2021年最後の農場便りです。
今回ご紹介するお野菜は「人参」「ほうれん草」「かぶ」です。
いずれも代表的な冬野菜で鍋料理やみそ汁、漬物など、
オールマイティーに活躍する主役級のものばかりです。
いつもの通り、原産地、種類、栄養素などについて、
ダイジェストでお送りして参ります。
【 人参 】
◆人参の原産地
人参はセリ科の作物で根や葉を食用とする野菜です。
原産は中東のアフガニスタンといわれています。
ヨーロッパに伝わった西洋系と
中国などアジアに伝わった東洋系とに分かれました。
人参には一般的なオレンジ色のもののほかにも、
おせち料理でお馴染みの金時人参や
沖縄で作られている黄色い島人参、白色のものもあります。
◆人参の代表的な種類
【 黒田五寸人参 】
橙赤色の昔ながらの人参。
軟らかで甘味があり、人参独特のくせが少ない。
煮物、炒めもの、サラダ等万能。
間引いた時の人参の葉はおひたしやかき揚げにも!
【 本紅金時人参 】
香川県の伝統野菜。肉質緻密で煮物に最適。
お正月の雑煮には欠かせません。
【 沖縄島人参 】
沖縄在来の黄色い人参で30~40cmの細長。
風味豊かで普通の人参と同じように料理できます。
【 パースニップ 】
白色の人参で、和名で鎌倉人参・白人参と呼ばれている。
独特の甘い風味の人参で、煮物または
スープの香り付けに利用するのがおすすめです。
◆人参の栄養素
人参にはカリウムとβカロテンが多く含まれています。
カリウムは塩分の摂り過ぎを防いでくれるので
高血圧の予防・改善が期待できます。
また、むくみ予防にも効果的です。
βカロテンは活性酸素の発生を抑え、取り除く働きがあるため、
免疫力の向上などに効果が期待できます。
皮の部分に栄養が詰まっていると言われているので、
食感が気にならないようならしっかりと洗って
皮ごと調理するのがおすすめです。
【 ほうれん草 】
◆ほうれん草の原産地
ほうれん草はアカザ科ほうれん草属の野菜で
原産地はイランとされ、
日本には江戸時代初期に伝わったとされています。
漢字だと一般的に見る「法蓮草」のほかに
「菠薐草」「鳳蓮草」などいくつもあります。
ほうれん草には大きく分けて東洋種と西洋種があり、
東洋種は葉にノコギリのような切れ込みがあり、
丸みのある厚い葉が波上に広がっています。
また、根がピンク色でアクが少なく甘みがあります。
西洋種は葉が大きく丸くて肉厚であり、
根は緑色で東洋種よりもアクが強いです。
日本には東洋種が中国から伝わり、
のちに西洋種が伝わってきました。
◆ほうれん草の代表的な種類
【 日本ほうれん草(東洋種) 】
剣葉で針種の日本在来種。根が赤く甘い。
アクが少なく、サラダで生食もできます。
【 あかねほうれん草(東洋種) 】
80年前に誕生。根・根本の赤味が強く、
甘みもあることから赤根法蓮草と呼ばれています。
また、寒さにあたると葉も赤みを帯びることがあります。
【 ノーベルほうれん草(西洋種) 】
葉は大型で鮮やかな緑色を帯び幅が広い楕円形。
葉肉が厚いのが特徴です。根は赤色を帯びています。
葉も根も柔らかく栄養価が高いです。
葉面はシワに富み葉柄は短くなっています。
◆ほうれん草の栄養素
ほうれん草は「野菜の王様」といわれるほど
栄養素が豊富に含まれています。
貧血防止や改善に必要な鉄分、老化防止や
病気に対する抵抗力を高める働きのあるビタミンC、
鉄分と同じく造血作用のある葉酸が多く含まれています。
更に、茹でることでシュウ酸と呼ばれる
アクを減らすことができます。
このシュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を妨げ
結石の原因となる物質で、えぐ味の原因にもなりますが、
水溶性のため茹でたり水にさらすことにより
約8割減らすことができます。
ただ、茹ですぎると水溶性のビタミンも流れ出てしまうため、
茹で時間は1~2分がおすすめです。
【 かぶ 】
◆かぶの原産地
かぶが春の七草なのをご存じでしょうか?
