皆様はお米を召し上がっているでしょうか?
最近はあんまり……、
なんていう方も多いと思われます。
コメは日本の主食ですが、
小麦製品の拡がりにより、
実感として薄れているのかもしれません。
とはいえ、
一膳のごはんを前にした時の
ありがたみは私たちの共通体験です。
今回は最近の日本の
コメ政策についてお伝えします。
多過ぎても、少な過ぎても。
2018年、減反政策が廃止されました。
まずは減反そのものについて、からはじめます
(ご存じのこととは思いますが念のため)。
言葉としては稲作の作付面積を減らすことです。
反(たん)というのは土地の面積を示す単位で、
約10アールが1反(991.74㎡)。
また収穫量の基本単位も1反あたりどのくらい、
ということになっています。
これを減らす、、、
つまりコメを作りすぎないように
国が管理していたということです。
発端は戦中戦後のコメ不足です。
結果、1942年(昭和17年)に
食糧管理法ができました。
これは1995年に廃止されましたが、
主にコメの需給と価格を
安定させるための法律です。
戦後設定のドラマ等で「ヤミ米の取引」なんて
シーンを観たことがある方もいると思いますが、
あれは販売行為そのものまで国が
管理していたという時代を現しています。
つまり規制の対象であったということです。
しかし1960年代も後半になると、
稲作環境の改善や技術の進歩によって
コメの供給状況は不足から過多に転じます。
ですがこの頃すでに米食需要そのものが
低下し始めていたようです。
このあたりからコメ余りに入るわけです。
この状況では国が行っていた
買い上げ制度も維持できません。
そこで導入されたのが、減反政策です。
言葉の通り、稲作地を減らすため
休耕等が求められました。
義務的に転作面積の配分が行われて
補助金も支給され、
作付面積は一気に減少したのです。
米離れは根深いですが……
そして2010年代。
新しい農政改革が本格化します。
それまでに食糧法の導入や、
食糧管理法が廃止されるなど、
色々な制度変更がありましたが、
それらはコメ政策の更なる刷新を
進めるためとされています。
因みに、2018年の減反廃止では、
国から県などに対して行っていた
コメの生産数量目標の配分がなくなったことが
メイントピックとなっています。
とはいえ、
生産調整自体は終わったわけではなく、
需給見通しの策定等は国が行い、
各種補助金等も形を変えて
拠出されている模様です。
また、政府の備蓄米買入れも継続しており、
さらに優先枠という都道府県別の入札制度も
維持されているようです。
そして実際には、減反廃止より先に行われていた
各種施策も貢献して過剰な作付けは解消しつつあります。
現況においては、
一連の政策は一定の効果を上げており、
それだけが理由ではないかも知れませんが
米価も少しだけ高くなりました。
価格が維持されないと
調整の本来の目的のひとつである
生産数の確保が難しくなるので、
そうした観点では現状はうまくいっている
といえそうです。
それでもコメの消費量の低下は著しく、
1962年の年間一人あたり118kgを最大値とし
2016年には54kgと半分以下になっています。
残念ながらコメ離れには
まったく歯止めはかかっていません。
果たしてこのままでいいのかどうか。
世界の食料需給バランスの変化によっては、
まったく逆のアプローチが
なされる可能性すらあるかもしれません。
本日のお話はあくまでも現時点での実態を
述べているに過ぎないのです。
といったところで今回はここまでです。
皆様せっかくですから今日はごはんを
お代わりしてみてはいかがでしょうか。
皆様はお米を召し上がっているでしょうか?
最近はあんまり……なんていう方も多いと思われます。コメは日本の主食ですが、小麦製品の拡がりにより、実感として薄れているのかもしれません。
とはいえ、一膳のごはんを前にした時のありがたみは私たちの共通体験です。
今回は最近の日本のコメ政策についてお伝えします。
多過ぎても、少な過ぎても。
2018年、減反政策が廃止されました。まずは減反そのものについて、からはじめます(ご存じのこととは思いますが念のため)。
言葉としては稲作の作付面積を減らすことです。反(たん)というのは土地の面積を示す単位で、約10アールが1反(991.74㎡)。また収穫量の基本単位も1反あたりどのくらい、ということになっています。
これを減らす、、、つまりコメを作りすぎないように国が管理していたということです。
発端は戦中戦後のコメ不足です。結果、1942年(昭和17年)に食糧管理法ができました。これは1995年に廃止されましたが、主にコメの需給と価格を安定させるための法律です。
戦後設定のドラマ等で「ヤミ米の取引」なんてシーンを観たことがある方もいると思いますが、あれは販売行為そのものまで国が管理していたという時代を現しています。つまり規制の対象であったということです。
しかし1960年代も後半になると、稲作環境の改善や技術の進歩によってコメの供給状況は不足から過多に転じます。ですがこの頃すでに米食需要そのものが低下し始めていたようです。
このあたりからコメ余りに入るわけです。この状況では国が行っていた買い上げ制度も維持できません。そこで導入されたのが、減反政策です。言葉の通り、稲作地を減らすため休耕等が求められました。義務的に転作面積の配分が行われて補助金も支給され、作付面積は一気に減少したのです。
米離れは根深いですが……
そして2010年代。新しい農政改革が本格化します。それまでに食糧法の導入や、食糧管理法が廃止されるなど、色々な制度変更がありましたが、それらはコメ政策の更なる刷新を進めるためとされています。
因みに、2018年の減反廃止では、国から県などに対して行っていたコメの生産数量目標の配分がなくなったことがメイントピックとなっています。
とはいえ、生産調整自体は終わったわけではなく、需給見通しの策定等は国が行い、各種補助金等も形を変えて拠出されている模様です。
また、政府の備蓄米買入れも継続しており、さらに優先枠という都道府県別の入札制度も維持されているようです。そして実際には、減反廃止より先に行われていた各種施策も貢献して過剰な作付けは解消しつつあります。
現況においては、一連の政策は一定の効果を上げており、それだけが理由ではないかも知れませんが米価も少しだけ高くなりました。価格が維持されないと調整の本来の目的のひとつである生産数の確保が難しくなるので、そうした観点では現状はうまくいっているといえそうです。
それでもコメの消費量の低下は著しく、1962年の年間一人あたり118kgを最大値とし2016年には54kgと半分以下になっています。残念ながらコメ離れにはまったく歯止めはかかっていません。果たしてこのままでいいのかどうか。世界の食料需給バランスの変化によっては、まったく逆のアプローチがなされる可能性すらあるかもしれません。
本日のお話はあくまでも現時点での実態を述べているに過ぎないのです。
といったところで今回はここまでです。皆様せっかくですから今日はごはんをお代わりしてみてはいかがでしょうか。