翔栄ファームスタッフの自己紹介シリーズも
いよいよ大詰めを迎えています。
今回の主人公は龍ヶ崎農場のリーダーで
創業メンバーでもある黒崎さんです。
はじめまして。翔栄ファーム龍ヶ崎農場の黒崎です。
私は現在、龍ヶ崎農場で作物の更なる品質向上を目指して
日々様々なチャレンジをし続けています。
私は翔栄ファームに参加する前にも
若干の農作業の経験はありましたが、
実はもともと特に農業者を志していたわけではありません。
唐突ですが、私は双子です。
24歳の時に兄から、群馬県安中にある
とある新規就農のナス農家を手伝ってみないか、
と誘われたことがきっかけで、
初めて農業の経験をすることになりました。
そこではいわゆる慣行農法が行われていて、
ハウス栽培やY字支柱を使った一般的なスタイルです。
作業は朝4時過ぎから行われ、
採っても採っても次から次へと実るナスを、
黙々と収穫するという作業を中心に、時に剪定をしたり、
といった農作業を約半年間続けさせてもらいました。
この段階ではまだ農業への特別な想いがあったわけではなく、
“機会”があればやってみても構わないかなあ程度の
心持ちだったことを憶えています。
その後、今度は群馬県の富岡にある
こんにゃく畑の手伝いをしてもらえないかという誘いがあり、
再び兄弟で参加しました。
こんにゃくはとにかく重いです。
1玉おそらく3kgはあったのではないでしょうか。
このこんにゃく畑が8町歩あるわけです(※1町歩は3,000坪)。
さすがにこの広さのため、
スタッフは私たち兄弟以外にも10名はいたと思います。
しかし皆さん比較的お歳を召された方ばかりでした。
ここでようやく自分たちに
白羽の矢が立った理由がはっきりしたのです。
当初の話では収穫が済めば終了でしたが、
収穫後も種芋の選別などの作業に携わることになりました。
そして、後日その選別した種芋を畑に定植する前に、
個人的に強烈な体験をすることになりました。
こんにゃく畑の消毒には相当な量の農薬を使用します。
イメージ的には散布するといったかわいらしい感じではなく、
どちらかというと「流し込む」
といったイメージの方が近いかもしれません。
当然、防毒マスクをするわけですが、
私はその作業中に中毒症状を起こしてしまい、
倒れてしまいました。
何とか回復はしたものの、その出来事がトラウマになり、
2度と農薬を使用する現場に入れなくなりました。
と同時に農薬を使った農業に少なからず違和感を覚え、
今まで何となく耳にしていた残留農薬というキーワードが
一気に身近なものとして捉えられるようになったのです。
こうして私たち兄弟の興味は
農薬や化学肥料を使わない農業に向いていきました。
翔栄ファームを運営する㈱翔栄クリエイトに入社後、
しばらくの間は直接農業をすることはなく、
農業関連の展示会に出展者として参加したり、
自然食品を扱うビセットプラザの店舗スタッフとして店頭に立つなど、
「正しい食」を取り巻く環境に関する社会勉強をさせてもらいました。
そして更に、農薬・化学肥料不使用の農業者が運営する農場に
住み込みで実作業を教えてもらう機会も与えてもらったのです。
住み込みの農作業を始めて半年が経過した頃から、
翔栄ファームの新しい農場として準備が進んでいた
茨城県の龍ヶ崎農場の立ち上げスタッフということで、
私たち兄弟がそちらに赴任することになりました。
その当時のことは今でも鮮明に覚えています。
とにかく不安でした。
目の前には広大な農地はあるものの、
固定種・在来種に関する知識はほぼなく、
いつ何を栽培したらいいのか、
種をどこで調達したらいいのか、
自然栽培で行う農業ではそもそも何をどうしたらいのか等、
何もかも分からない中での過酷な時間帯であったのです。
それでも翔栄ファームの農業監督である
自然栽培の先生から教わったことを実践していく中で、
本当に少しずつではありますが、
その不安を払しょくしていきました。
あれからすでに3年が経過し、
ほんの少しだけ経験値を蓄えることは出来ましたが、
それでもやはり自然栽培そのものついては素人同然ですし、
極みに到達することなど生涯できないのかもしれません。
しかし、もし我々のような農業が日本全国に広がれば、
食から受ける健康被害はずっと減少すると信じています。
よく自然農法と自然栽培って何か違うのですか?
