皆さんこんにちは!翔栄ファームのTです。
翔栄ファームでは、自社農園で無農薬・無化学肥料の自然栽培にて色々な作物を作っています。野菜以外にも、お米、大豆、麦などの穀類も栽培しています。
ところで料理には焼き・炒め・茹で・蒸し・煮物などいろんな調理法がありますよね。そのどれもに美味しく合う食材もたくさんありますが、その一つにじゃがいもがあると思います。
翔栄ファームができた当初から作っている『でじま』という品種のじゃがいもがあるのですが、今回は栽培するたびに「おいしさ」「大きさ」「量」など、全てにおいてグレードアップしている『でじま』についてお話しさせていただきます。
■ 知らない人が多い事実「じゃがいもって実は・・・」
そもそもみなさんは、じゃがいもが実は”ナス科”の植物であることをご存知でしたか?
実はトマトやピーマンと同じナス科の植物で、私たちが普段食べているのは根っこの部分なんです。
収穫せずに花が実を付けるまで置いておくと、トマトにそっくりな実がなるんです。
こうなってしまった若い実には”アルカロイド”という強い毒性の成分が含まれているため食用には適さないんです。
また、じゃがいもの芽には”ソラニン”という天然毒素の一種が含まれています。
ソラニンを多く含むじゃがいもを食べてしまうと、嘔吐・下痢・腹痛等の食中毒症状が現れます。
加熱したとしても毒素は残ってしまうので、芽をきちんと取り除いて、緑色の部分も皮を厚めに剥き、ソラニンを食べないように気を付けてくださいね。
■ 美味しいだけじゃない『でじま』のありがたい魅力
ここで今回の主役である『でじま』のプロフィールをご紹介いたします。
名前は長崎県の「出島」が由来となっています。
皮はなめらかで果肉は白っぽい黄色です。煮崩れがやや少なく食味に優れ、皮ごと調理できるのもポイントです。コロッケ・カレー・肉じゃが・サラダ・粉ふきイモなどなど、いろんな料理で美味しさを発揮するという魅力的な品種です。
じゃがいもで最もポピュラーな品種である「男爵(だんしゃく)」は、夏に植えて翌年の春に収穫できるまでの間、長い休眠期間が必要です。しかしでじまの休眠期間は3か月程度で、春と秋に植えれば年に2回も収穫ができるという、非常にありがたい魅力がある品種です。
さらには他の野菜と比べてそれほど手間はかからないのも魅力の一つです。しかし全く手間がかからないわけではなく、他の野菜同様に強敵もしっかりいるのです。
■ 大事なじゃがいもに突き刺さる恐怖の雑草”カヤツリグサ”
多くの野菜と同様にじゃがいもにとっても強敵といえば”カヤツリグサ”です。道端や田んぼの畔、畑の中などでよく見かけることも多いと思います。
見た目は線香花火のような繊細な格好をしていますが、とてつもない繁殖力を持っていて、刈っても刈ってもすぐに大きくなるとても厄介な雑草なんです。
その力は収穫して置いておいたじゃがいもに突き刺ささるほどで、そのじゃがいもは種芋にせざるを得ませんでした。
このカヤツリグサは、大きく育つほど根が強く深く張っており、表面を刈っただけではまたすぐに生えてきてしまい、放っておくと畑を覆い尽くしてしまうほどに生い茂るのです。
対処法は「生やさない」ことを徹底するしかないのです。そのために一つ大きな手間をかけます。それが『畝立て(うねたて)』です。
■ じゃがいも栽培で必須かつ最も大変な作業『畝立て』
『畝立て』とは、畑の土を細長く盛り上げた栽培床のことを「畝」とよび、畝をつくることを「畝立て」といいます。 畝立てをすることによって水はけをよくして、また栽培場所と通路の区別をすることで、野菜の生育管理がしやすくなるのです。
私は昨年まで畝立てをスコップとクワを使って人力で行っていました。それは腰・肩・背中のあちらこちらに痛みが走るほど結構な重労働でした。しかし今年は『管理機』という強い味方がいるのです。
管理機は、土の管理全般を担える機械です。その時々で行いたい農作業に合わせてアタッチメントを付け替えることで、様々な作業を行うことができるのです。それは種まきから畝立て、除草、マルチ張り、耕運や収穫まで多岐にわたります。
管理機が一つあるだけで幅広い農作業が可能になるので、農家にとっては非常に頼もしい農機具なのです。
翔栄ファームの管理機は1輪のタイプで、バランスを取るのが少しばかり難しいのですが、慣れてしまえば畝立てがスイスイと運びました。スコップとクワを使った畝立ての半分の時間でできてしまいました!
畝立てによって盛られた土によって雑草が生えるのを防止でき、じゃがいもの栽培環境は整ったのでした。