皆さんこんにちは。
岐阜県にある翔栄ファーム・美濃加茂農場のNです。
先日、晩柑を収穫しに、熊本県の水俣市に行きました。
今回のミッションは、2日で1トンの晩柑収穫・発送!!
その様子をお届けします。
■ 熊本県の自然豊かな果樹園
今回お伺いしたのは、熊本県水俣市にある協力農家さんの山口さんの農場です。
水俣市は、熊本県と鹿児島県の県境に位置し、海や山があり、自然豊かな場所でした。
協力農家の山口さんと初対面登場。
自己紹介などを済ませて、段取り開始。
山口さんの農場からは、過去2年連続で、河内晩柑(かわちばんかん)という柑橘類を送っていただいています。
昨年までは、山口さんにお任せで収穫作業・発送作業までをお願いしたのですが、今年からは、収穫から発送までを翔栄ファームメンバーが自ら行うこととしました!
初めてのことだらけで、段取りを取りつつも四苦八苦しました。
今回、収穫作業にお伺いしたのは私を含めて二人。
目標は、この二人で1トンの晩柑を収穫を2日で終わらせることです。
この作業は並大抵ではないと思っていましたが、山口さんが事前に収穫して頂いていた分があり、だいぶ助けられました。
■ とってもジューシーな河内晩柑
河内晩柑の作付け面積は2反(1反は約10アール、標準的な体育館の2倍ほどの面積になります)ほど。
そこに、樹齢が約20年ほどの晩柑が、70~80本植わっていました。
立派にそだった木がたくさんあります。
準備が整い、収穫をはじめようとしたとたん、大雨が…。
完全に鼻をくじかれた状況でした。
仕方なく、山口さんが事前収穫していた分の仕分けから取り掛かりました。
大玉・中玉のサイズに分け、傷がないか、など、ざっくりと仕分けをします。
僕は晩柑を見たことがあったのですが、僕の弟(今回のために助っ人:福岡在住のため呼びつけました)は、初めて晩柑を見たらしく、「とても大きいレモンみたい」と率直な感想を言っていました。
山口さんが、
「なんや、晩柑見たの初めてか、じゃあちょっと食べてみ」
と冷蔵庫に入っていた冷えた晩柑を僕らのためにわざわざむいてくださりました。
とれたての晩柑はすごくみずみずしく、とてもジューシーでグレープフルーツの味に似ています。
翔栄ファームでは、「ばんかんジューシー」という名前で販売していますが、その名にぴったりでした。
美味しいですねーなんて言ってもりもり食べていたら山口さんに、「ほんとはジュースにしたら一番美味しい」と教えていただきました。
今年のこの晩柑から何とか6次化商品として発売したい!という強い思いが沸き上がりました。
旬の食べ物をその時期に食べるのは、とても贅沢ですが、やはり美味しいものは1年中食べたいと思います。
市販のジュースには、酸化防止剤が入っていたり、濃縮還元製法が使われていたり、と食の安全性はかなり怪しいのが現状です。
ノンワックス、農薬不使用のこの晩柑をジュースとして提供できたら・・とピンときました。
(この話は後々・・・→ 実は河内晩柑がジュースになりました)
■ 一日目:河内晩柑の仕分け作業
仕分けの話に戻るのですが、コンテナいっぱいに入った晩柑が約60~80個コンテナあり、気の遠くなる作業でした。
一つ一つ確認項目があります。
まずチェックするのは、カビがついていないか?です。
カビがついているとお客様に出荷するのはもちろんできません。
それだけではなく、そのカビは他の晩柑に伝染してしまい、一緒にした晩柑が全てダメになってしまうので絶対にNGです。
次に、晩柑のどこかが柔らかくなっていないか?をチェックします。
これは、晩柑の熟し具合の確認のためです。
どこか柔らかいと、輸送している間に完熟が進んでしまいます。
柔らかい晩柑は、今まさに食べ時なのでしょうが、お客様の手元に届くまでに傷んでしまいます。
食べることが出来なくなるのでこれもはじきます。
次は虫食いのチェックです。
山口さんの晩柑は、無化学肥料、無農薬、人工のものに頼らず、熊本県水俣市の豊かな自然の循環の中で栽培しています。