と聞かれることがあります。
まあ正直に言って各々厳格な定義があるわけではないので、
たいがいは「分かりません」と答えています。
ただ一般的には自然農法は除草や耕耘をしないなど、
どちらかというと放置に近い印象があるように思います。
それに対して私たち翔栄ファームが実践する自然栽培では、
自然の力を思う存分発揮してもらうために
人間も最低限のサポートをしています。
例えば、近隣の落ち葉で作った堆肥の施肥や、
厳冬の時期に種苗が凍らないように藁を敷き詰めるなどの、
品質向上のための作業です。
よく例えられることですが、
全く人間の手が入らない森や林は荒れているのに対して、
ほどよく人間の手が入る雑木林には自然との調和があるように、
自然農法と自然栽培にもこのような違いが
見受けられるのではないでしょうか。
というわけで、これからも翔栄ファームでは、
自然からの語り掛けにしっかりと耳を澄ませて、
自然と人間の役割分担を
しっかりと見極めていきたいと思っています。
翔栄ファームスタッフの自己紹介シリーズもいよいよ大詰めを迎えています。
今回の主人公は龍ヶ崎農場のリーダーで創業メンバーでもある黒崎さんです。
はじめまして。翔栄ファーム龍ヶ崎農場の黒崎です。私は現在、龍ヶ崎農場で作物の更なる品質向上を目指して日々様々なチャレンジをし続けています。
私は翔栄ファームに参加する前にも若干の農作業の経験はありましたが、実はもともと特に農業者を志していたわけではありません。
唐突ですが、私は双子です。24歳の時に兄から、群馬県安中にあるとある新規就農のナス農家を手伝ってみないか、と誘われたことがきっかけで、初めて農業の経験をすることになりました。そこではいわゆる慣行農法が行われていて、ハウス栽培やY字支柱を使った一般的なスタイルです。
作業は朝4時過ぎから行われ、採っても採っても次から次へと実るナスを、黙々と収穫するという作業を中心に、時に剪定をしたり、といった農作業を約半年間続けさせてもらいました。この段階ではまだ農業への特別な想いがあったわけではなく、“機会”があればやってみても構わないかなあ程度の心持ちだったことを憶えています。
その後、今度は群馬県の富岡にあるこんにゃく畑の手伝いをしてもらえないかという誘いがあり、再び兄弟で参加しました。
こんにゃくはとにかく重いです。1玉おそらく3kgはあったのではないでしょうか。このこんにゃく畑が8町歩あるわけです(※1町歩は3,000坪)。さすがにこの広さのため、スタッフは私たち兄弟以外にも10名はいたと思います。しかし皆さん比較的お歳を召された方ばかりでした。ここでようやく自分たちに白羽の矢が立った理由がはっきりしたのです。
当初の話では収穫が済めば終了でしたが、収穫後も種芋の選別などの作業に携わることになりました。そして、後日その選別した種芋を畑に定植する前に、個人的に強烈な体験をすることになりました。
こんにゃく畑の消毒には相当な量の農薬を使用します。イメージ的には散布するといったかわいらしい感じではなく、どちらかというと「流し込む」といったイメージの方が近いかもしれません。当然、防毒マスクをするわけですが、私はその作業中に中毒症状を起こしてしまい、倒れてしまいました。
何とか回復はしたものの、その出来事がトラウマになり、2度と農薬を使用する現場に入れなくなりました。と同時に農薬を使った農業に少なからず違和感を覚え、今まで何となく耳にしていた残留農薬というキーワードが一気に身近なものとして捉えられるようになったのです。
こうして私たち兄弟の興味は農薬や化学肥料を使わない農業に向いていきました。
翔栄ファームを運営する㈱翔栄クリエイトに入社後、しばらくの間は直接農業をすることはなく、農業関連の展示会に出展者として参加したり、自然食品を扱うビセットプラザの店舗スタッフとして店頭に立つなど、「正しい食」を取り巻く環境に関する社会勉強をさせてもらいました。そして更に、農薬・化学肥料不使用の農業者が運営する農場に住み込みで実作業を教えてもらう機会も与えてもらったのです。
住み込みの農作業を始めて半年が経過した頃から、翔栄ファームの新しい農場として準備が進んでいた茨城県の龍ヶ崎農場の立ち上げスタッフということで、私たち兄弟がそちらに赴任することになりました。
その当時のことは今でも鮮明に覚えています。とにかく不安でした。
目の前には広大な農地はあるものの、固定種・在来種に関する知識はほぼなく、いつ何を栽培したらいいのか、種をどこで調達したらいいのか、自然栽培で行う農業ではそもそも何をどうしたらいのか等、何もかも分からない中での過酷な時間帯であったのです。
それでも翔栄ファームの農業監督である自然栽培の先生から教わったことを実践していく中で、本当に少しずつではありますが、その不安を払しょくしていきました。
あれからすでに3年が経過し、ほんの少しだけ経験値を蓄えることは出来ましたが、それでもやはり自然栽培そのものついては素人同然ですし、極みに到達することなど生涯できないのかもしれません。
しかし、もし我々のような農業が日本全国に広がれば、食から受ける健康被害はずっと減少すると信じています。
よく自然農法と自然栽培って何か違うのですか? と聞かれることがあります。まあ正直に言って各々厳格な定義があるわけではないので、たいがいは「分かりません」と答えています。ただ一般的には自然農法は除草や耕耘をしないなど、どちらかというと放置に近い印象があるように思います。
それに対して私たち翔栄ファームが実践する自然栽培では、自然の力を思う存分発揮してもらうために人間も最低限のサポートをしています。例えば、近隣の落ち葉で作った堆肥の施肥や、厳冬の時期に種苗が凍らないように藁を敷き詰めるなどの、品質向上のための作業です。
よく例えられることですが、全く人間の手が入らない森や林は荒れているのに対して、ほどよく人間の手が入る雑木林には自然との調和があるように、自然農法と自然栽培にもこのような違いが見受けられるのではないでしょうか。
というわけで、これからも翔栄ファームでは、自然からの語り掛けにしっかりと耳を澄ませて、自然と人間の役割分担をしっかりと見極めていきたいと思っています。