皆さんこんにちは!翔栄ファームのAです。
2024年に入りますます寒さが増す日々が続いています。農業において冬野菜が終わって春野菜ができるまでの2~4月は端境期(はざかいき)と呼ばれ、野菜が収穫できなくなる時期になるのです。
端境期は農家にとってはとても悩ましい期間です。
米や野菜などの農産物が収穫できなくなる時期(移行期)のことで、夏の9~10月と合わせて年に2回あります。なんと1年間の1/3は端境期で、獲れる作物の種類が激減するのです。
しかし、ただ何もしないのではありません。この端境期にどんな野菜を植えたら良い?前後の種植えをずらして端境期をどうやって短くする?など農家の人は知恵を振り絞っています。
農業を成功させるには「端境期対策」が大きな要因になります。
詳しくはアーカイブにありますので、ご覧になってみてください。
【農場便り】農業ビギナーのチャレンジ「どうする?!端境期(はざかいき)」
翔栄ファームでは冬の端境期に美味しさが溢れる旬を迎える柑橘類を育てています。
今回は『不知火(しらぬい)』の収穫について、お話しさせていただきます。
■ 見た目がユニークな熊本の大自然が育んだ「不知火」をご存知ですか?
熊本県の南部、不知火海の水俣湾に面した丘陵地で無農薬・無化学肥料・除草剤不使用の自然栽培で育った「不知火」は、上部がこぶのようにポッコリと盛り上がっている見た目がチャーミングで、デコポンの愛称で親しまれているジューシーで濃厚な甘さと爽やかな香りが自慢の柑橘です。
皮がむきやすく袋が柔らかく、皮をむいたら不知火特有の爽やかないい香りが広がりそのまま食べられます。
種もほとんど入っておらず、果肉はオレンジ色で果汁たっぷり、甘味と酸味のバランスに優れていて、プチプチとはじける食感も美味しいです。
見た目はみかんによく似ていて、ポンカンと清美(温州みかんとオレンジの交配で誕生)の交配で生まれたミカン科ミカン属の品種です。
糖度13℃以上、クエン酸1.0%以下の基準を満たし、JA(農業協同組合)から出荷されるものだけが「デコポン」と名乗ることができるという条件があるため、翔栄ファーム「しぜんとくらそ」では「不知火(しらぬい)」として販売いたしますが、甘さやジューシーさは折り紙付きです。
そのまま皮ごと食べたり、生搾りジュースにしたり、農薬もワックスも使用していないので、皮を細切りにしてピールを作ったり、砂糖や蜂蜜につけたり、マーマレードにしても美味しくいただけます。
お酒が好きな人なら、生絞り果汁でサワーにしても良いでしょう。
低カロリーですが糖度が高く、含まれる栄養素によって、美肌・便秘・大腸がん予防・肥満防止・コレステロールを下げる・抗酸化作用で風邪予防・免疫力アップ効果・疲労回復・毛細血管のメンテナンスなど、健康面での多くの効果が期待できます。
■ 無農薬・無化学肥料で、文字通り自然栽培の不知火をジャングルの中で大捜索
私は2023年10月、不知火が植っている畑が熊本県の水俣市の山中に、不知火の栄養を奪ってしまう雑草を刈るために向かいました。朝の8時に畑付近に到着した時は肌寒いくらいの気温でした。畑があると指示された場所に行った時の感想は「ジャングル?」の一言でした。
夏の間に好き放題に生えた数多の雑草や、木やツタによって不知火の木を確認することができませんでした。
不知火を確認できなければ、雑草刈りどころではありません。この畑を貸してくださっているYさんにお願いして、不知火を覆い隠す壁のような雑草を取り除いていただくことにしました。Yさんは大きな重機を巧みに操って、巨大に成長した雑草や木を取り除いてくださり、ようやく不知火の木を確認することができました。
確かに不知火の木は確認できましたが、その木を下から埋め尽くしている雑草や木、上から覆い被さるツタで不知火の果実を確認することができない状態でした。
■ 「不知火」はどこにある?炎天下の雑草撤去
それらを取り除く必要があるのですが、重機を使ってしまっては不知火の木自体を傷つけてしまう可能性が高いため、刈払機でそれらを撤去することにしました。幅50メートル、奥行き5メートルの範囲を丹念に草刈りしていく作業はお昼くらいから始まり、天候は10月とは思えない炎天下になっていました。ヘルメットやマスク・タオル・服は途端に吹き出す汗でグッショリとなり、目を守るためのゴーグルは汗で曇って見えなくなるため、2〜3分ごとに汗拭き作業が必要でした。
雑草や木は2メートル以上の高さにもなっており、太くなった木や根っこが度々行手を阻みました。粘液を帯びたツタは仮払機に絡みつき、作業の遅延をもたらします。3時間ほどの悪戦苦闘の結果、不知火の青々とした果実を間近で確認することができました。
水を被ったような汗の中、私は感動しました。
さらに2時間ほどかけてなんとか雑草刈りを終えて、ここからはは収穫に適する大きさに成長するのを待つばかりとなりました。
収穫の模様は次回の農場便りでお話しいたします。
ちなみに「不知火」がご購入いただけるのは、この「しぜんとくらそ」と店舗「ビセットプラザ」(東京・東中野)だけになります。
ぜひ、この機会にお試しください。
なお、ビセットプラザでは、そのままお売りするだけでなく、コールドプレスジュースとしても販売いたします。