秋に木から葉っぱが落ち、冬から春にかけて自然と腐葉土が出来ます。
そしてこのバランスの取れた腐葉土を栄養に初夏に晩柑がなり、また秋に葉っぱが落ちるという究極の循環です。
ですが、やっぱり虫の問題はついてきます。
多少、皮の汁を吸っているものなどは無農薬な分、甘目に見ました。
しかし、大きな穴が開いているのは、見た目も良くないのはもちろんですが、中で虫が食べている可能性があります。
もったいないのですがはじきます。
これらのチェック項目をクリアしたものを、濡らした布でふいて、段ボールに入れていきます。
初日は、一日中雨だったので終日この作業でした。
晩柑の仕分けをひたすら行い、だいたい20個箱くらいの段ボールに詰めて作業終了。
物量でいうとだいたい600キロ弱になりました。
■ 二日目:河内晩柑の収穫
次の日の天候は晴れ。
この日は、収穫から仕分けして段ボールに詰めて、配送会社に持っていくまで行います。
晩柑の収穫は経験が無く、どのくらい時間がかかるのか見当がつきません。
そこで、約200キロ分は前日と同じ仕分け作業を行い、残りの分は収穫する段取りでいきました。
昨日と同じ仕分け作業からスタート。
仕分けをを終えたら、よいよう収穫作業です。
しっかり剪定、管理されてあり、低木栽培でした。
果樹は一般的に剪定・管理しないと、どんどん背丈が伸びます。
実が高いところに成ってしまうと収穫が大変になります。
その点、山口さんの晩柑は、実がついている所も低く収穫しやすく、出荷作業にも便利です。
しかも、美味しい晩柑に育っています。
これが長年農業を続けている農家さんのノウハウだと実感しました。
この農園では、一本の木から、晩柑がだいたい20~30個取れました。
弟に収穫してもらい、自分が細かい仕分けのチェックを実施。
二人で連携して、効率良く収穫。
なんとか目標の1トンに到達しました。
ただ、収穫は順調だったのですが、晩柑がいっぱい入ったコンテナを運ぶのは大変でした。
草が生い茂り、足元が悪い山の斜面を、1箱約15キロのコンテナを抱えながら下り、軽トラの荷台に積み込みます。
荷台一杯につまれた晩柑を、運送会社のもとに運び作業終了です。
■ 晩柑を収穫して
山口さんの河内晩柑は、毎年良く出来るそうです。
例年、だいたい5トンの収量があるとのこと。
今回、1トンの晩柑を収穫するだけで、かなり大変な作業でしたが、これを全て収穫するとなると…。
前述の通り、この河内晩柑は、自然の循環で育っています。
毎年、5トンもの収量が取れるこの山の循環はなんてすごいのかと興味がわきました。
晩柑の他にも、山口さんは、大秋柿という柿を栽培しています。
これも実が虫に食べられないようにするためのカバーかけをするだけで、無肥料・無農薬栽培という徹底ぶり。
自然循環ができるなんて素晴らしい山なのかと思いました。
翔栄ファームも果樹栽培を始めていますが、大自然の山の中で育つ環境とは違い、畑での栽培なので悪戦苦闘しています。
すべての作物を自社だけで準備することはかなり難しいです。
協力農家さんと関係性を築いていくことで、食卓に並ぶ安全な食べ物を増やしていきたいと思います。
また任せっきりにするのではなく、きちんと自分たちの目で確認し、技術情報の共有を行っていくことも大切にしていきたいと思います。
作業場の片付けをしていると、山口さんが来てくださり、最後の挨拶をしました。
「帰りは疲れてるから気を付けて帰れよー」と心温まる声をかけてもらいました。
また、「来年は5月末から6月頭に来なさい」とのこと。
そして、同じ九州の出身で話が盛り上がり、最後には「来年も収穫しにこんね!」(来年も収穫しにおいでという意味)と言ってもらいました!
ぜひ、来年も収穫に着たいと思います。
▼ 翔栄ファームが収穫した河内晩柑がジュースになりました!
→ 【超自然】晩柑100%使用「ばんかん・しぼったまんま」晩柑ジュース(ストレート)