玄米と白米って何が違うのでしょうか?
健康に悪影響を与えることがわかっているのになぜお米を作るときに農薬を使うのでしょうか?
「農薬」に関しての規制が緩く、農薬大国とまで言われる日本、「国産のお米」とはいえ、農薬が使われている以上、農薬について正しく理解することが自分や家族の健康を守ること、無農薬・無化学肥料で育てられた安心・安全なお米を選ぶことの大切さを実感します。
■ 玄米と白米のちがいについて
玄米はビタミンやミネラルがたっぷり、稲の実からもみ殻だけを取り除いた状態のものなので、ぬかや胚芽はそのまま残っています。
白米は稲の実からもみ殻、ぬか、胚芽を取り除いたものです。
上記からも分かるように玄米には白米にはないぬかや胚芽の栄養が豊富に残されています。
消化の良さでは白米が勝ちますが、ビタミンEやB1、マグネシウム、食物繊維、葉酸や鉄など栄養成分の量は圧倒的に玄米の方が豊富と言えます。
カロリーの差はほとんどないのですが、玄米の方が血糖値の上昇を表すGI値というものが低いため太りにくいと言われています。
但し、玄米はしっかりとよく噛んで食べないと胃に負担がかかり消化できない、お腹が緩くなってしまうという方もいらっしゃいます。玄米を初めて食べる方、胃腸の調子が悪いときなどは白米と混ぜたり、よく噛んで食べるなどの調整が必要です。
■ 農薬をなぜ使うのでしょうか?
お米の成長を妨げるものを排除するために、慣行農業では病害虫や雑草に弱い農作物の収量と品質の維持と確保、農作業の負担の軽減など、農薬は必要不可欠と考えられています。
特定の作物を人為的な環境で単一栽培するには、病害虫や雑草が発生しやすく、何も手をかけないと一定の収量と品質の維持・確保ができないからです。
お米を育てるのにも、お米を食べてしまう害虫を殺すための殺虫剤、雑草に土壌の養分を横取りされないための除草剤、病気の原因となるカビや細菌を殺す殺菌剤などが使われます。
農薬を使用することでお米を守り、品質や収穫量を安定させることができ、私達消費者は当たり前のようにお米を購入できています。が、使われている農薬の種類、量などの基準が日本は海外に比べると緩すぎるようです。残念なことに海外からは日本は「農薬大国」などと呼ばれています。
ネオニコチノイド系農薬
一般的に殺虫剤に使われているのはネオニコチノイド系農薬というものです。ネオニコチノイドの使用が広まった際に、みつばちの大量死が相次いだという報告があったのは有名な話です。農業において「蜂」は花粉媒介をしてくれるという役割を持つ大事な生き物です。
ネオニコチノイド系農薬は昆虫に対して強い神経毒性を持っており、水稲(すいとう)ではカメムシの防除に使われています。
田んぼに散布することで稲が根から農薬を吸収し稲全体に農薬が行き渡るので害虫被害にはあいませんが、散布した農薬が稲の内部にも浸透してしまうため洗うだけでは摂り切れません。
恐ろしいことに、摂取許容量を超えて体内に入ってしまうことで人にも中枢神経や意識障害、消火器系の異常などが発症する場合があると考えられています。
■ 一般的にお米が収穫できるまでに使われる農薬
〇初期剤
水稲の移植前後に雑草の発芽前、または発芽直後に除草剤を散布し、雑草の発芽や成長を止める効果が期待できます。
初期剤は土壌処理剤と呼ばれ、水田に散布することで、土壌の表面に処理層を作り、雑草の芽が触れることで枯らすことができ、稲の苗は、この層の下に根を下ろすため影響を受けない仕組みです。
〇中期剤
中期剤は茎葉兼土壌処理剤、ノビエ・広葉雑草対象剤などで、土壌処理剤と茎葉処理剤の両成分が配合されており、発芽前の雑草の防除と、生育がある程度進んだ雑草の両方に効果があります。
〇後期剤
防除できなくなって大きくなった広葉雑草の茎や葉に直接散布する茎葉処理剤です。
「事前に病害虫の防除に農薬を使わないで、発生した時に必要な農薬を使えばいいのでは?」と考える人もいるようですが、見つかった時にその部分だけ防除してもそれでは遅く、また効果を持続させるためには、繰り返し農薬を散布しなければならない、病害、害虫防除ともに同じことが言えるようで、事前に効果が持続するように農薬を使用しておくことが、一番少ない回数で、安定した防除が得られ確実に収穫できる、効率的だと考えられています。
写真は龍ヶ崎圃場で収穫した稲作1年目のこしひかり玄米です。農薬・化学肥料を使わない稲作は、非常に困難を極め、予定した量の1/5ほどしか収穫できませんでしたが味は最高でした。
■ 無農薬・無化学肥料のお米を選びたい!
農薬の正しい知識を持つことで自分や家族の健康を守っていかなければなりません。
残留農薬の多くは玄米の胚芽に蓄積されているため精米すれば8割は除去できると言われています。水で研ぐことで白米についた糠がとれ、炊くことで農薬が気化される、最終的には精米した白米を食べている人はほとんど残留農薬を口にしていないと言われています。
しかし、玄米の場合は「精米することで除去できる」ということがないため、農法からこだわり、安全であるものを選ぶ必要があります。
「農法からこだわり、安全であるもの」とは、無農薬・化学肥料不使用、JAS有機栽培(国が定めた基準をクリアして書類審査に合格したお米)など3年以上化学肥料や合成農薬などを使用していない土壌で栽培した作物のことを言い、このような土壌で農薬や化学肥料を使用しないで育ち、収穫されたお米は安全度が高いものとされています。
無農薬・無化学肥料で育てられたお米は安全性の保障だけではなく、お米本来の美味しさを引き出すことができるので味もよく、栄養成分もたっぷりなのですが・・・
どうしても価格が高くなってしまいます。無農薬、化学肥料不使用で育てる農家の人々の手間、同時に害虫や病気はどんなに手をかけても防ぎきれないため収穫量が不安定になってしまうからです。
それでも農薬についての正しい知識を得て、「農薬を使うこと」、その恐ろしさを知ることにより、最近では子供の将来のためにも、収穫された場所や稲が育った状態がきちんと確認できる「安全でおいしいお米」を食べることを選択される方が増えているように感じられます。
写真は社長と常務が田植えをしている様子です。
農薬・化学肥料を使わないで翔栄ファームが挑戦している稲作も2年目、今年も収穫まじかです。自社農場で育てた、茨城県龍ヶ崎市産の玄米を皆様にお届けできる日も近く、スタッフ一同ドキドキしながら楽しみにしています。
美味しく育ってくれていますように・・・