疑似食品とは主に食材が高価で稀少なものに似せて加工することが多いようです。
市販されている疑似食品とはどのようなものがあるのでしょうか?疑似食品の中には病気のため食事制限のやむを得ない代用食としても利用されている方もいらっしゃるようです。気になるのは疑似食品を本来の食材の味や見た目に似せるための加工手段です。似せるためには何が含まれているのでしょうか?それは本当に食べても安全と言えるのでしょうか?
今回はそんな疑似食品の安全性について注目してみました。
■ 疑似食品とは?
コピー食品とも言われており別の食材を用いて高価である、入手困難であるなどの食材に似せた加工食品のことを言います。
主に食材が高価で稀少なものを似せて加工することが多いようですが、病気などで食物制限があるなどの代用食としてもコピー食品が用いられることもあります。
病気など代用食としてのコピー食品は、アレルギー成分や特定の栄養素を省いたもの、逆に特定の栄養素を強化したものなど食べた際の味、舌触りなど実際のものと変わらない満足感が得られるように工夫されています。
■ こんなにある?疑似食品
- 高価・希少価値が理由で作られたもの
カニカマボコ(カニカマ)
一番知られている疑似食品ではないでしょうか?茹でたカニの身に似せたもの、原材料はスケソウダラ、カニ煮汁で味付けされていますがカニは入っていません。
ホタテカマボコもカニカマ同様魚のすり身にホタテの風味をつけたものです。
刺身こんにゃく
代替シーフードとしてマグロやサーモン、ふかひれなどに似せた刺身用のこんにゃくです。
うなぎ風食品
うなぎのかば焼きに似せたもので蒸しかまぼこ(魚肉)を使用して加工したものです。
発泡酒
ビールの代用食品、麦芽や副原料の使用比率が日本の法律上で認められたものがビール、そうでないものが発泡酒と呼ばれています。
マーガリン
バターの代品として植物油を使用して作られた人造バターです。
人造いくら、人造キャビアなども疑似食品と言えます。また、コンビニのお弁当に使用されている半熟タマゴ、本当のタマゴなら電子レンジで温めると固まってしまいますが、この半熟タマゴは固まりません。常にトロリ食感を維持できるよう原材料は卵と油、ゼラチンなどを使用して固めた加工食品です。
■ 病気などの代用食として考えられたもの
減塩塩
食塩摂取量を減らす調味料として演歌ナトリウムを主体として作られています。腎機能障害の方には害となるため注意が必要です。
こんにゃくゼリー
こんにゃくの粉末食物繊維を果汁に混ぜ固めた低カロリーの生菓子でダイエット食に用いられています。こんにゃくパスタ、こんにゃくラーメンなども同様にダイエット食として利用されています。
代替肉
動物の肉を食べない、食べられない人向けに肉を原料に含まない、エンドウ豆、大豆、ひよこ豆、レンズ豆などを肉に似せて味付けしたものです。ブロックタイプ、ひき肉タイプなど見た目も食感も肉にそっくりです。
乳児用粉ミルク
母乳の代用品として、母乳が出ない、病気で飲ませることができないなどが理由で赤ちゃんに母乳を飲ませることができない母親のために作られたものです。
■ 疑似食品は安全なの?
疑似食品は本物に似せるために着色したり、味付けとしての食品添加物などを使用しているため安全性には疑問を感じます。
例えばカニカマ、原材料はスケソウダラですがカニの赤い色を出すために食用色素のモナスカス色素、コチニール色素などの着色料が、カニの味をつけるため、香料に抽出物のカニエキスなど「添加物のかたまり」ともいえる「大量の魔法の味」が添加されています。これにより見た目はほとんど本物のカニと変わらない味や食感が再現されています。
牛肉たっぷりのハンバーグ、ハンバーグの材料を牛肉ではなく大豆にしたヘルシーハンバーグなら、お肉より植物性の大豆を使用したものなので健康にもいいと誰もが思う事でしょう。
ただここで注意しなければならないことがあります。代替肉の原料となった大豆です。
大豆の油分を搾油、加熱・加圧・乾燥させてできたのが大豆のお肉(ミート)と呼ばれるものです。本当のお肉に比べて低脂質、低コレステロール、高たんぱく、食物繊維も豊富です。
しかしながら大豆ミートの主な原料は、丸大豆、脱脂大豆、大豆たん白、大豆ペプチド、でん粉、食物繊維などです。すべての原材料が大豆由来ではありません。大豆ミートは、肉のような食感や風味に仕上げるために多くの食品添加物を使用しています。
安全性を確認された添加物を制限された使用量を守って加工されているので悪いものではないと思われる方もいるかもしれません。肉のかわりに大豆を使用するのはとても良いこととは言え、食感や風味のために多くの添加物を使用することには少し抵抗を感じてしまいます。ここでも魔法の味を添加することでコピー肉に美味しく変身させている可能性があるのです。
簡単で便利、意外と美味しいに惑わされてはいけません。
まずは食材となるものの原材料を確認しましょう。食品添加物が使用されていないかを確認することが大切です。色々なものを添加することで時には本物以上に美味しく、見栄えもよくしてしまうのが疑似食品の落とし穴です。
日々忙しい中、手軽に使えて、時短が出来て、楽であることに頼りたいところですが、からだのことを考えると自然の食材をそのまま自身で一手間かけて調理したものが何よりも一番であることは間違いありません。自身の健康はもちろんのこと、家族のために、未来ある子供や孫たちがずっと健康でいられるためにも今からでも「自然のものを食べること」を繋いでいけるといいですね。