※食文化のとしての和食(前編)から続く
前回、人類学にて確立された言葉
「食文化=地域の自然環境に最も合致したもの」
という概念において、天ぷらそばを例に挙げて、
国産食材に根ざしていない日本食の現状を挙げました。
では日本の食文化とは何でしょうか?
日本列島北から南まで、
地域ごとの特色はありながらも
ほぼ共通した性格を持っています
(アイヌ、沖縄は除く)。
とはいえ、
「食文化」となると範囲が広くなりすぎるため、
当コラムでは食事に限定し、
更にタイトルにもある「和食」について話を
進めようと思います。
特に我々がイメージしやすい
家庭料理にフォーカスしてみます。
※食文化のとしての和食(前編)から続く
前回、人類学にて確立された言葉「食文化=地域の自然環境に最も合致したもの」という概念において、天ぷらそばを例に挙げて、国産食材に根ざしていない日本食の現状を挙げました。
では日本の食文化とは何でしょうか?
日本列島北から南まで、地域ごとの特色はありながらもほぼ共通した性格を持っています(アイヌ、沖縄は除く)。
とはいえ、「食文化」となると範囲が広くなりすぎるため、当コラムでは食事に限定し、更にタイトルにもある「和食」について話を進めようと思います。
特に我々がイメージしやすい家庭料理にフォーカスしてみます。
和食の基本的な4つの要件
先ず、和食の基本的な要件の第一番目は、
「ご飯(ジャポニカ米を炊飯したもの)」
を主食にすることです。
第二番目の要件は「汁」があることです。
私たちはすぐに味噌汁を連想しますが、
塩味のすまし汁でも構いません、
つまり味噌汁に限定されていません。
ただし表現として、ここで「吸い物」と
いうのは不適切なのです。
理由は、ご飯と一緒に摂るものが「汁」で、
「吸い物」は酒と共に摂るものだからだそうです。
話を元に戻します。
和食の第三番目の要素は、「漬物」です。
そほとんどは塩漬けですが、米糠を入れて
乳酸発酵させたもの(糠漬け)など、
独特のうま味と香りを生み出しました。
漬物を「香」のものと言ったり、
更にその瑞々しさを楽しむところから
「お新香」というのはそのためだそうです。
そして第四番目の要件は、「お菜(かず)」です。
お菜は主食に対して副菜といわれるもので、
主食を美味しくいただくための、
いわゆる「おかず」のことです。
またもや蛇足になるのですが、
和食、すなわち食事の場合は
「お菜」と表現しますが、
酒と共にある場合は「肴」というようです。
(日本語の豊かさを感じるのは私だけでしょうか?)
以上が和食の定義であり構造となります。
しかし一般的な食事のシーンにおいては、
「お菜」が三種類ある「一汁三菜」が耳慣れた
和食のスタイルではないでしょうか。
実はここに和食が世界で評価される秘訣が
満載であるようなのです。
和食の基本的な4つの要件
先ず、和食の基本的な要件の第一番目は、「ご飯(ジャポニカ米を炊飯したもの)」を主食にすることです。
第二番目の要件は「汁」があることです。
私たちはすぐに味噌汁を連想しますが、塩味のすまし汁でも構いません、つまり味噌汁に限定されていません。ただし表現として、ここで「吸い物」というのは不適切なのです。理由は、ご飯と一緒に摂るものが「汁」で、「吸い物」は酒と共に摂るものだからだそうです。
話を元に戻します。
和食の第三番目の要素は「漬物」です。
そほとんどは塩漬けですが、米糠を入れて乳酸発酵させたもの(糠漬け)など、独特のうま味と香りを生み出しました。漬物を「香」のものと言ったり、更にその瑞々しさを楽しむところから「お新香」というのはそのためだそうです。
そして第四番目の要件は、「お菜(かず)」です。
お菜は主食に対して副菜といわれるもので、主食を美味しくいただくための、いわゆる「おかず」のことです。
またもや蛇足になるのですが、和食、すなわち食事の場合は「お菜」と表現しますが、酒と共にある場合は「肴」というようです(日本語の豊かさを感じるのは私だけでしょうか?)。
以上が和食の定義であり構造となります。
しかし一般的な食事のシーンにおいては、「お菜」が三種類ある「一汁三菜」が耳慣れた和食のスタイルではないでしょうか。
実はここに和食が世界で評価される秘訣が満載であるようなのです。
和食のすばらしいシステム
その一例をご紹介しようと思います。
三菜とは文字通り
三種のお菜があるということですが、
この中には主従関係があるのです。
つまり主菜と副菜です。
主菜は焼き魚でも天ぷらでも構いません。
要はこのようなものが主菜となった場合は、
副菜として、より軽い料理が2種類付く
ということです。
本来、山間部を除けば
肉食は一般的ではありませんでした。
そのため、魚(海水、淡水)を主菜として、
たんぱく質、脂質を摂り、副菜や汁物の具で
野菜や海草などのビタミン、ミネラルを補給して、
ご飯でカロリーをしっかり摂取する
ということが日常的に根付いているのです。
ここで興味深いことは、ご飯と汁物のおかわりが
一度は許されていたということです。
むしろ一膳飯といってご飯のおかわりをしない
ことはむしろ不作法であったようです。
このようにお菜の分量に合わせて、
ご飯の量(食べ過ぎない範囲)でカロリーを
コントロールするというのが
和食のすばらしいシステムなのです。
(後編に続く)
和食のすばらしいシステム
その一例をご紹介しようと思います。
三菜とは文字通り、三種のお菜があるということですが、この中には主従関係があるのです。
つまり主菜と副菜です。
主菜は焼き魚でも天ぷらでも構いません。要はこのようなものが主菜となった場合は、副菜として、より軽い料理が2種類付くということです。
本来、山間部を除けば肉食は一般的ではありませんでした。
そのため、魚(海水、淡水)を主菜として、たんぱく質、脂質を摂り、副菜や汁物の具で野菜や海草などのビタミン、ミネラルを補給して、ご飯でカロリーをしっかり摂取するということが日常的に根付いているのです。
ここで興味深いことは、ご飯と汁物のおかわりが一度は許されていたということです。
むしろ一膳飯といってご飯のおかわりをしないことはむしろ不作法であったようです。
このようにお菜の分量に合わせて、ご飯の量(食べ過ぎない範囲)でカロリーをコントロールするというのが和食のすばらしいシステムなのです。
(後編に続く)
参考文献:日本の伝統的食文化としての和食
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wasyoku.html