別名「すずな」とも呼ばれています。
かぶはアブラナ科で、白菜やキャベツ、
大根、菜の花などの仲間になります。
日本では古くから親しまれてきた野菜のひとつで、
世界中で栽培されています。
アフガニスタン原産のアジア系と、
中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系との
2種類に分かれます。
白い球型の小かぶが一般的ですが、
赤や黄、紫色など、様々な色や形、大きさの品種があります。
在来種が多いのも特徴で、80種類もあると言われています。
◆かぶの代表的な種類
【 早生今市かぶ(白) 】
奈良県伝統のかぶ。
根部はもちろん、大きくなる葉もおいしく食べられます。
受け継がれてきた繊細な肉質と独特の風味が自慢です。
【 大野紅かぶ(赤) 】
北海道亀田郡大野町を中心に道南一帯を主産地とします。
濃紅色で扁球形の赤かぶ。葉柄も赤くなります。
肉質ち密で甘味に富み、特有の香気があります。
【 味こがね(黄) 】
表皮、内部共に鮮やかな黄色で、
肉質は緻密で歯ごたえが良く甘みがあります。
美しい鮮黄色なので幅広い料理に使えます。
【 木曽紫かぶ(紫) 】
扁円形で全面が紫紅色。
小ぶりのかぶは肉質緻密で
固めのため貯蔵性にも優れています。
◆かぶの栄養素
かぶは根の部分だけではなく葉もおいしく、
品種によっては葉を主に食べる品種もあります。
根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜です。
かぶにはビタミンCやカリウム、食物繊維、
でんぷんを分解する消化酵素のアミラーゼが多く含まれており、
葉も栄養価が高く、ビタミンB₂やビタミンC、
葉酸、βカロテン、カルシウム、食物繊維、
鉄が豊富に含まれています。
漬物だけでなくグリルしたりシチューや
炒め物でもおいしく食べられます。
●人参
●ほうれん草
●かぶ
2021年最後の農場便りです。今回ご紹介するお野菜は「人参」「ほうれん草」「かぶ」です。いずれも代表的な冬野菜で鍋料理やみそ汁、漬物など、オールマイティーに活躍する主役級のものばかりです。いつもの通り、原産地、種類、栄養素などについて、ダイジェストでお送りして参ります。
【 人参 】
◆人参の原産地
人参はセリ科の作物で根や葉を食用とする野菜です。原産は中東のアフガニスタンといわれています。ヨーロッパに伝わった西洋系と中国などアジアに伝わった東洋系とに分かれました。人参には一般的なオレンジ色のもののほかにも、おせち料理でお馴染みの金時人参や沖縄で作られている黄色い島人参、白色のものもあります。
◆人参の代表的な種類
【 黒田五寸人参 】
橙赤色の昔ながらの人参。軟らかで甘味があり、人参独特のくせが少ない。煮物、炒めもの、サラダ等万能。間引いた時の人参の葉はおひたしやかき揚げにも!
