皆さんこんにちは!翔栄ファーム『茨木県龍ヶ崎農場』のKです。
私たちは昨今のアレルギー・アトピー・花粉症などは、食べ物の影響だと思っており、口に入って身体を作る作物は安心・安全であるべきだと考えています。
翔栄ファームでは、群馬県と茨城県にある2つの農場で、一般的な慣行農法(農薬、肥料の投入量や散布回数などにおいて相当数の生産者が実施している一般的な農法のこと)でなく、『固定種・在来種』の種で、『農薬・化学肥料・除草剤を使わない自然農法』で野菜や穀類を作っています。
それは、食卓に並ぶ全てを”安心・安全な翔栄ファーム印の食べ物”で提供したい!という目的からです。
さて今回は、前回の続き「翔栄ファーム米」について書いています。
今年は猛暑以外にも収穫量減に繋がる苦労話がありました。
それらを活かして来年への意気込みも書いているので、是非最後まで読んでもらえると嬉しいです!
また、玄米でお渡ししている翔栄ファーム米。精米したときに出る米糠の活用方法も書いているので是非チェックしてみてくださいね!
■雑草との闘い
前回も書いたように、今年はカメムシとの闘い以外に雑草との戦いもありました。
まずはカメムシから。
翔栄ファームでも今年は大量発生したカメムシ対策としてとにかく除草を行いました。
水稲が出穂する約2週間前に畦畔等の周辺雑草を防除すると、水田への侵入を減らすことができます。
その為、水田周りの除草に力を入れていました。
出穂直前から出穂後の除草では、居場所のなくなったカメムシ類の侵入量が増えてしまうため
逆に除草はできるだけしません。このタイミングや時期を見誤ると大変なことになります。
しかし夏、太陽の光を浴びて雑草は刈っても刈っても猛スピードで成長していきます。
端が刈り終わると初めにした端はもう生え始めています。とにかく除草の日々でした。
これらの徹底した対策・簡単に駆除できる手軽さを求め「農薬」に頼る農家さんは大勢います。
確かに、稲作で採算を取るためには1人で広大な面積を管理する必要があります。
米農家は高齢化も加速し、さらにかなりの重労働です。いろいろ考えると仕方のないことなのかもしれません。
しかし、消費者である私たちが高くても安心安全な作物を手にすることを優先とすれば
農家の方や時代の流れを変えることができるかもしれません!
そうした未来に少しでも近づくために、翔栄ファームでも本物の作物を手間暇かけ・育て、
これからも皆様に配達していきたいと思います!!
他にカメムシ対策による除草以外にも、コナギの駆除にも手がかかりました。
実は今年「代掻き(しろかき)」をする際、トラクターが沼にはまってしまい
何度も試しましたがどうにもならず、一枚分の田んぼだけ諦め、代掻きをせずに植えました。
代掻きとは、田んぼに水を張って苗を植えるための下準備のことです。
主に、水田をはじめに耕起した後、水を入れて機械でかき混ぜ泥状にする作業を言います。
代掻きを行う事で、水田からの水漏れを防ぎ、均平をとり、雑草の発生を抑え、
土を軟らかくして苗を植え付けやすくする効果などがあるため、稲作ではとても重要な作業となっています。
そのため、今回代掻きが出来なかった場所は驚くほど雑草だらけになってしまいました。
田んぼの中で雑草が稲よりも育ってしまうと、稲に太陽の光が当たらなくなり成長の妨げになります。
それだけでなく、「こなぎ(雑草)」はすごい勢いで成長し、そこら中に生えていきます。
すると、成長するために土の中にある窒素分=土の中の養分をこなぎが吸い取ってしまうので
稲が生長するスピードがかなり遅くなり、発育にも大きな影響を与えます。
また、今回代掻きができなかったところの田んぼの稲穂は通常60~70センチほどの背丈になるのに対し
小さいものだと約30センチほどの稲穂が多くみられました。これらも収穫量が減った原因の一つと考えられます。
しかし、30センチという半分ほどの背丈にもかかわらず穂を頑張って付けてくれた姿に心が打たれました。
作物というのはけなげに頑張って精一杯大きくなってくれます。
虫や環境の変化にも耐え抜き、実をつけてくれます。
そうした努力の賜物を頂いていることに、感謝の気持ちでいっぱいです。
この代掻きの失敗を通して、やはり代掻きは稲作するうえでとても大事な工程だ!
という事を身に染みて感じた年になりました。
■来年への意気込み!
来年に向けて今できる事として「土づくりに力を入れよう!」と思っています。
土づくりに向けて、まずはレンゲの種を撒こうと思っています。
レンゲは「緑肥」といって、田んぼの肥料として役に立つといわれています。
レンゲはマメ科で、マメ科の植物の一部には根に「根粒菌」という細菌が共生しています。
この根粒菌は、レンゲから栄養を受け取る代わりに空気の主成分である窒素を植物が栄養にしやすい硝酸塩の形に体の中で変換し、
提供しています。 こうして土の中でお互いを助け合っているのです。
つまりレンゲには肥料としての成分がたくさん含まれています。
そのレンゲの花が咲いたら実ができる前に土の中に漉き込むことで、
来年の田植え時期までに土に栄養をたっぷり仕込めるという訳です。
実が咲いてしまうと植物は実に栄養を運ぶため、逆に土の中の栄養分が全部実へと持ってかれます。
なので“実がつく前”に漉き込むことが大事。タイミングを見計らって行います。
また、4年目に向けて種もみを自家採種しようと思ってます!
