お米も温暖化や豪雨などの気象の悪化や病害、虫害などに対応できる品種が必要とされており、これらに対応できる品種開発の手段として放射線を照射する手法が行われました。
お米の種子に放射線を照射して遺伝子に突然変異を起こさせる手法で育てたお米を放射線育種米と言います。
■放射線育種米とは?
お米も温暖化や豪雨などの気象の悪化や病害、虫害などに対応できる品種が必要とされており、これらに対応できる品種開発の手段として放射線を照射する手法が行われました。お米の種子に放射線を照射して遺伝子に突然変異を起こさせる手法です。
突然変異の中から特定の有用な性質、例えばカドミウム低吸収性、耐倒伏性などを持つ個体を選んで育成した品種です。照射するのは育種の段階で最初の一度だけ、その後選抜し交配を繰り返すのでお米に放射線が残ることはなく、安全と言われています。新しい品種として登録されるまでには何年も経過していることになりますので食べても人体に放射線の影響が出る懸念はなく安全に食べることができると言われています。

■本当に安全?放射線育種米
日本のお米の多くが放射線をかけて作った品種に代えられようとしているようですが、放射線を照射して突然変異したお米は本当に安全なのでしょうか?大きな問題はこれらのお米には放射線に関しての表示が何もないということなんです。
例えば農薬が使われた場合は表示が義務付けられます。が、遺伝子操作に関しては義務付けられておりません。
どの品種が放射線育種米なのかが表示されていないのです。それを知らなければそのまま生産者の方も栽培してしまい、流通痔には「コシヒカリ」とか「あきたこまち」としか表示されないので、私達消費者はまったく知ることができないということになります。

■お米とカドミウム
カドミウムは土壌や水煮含まれている重金属で人に対しては発がん性がある物質で自然環境に広く存在します。そのため農作物ができる際に土や自ら稲に吸収されることでお米に含まれることがあります。人体への影響は長い間体内に摂り入れられることで腎臓、はい、肝臓などに障害が生じるとされています。カルシウム代謝を阻害することで栄養不足となり骨粗鬆症や骨軟化症などを発症させる要因となります。
そのためカドミウムの含有量が少ないお米を開発する手段として放射線を照射する手法が、いわゆる放射線育種米が誕生します。
代表的なカドミウム低吸収性品種として挙げられるのがイネが土壌からカドミウムを吸収するのを抑える遺伝子を保有しているので、土壌中のカドミウム濃度が高くてもコメ中のカドミウム濃度が非常に低くなるという特徴がある「コシヒカリ環1号」、秋田県が開発した品種で、「コシヒカリ環1号」から導入されたカドミウム低吸収性を、「あきたこまち」と組み合わせた「あきたこまちR」などです。この育種法ではお米に放射線が残ることなく安全性が確認されているようです。
カドミウムを長期的に摂取すると健康を害する可能性があるため低吸収性品種の開発が求められており、広範な地域で低カドミウム米を普及させるためにも今後も主要品種のカドミウム低吸収性遺伝子の開発が期待されています。

■放射線育種米でないお米とは?
放射線育種されたお米が必ずしも危険なわけではなく、自然に起こる突然変異を短期間で人工的に起こす手法を用いているだけであり、安全性には十分配慮して品種改良が行われています。
放射線育種でない米とは、放射線処理によって品種改良されていないお米、在来米、またはそれらを原種とした品種のこと、栽培中倒れやすい、収穫量が少ない、手間がかかるなどの理由から姿を消しつつある在来米は自然に近い栽培方法で肥料などを必要とせずに栽培されてきました。化学肥料により稲が倒れたり葉が生えすぎたりするためです。
現在の農作物はF1種と言われるものばかりです。形が整っていて大量生産ができるからです。在来米は大量生産できないため収穫量がどうしても少なくなります。稲の成長にもばらつきがあり、手作業で種取もしなければなりません。
しかしながら、食の安全性を考えた時、あらためて農薬や肥料に頼らない農業がどれだけ重要なことかを知ることになりますね。