【 本紅金時人参 】
香川県の伝統野菜。肉質緻密で煮物に最適。お正月の雑煮には欠かせません。
【 沖縄島人参 】
沖縄在来の黄色い人参で30~40cmの細長。風味豊かで普通の人参と同じように料理できます。
【 パースニップ 】
白色の人参で、和名で鎌倉人参・白人参と呼ばれている。独特の甘い風味の人参で、煮物またはスープの香り付けに利用するのがおすすめです。
◆人参の栄養素
人参にはカリウムとβカロテンが多く含まれています。カリウムは塩分の摂り過ぎを防いでくれるので高血圧の予防・改善が期待できます。また、むくみ予防にも効果的です。βカロテンは活性酸素の発生を抑え、取り除く働きがあるため、免疫力の向上などに効果が期待できます。皮の部分に栄養が詰まっていると言われているので、食感が気にならないようならしっかりと洗って皮ごと調理するのがおすすめです。
【 ほうれん草 】
◆ほうれん草の原産地
ほうれん草はアカザ科ほうれん草属の野菜で原産地はイランとされ、日本には江戸時代初期に伝わったとされています。漢字だと一般的に見る「法蓮草」のほかに「菠薐草」「鳳蓮草」などいくつもあります。
ほうれん草には大きく分けて東洋種と西洋種があり、東洋種は葉にノコギリのような切れ込みがあり、丸みのある厚い葉が波上に広がっています。また、根がピンク色でアクが少なく甘みがあります。西洋種は葉が大きく丸くて肉厚であり、根は緑色で東洋種よりもアクが強いです。日本には東洋種が中国から伝わり、のちに西洋種が伝わってきました。
◆ほうれん草の代表的な種類
【 日本ほうれん草(東洋種) 】
剣葉で針種の日本在来種。根が赤く甘い。アクが少なく、サラダで生食もできます。
【 あかねほうれん草(東洋種) 】
80年前に誕生。根・根本の赤味が強く、甘みもあることから赤根法蓮草と呼ばれています。また、寒さにあたると葉も赤みを帯びることがあります。
【 ノーベルほうれん草(西洋種) 】
葉は大型で鮮やかな緑色を帯び幅が広い楕円形。葉肉が厚いのが特徴です。根は赤色を帯びています。葉も根も柔らかく栄養価が高いです。葉面はシワに富み葉柄は短くなっています。
◆ほうれん草の栄養素
ほうれん草は「野菜の王様」といわれるほど栄養素が豊富に含まれています。貧血防止や改善に必要な鉄分、老化防止や病気に対する抵抗力を高める働きのあるビタミンC、鉄分と同じく造血作用のある葉酸が多く含まれています。更に、茹でることでシュウ酸と呼ばれるアクを減らすことができます。このシュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を妨げ結石の原因となる物質で、えぐ味の原因にもなりますが、水溶性のため茹でたり水にさらすことにより約8割減らすことができます。ただ、茹ですぎると水溶性のビタミンも流れ出てしまうため、茹で時間は1~2分がおすすめです。
【 かぶ 】
◆かぶの原産地
かぶが春の七草なのをご存じでしょうか? 別名「すずな」とも呼ばれています。かぶはアブラナ科で、白菜やキャベツ、大根、菜の花などの仲間になります。日本では古くから親しまれてきた野菜のひとつで、世界中で栽培されています。アフガニスタン原産のアジア系と、中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系との2種類に分かれます。白い球型の小かぶが一般的ですが、赤や黄、紫色など、様々な色や形、大きさの品種があります。在来種が多いのも特徴で、80種類もあると言われています。
◆かぶの代表的な種類
【 早生今市かぶ(白) 】
奈良県伝統のかぶ。根部はもちろん、大きくなる葉もおいしく食べられます。受け継がれてきた繊細な肉質と独特の風味が自慢です。
【 大野紅かぶ(赤) 】
北海道亀田郡大野町を中心に道南一帯を主産地とします。濃紅色で扁球形の赤かぶ。葉柄も赤くなります。肉質ち密で甘味に富み、特有の香気があります。
【 味こがね(黄) 】
表皮、内部共に鮮やかな黄色で、肉質は緻密で歯ごたえが良く甘みがあります。美しい鮮黄色なので幅広い料理に使えます。
【 木曽紫かぶ(紫) 】
扁円形で全面が紫紅色。小ぶりのかぶは肉質緻密で固めのため貯蔵性にも優れています。
◆かぶの栄養素
かぶは根の部分だけではなく葉もおいしく、品種によっては葉を主に食べる品種もあります。根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜です。かぶにはビタミンCやカリウム、食物繊維、でんぷんを分解する消化酵素のアミラーゼが多く含まれており、葉も栄養価が高く、ビタミンB₂やビタミンC、葉酸、βカロテン、カルシウム、食物繊維、鉄が豊富に含まれています。漬物だけでなくグリルしたりシチューや炒め物でもおいしく食べられます。
参考:
プレジデント社刊「WIRED VOL.40(マイクロオーガニズム共生基礎ガイド2021)」