皆さんこんにちは!翔栄ファームのAです。
翔栄ファームでは、自社農園で無農薬・無化学肥料の自然栽培にて色々な作物を作っています。野菜以外にも、お米、大豆、麦などの穀類も栽培しています。
翔栄ファームができた当初から作っている『でじま』という品種のじゃがいもがあります。
これまでは、”群馬県の前橋市”と”茨城県の龍ヶ崎市”の農場でつくっていましたが、今年からは”広島県の江田島市”という瀬戸内海の島でも試験的に作ります。
今回はでじまの春じゃが栽培の模様についてお伝えします。
■ ”でじま”の魅力と種芋の作り方
でじまの名前は長崎県の「出島」が由来となっています。
皮はなめらかで果肉は白っぽい黄色です。煮崩れがやや少なく食味に優れ、皮ごと調理できるのもポイントです。コロッケ・カレー・肉じゃが・サラダ・粉ふきイモなどなど、いろんな料理で美味しさを発揮するという魅力的な品種です。
じゃがいもで最もポピュラーな品種である「男爵(だんしゃく)」は、夏に植えて翌年の春に収穫できるまでの間、長い休眠期間が必要です。しかしでじまの休眠期間は3か月程度で、春と秋に植えれば年に2回も収穫ができるという、非常にありがたい魅力がある品種で、他の野菜と比べてそれほど手間はかからないのも魅力の一つです。
春じゃがの栽培は、寒さの残る2月中旬~3月上旬に種芋を植え付け、梅雨入り前後の5月下旬~6月上旬に収穫します。
翔栄ファームでは、自家採取の種を植えることを原則にしていて、じゃがいもも自家採取のいもを種芋として使用します。
2023年秋に大豊作だったじゃがいもを春じゃがの種芋にします。
その種芋の作り方ですが、収穫したじゃがいもを、形や大きさがよく販売用よりも少し小さいものを種芋として選別して乾かします。
ある程度泥が乾いたら、湿度と温度が調節できる保冷庫で4ヶ月間保管します。日が当たらない暗いところで保管することによって、芽が出て毒素であるソラニンの発生を防ぐためです。
時々じゃがいもの状況を見て、痛みがあるものは省いていきます。4ヶ月間の保管後に種植えを行うのですが、植える1週間前から「芽出し」のために日に当てます。芽を軽く出す「芽出し」はじゃがいもの初期の順調な生育のために必要なのです。
直射日光にあてると芽が焼けてしまい、芋がフニャフニャになってしまうため、直射日光ではなく明るい場所に並べて芽出しをします。
夜や雨予報の日は屋根がある場所に移して保管します。
■ 畑を耕して畝を立てる!
種芋を植え付けるため畑の”耕運”と”畝立て”を『管理機』で行います。
管理機は、土の管理全般を担える機械です。その時々で行いたい農作業に合わせてアタッチメントを付け替えることで、様々な作業を行うことができるのです。それは種まきから畝立て、除草、マルチ張り、耕運、収穫まで多岐にわたります。
管理機が一つあるだけで幅広い農作業が可能になるので、農家にとっては非常に頼もしい農機具なのです。
しっかりと耕運ができたら畝立てです。
管理機で溝を掘った後に手作業で畝を整えます。溝は雨が降った時に水捌けの水路になるため流したい方向に斜めにな下っていくよう調整して畝立てが完成しました。
■ 種芋の植え付け開始!
畝立てが終われば種芋の植え付けです。大きい種芋はそれぞれ芽が残るように半分に割って、断面には灰を付けて、腐らせないために水分を乾かして植えていきます。
じゃがいもには、表皮にかさぶたのような病斑が現れ商品価値を大幅に下げてしまう「そうか病」という病気があります。芽出しを終えた種芋がそうか病にかかっていないか、一つ一つしっかり最終チェックしたら、植え付けていきます。
30cm間隔で畝の中央に深さ15cm程度の穴を掘り、 その中に切り口を下にして種芋を置き、土をかぶせて表面を軽くならします。
これで、でじまの種植えが完了しました。4人での半日作業で15キロ分の種芋を植えることができました。うまく育ってくれれば100キロほどの収穫が見込めます。
あまり手がかからないじゃがいも栽培ですが、梅雨前の収穫に向けて育ったでじまが地表に出てきてしまったら土を被せるといった作業の他にとても大きな作業があります。江田島は人口2万人の島ですが、その人口の倍以上『イノシシ』がいると推定されます。とても大きな作業とはイノシシから作物を守ることです。イノシシ防護柵を設置したり、昼も夜も定期的な見回りが必要です。できる限りのことをやって大切に育てていこうと思います。
翔栄ファームでは自然の力を借りながら、安心で安全な自然の力がたっぷり詰まった作物を栽培しています。
また通販サイトの『しぜんとくらそ』では、各季節の旬な野菜を詰め合わせた”【定期宅配】季節の産直野菜いろどりセット”などもインターネットで販売しています。宅配にしか入らない野菜もありますので、定期宅配のご利用もお待ちしています。