とりあえず自家採種用に約20キロ確保しました。
しかし野菜の種と違い種もみは管理がとっても大変。暑すぎても寒しぎてもダメ、湿気が多くてもダメ。
なかなか管理が難しいといわれていますが、試行策としながらチャレンジしようと思っていますので
こちらも農場コラムを通して経過をお伝えできたらと思います。
これら失敗と苦労の連続の一年となった今年。
思っていた収穫量に至らず、意気消沈しておりましたが、ずっと下を向いているわけにはいきません!
「失敗は成功のもと!」という言葉通り、来年は昨年を超える収穫量を目指し!
これからできる土づくりや育苗に力を入れていきたいと思います!
来年もどうぞ楽しみにお待ちください!
■米糠のおススメ使い道!
翔栄ファームのお米は玄米でお届けしています。もちろん!玄米で食べるのも良いですが、
実は米糠には玄米のなかでも残留農薬が溜まりやすい場所を削り取った物が米糠になっています。
なので、もし精米した場合は無農薬の翔栄ファーム米の糠を使ってみて下さい!
【米糠のおススメの使い道】
1、 米糠を食べよう!
米糠は、お米の栄養素のほぼ9割が糠にある。と言われています。
胚芽部分には抗酸化作用のあるビタミン類やミネラル、体の毒素の排出をすすめるフィチン酸などの成分が、
また表皮部分には腸内を掃除してくれる食物繊維などの成分がたくさん含まれています。
他にも便通改善や整腸効果など「胃腸系」の生理機能アップや、
肌荒れ解消やアトピー・花粉症改善など「皮膚系」の生理機能アップ、
また血液サラサラ効果や血糖値低下など「血液系」の生理機能アップにつながる、すぐれた栄養成分をたくさん含んでいます。
お米の一番健康にいいところを削りとったのが米糠と言っても過言ではありません。
そんな米糠、簡単に作れる「炙り糠」で普段の食事に取り入れてみるのもおススメです!
例えばホットミルクやヨーグルトに混ぜて食べたり、ケーキやクッキーに加たりと少量で手軽に取り入れることができ、
クセもないのでとっても食べやすいですよ!
「炙り糠の作り方」
① フライパンに生糠を入れます。※炒るので油は使いません
② 焦げないように木べらなどで混ぜながら弱火で5分ほど炒ります。
途中ダマになることがあるため、崩しながら均一に混ぜましょう。
③ 色がキツネ色になり、香ばしい香りがしてきたら火を止めます。
火を止めても予熱ですぐ焦げ付いてしまうため、すぐ皿に移して粗熱を取りましょう。
④ 冷めたらタッパーに入れ、冷蔵庫で保管します。約2週間ほどで使い切るようにしてください。
他にも「ぬか床」を一度作ってしまえば、旬のお野菜を漬けて腸活~!
発酵食品のぬか床は、植物性乳酸菌が多く含まれているので、腸内環境を整える“腸活”にはぴったりの食べ物です。
乳酸菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸の働きを活発にしてくれます。
腸内環境が整うことで、便秘の解消だけでなく、免疫力アップやがんの予防にも役立ちます!
これから寒くなるとインフルエンザなど感染症が増える時期。
米糠を普段の食事に取り入れて、免疫上げていきましょう~!!!
2、 畑に撒いてみよう!
米糠を使うメリットは「安全」で「栄養豊富」なこと。
デメリットは「効果が現れるまで時間がかかる」ことです。
しかし、米糠には植物の生育に必要な三大栄養素「窒素・リン酸・カリ」をバランスよく含み、野菜にとって良い栄養源となります。
その米糠を畑に撒くことで微生物の活動が活発となりやすく、これが土壌の肥沃化に役立ちます。
米糠には微生物のエサとなる養分が豊富で微酸性。 これを好む有用な微生物たち(乳酸菌や酵母、こうじ菌など)が増殖し、
米ぬかを施用した土にはそれらが分解した養分がたくさん貯まります。
作物はその養分を吸収し、大きく元気に育ちます。
また、直接種や苗の周りに米糠を施すことで、根元の発育を助ける効果もあります。
ただし、過剰な散布は逆効果を招くため土の状態に応じて適切な量を守ってくださいね。
理想的な使用時期は、植え付けの前の春か秋の土作りの段階です。
油かすや石灰などを混ぜて、発酵させて「ぼかし肥料」を作っても良いですね!
是非試してみて下さい!
他にも自然栽培で収穫した野菜や作物を『茨城県龍ヶ崎』と『群馬県前橋』の各圃場と、東京都の東中野にある『ビセットプラザ』で店頭販売を行っています。
また通販サイトの『しぜんとくらそ』では、各季節の旬な野菜を詰め合わせた”【定期宅配】季節の産直野菜いろどりセット”などもインターネットで販売しています。宅配にしか入らない野菜もありますので、定期宅配のご利用もお待ちしています。