「品種改良」
という言葉もよく知っています。
一体、「品種改良」と「遺伝子組換え」は
どう違うのでしょうか?
結論から申し上げると、
「品種改良」とは、農作物をより美味しくしたり、
収穫量を上げ、大きくしたり等、
意図的に遺伝子の組み合わせを変えることです。
「遺伝子の組み合わせを変える」???
これは非常に紛らわしいのですが、
「(人為的に)組み替える」のではなく
「(結果として)組み合わせが変わる」のです。
人類は「より美味しく、いろいろな種類の
作物をたくさん収穫できるように」、
ある品種のめしべに、他の品種の花粉をつけ交配し、
それぞれの品種が持つ性質を
両方持ちあわせた品種を作り出す方法
(人工授粉交配)が用いられてきました。
これも人為的であることには変わりませんが、
自然界でも起こりうる事象でることを踏まえ、
ここでは「品種改良」は「交配」と整理します。
ただ、現代においては
品種改良の様々な手段が登場し、
放射線や化学薬品を用いて
遺伝子に突然変異を起こす技術なども
積極的に行われていることも事実です。
つまり、「交配」から始まった
「品種改良」の一つの手段が
「遺伝子組換え」であることもまた事実です。
しかし決定的な違いは、
「交配による品種改良」では
交配できる品種間でしかできなかった
遺伝子の受け渡しが、
「遺伝子組換え」では異なる生物種でも
可能となる点です。
皆様はこのことをお聞きになって
一体どう思われるでしょうか?
「遺伝子組換え食品」。
私たちがよく耳にする言葉です。
人それぞれの印象を持っていると思います。しかし、遺伝子組換え食品ってどういうもので、普通の食品や品種改良と何がどう違うのか? あるいは健康に害があるのか、ないのか? そのあたりを説明してもらえませんか、と言われると的確に対応できる人はそう多くないのかもしれません。
というわけで今回は「遺伝子組換え」について周辺の言葉も含め順を追って簡潔にまとめてみようと思っています。
そもそも「遺伝子」とは何でしょうか?
そもそも「遺伝子」とは何でしょうか?
遺伝子は、肌の色や姿形など、生物の性質を決める“設計図”の働きをするもので、親から子へ遺伝する形で受け継がれていくため「遺伝子」とよばれます。そして遺伝子の正体は、デオキシリボ核酸(DNA)という化学物質です。DNAは、糖とリン酸と塩基からできており、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類からなります。通常、DNAは数珠状に連なって鎖状になっており、2本の鎖がペアとなり、いわゆる二重らせん構造を作っています。DNAは細胞の核の中に収められています。
遺伝子の働きの秘密は、DNAの並び方にあります。A、T、G、Cの並び方に従って、作られるアミノ酸の種類が決まり、それらのアミノ酸が順番につながって、タンパク質が作られます。つまり遺伝子の主な仕事は、タンパク質を作ること」に他なりません。
DNAの並び方が遺伝情報となって性質が決められる仕組みは、基本的にあらゆる生物に共通しています。例えばイネなら、1つの細胞の中に4万もの遺伝子があります。それぞれの遺伝子の仕事は決まっていて、「病気に強くなる」「実をたくさんつける」など、いろいろな働きのタンパク質を作り出します。どんな遺伝子を持っていて、どんなタンパク質がどのように作られるかで、生物の性質は決まります。
ここまで基本的な説明をしてきところで、そろそろ本題に入りたいと思います。
では遺伝子を組み替えるとはどういうことでしょうか?
実際に遺伝子を組み替えるとはどういうことでしょうか?
DNAのうち、遺伝子の部分はごくわずかで、「すきま」がたくさんあります。そのすきまに、ある生き物から取り出した特定の遺伝子を付け加えます。これが遺伝子組換えです。
例えば「害虫に強くなる遺伝子」を付け加えると、新たに「害虫に強くなるタンパク質」がつくられるようになります。その結果、「害虫に強いタンパク質」の働きで、その生物は害虫に強くなるのです。また、除草剤の影響を受けないタンパク質をつくる遺伝子を付け加えれば、皆様もよくご存じと思われる、除草剤をまいても枯れない農作物をつくることもできます。
「品種改良」と「遺伝子組み換え」の違いは何でしょうか?
さて、私たちは「品種改良」という言葉もよく知っています。一体、「品種改良」と「遺伝子組換え」はどう違うのでしょうか?
結論から申し上げると、「品種改良」とは、農作物をより美味しくしたり、収穫量を上げ、大きくしたり等、意図的に遺伝子の組み合わせを変えることです。
「遺伝子の組み合わせを変える」???
これは非常に紛らわしいのですが、「(人為的に)組み替える」のではなく「(結果として)組み合わせが変わる」のです。
人類は「より美味しく、いろいろな種類の作物をたくさん収穫できるように」、ある品種のめしべに、他の品種の花粉をつけ交配し、それぞれの品種が持つ性質を両方持ちあわせた品種を作り出す方法(人工授粉交配)が用いられてきました。これも人為的であることには変わりませんが、自然界でも起こりうる事象でることを踏まえ、ここでは「品種改良」は「交配」と整理します。
ただ、現代においては品種改良の様々な手段が登場し、放射線や化学薬品を用いて遺伝子に突然変異を起こす技術なども積極的に行われていることも事実です。つまり、「交配」から始まった「品種改良」の一つの手段が「遺伝子組換え」であることもまた事実です。
しかし決定的な違いは、「交配による品種改良」では交配できる品種間でしかできなかった遺伝子の受け渡しが、「遺伝子組換え」では異なる生物種でも可能となる点です。
皆様はこのことをお聞きになって一体どう思われるでしょうか?