お酢には醸造酢、合成酢、加工酢、反合成酢などいろいろな種類があります。これらは酢の製法や種類、風味の違いによって区別されています。
■お酢にはどんな種類があるの?その製法とは?

原料をアルコール発酵させたあとに、酢酸発酵を行った液体調味料のことを「酢」と言い、主成分は酢酸(さくさん)です。農林水産省が定めている食酢品質表示基準に基づくと食酢は大きく「醸造酢」と「合成酢」に分けられます。
【醸造酢】
醸造酢はさらに「穀物酢」と「果実酢」に分けられます。「純」とつく醸造酢は単一の原料100%で醸造されたもので素材の風味や味がしっかりと感じられ基本無添加なので食品添加物を避けたい人に適しています。
「純」とつかないものは、複数の穀物や醸造アルコールを加えコストを抑えているのが特徴です。さっぱりとした風味で、幅広い料理に使用できます。
◎穀物酢
米、大麦、小麦、酒かす、コーンなどの穀物1種類あるいは2種類以上を、1Lにつき40g以上使用して製造されたものを言います。
米酢:1Lにつき40g以上米を使用して製造されたものです。米を原料として造られており日本の代表的なお酢です。お寿司、和食によくあうすっきりとした味わい、素材を引き立ててくれます。

黒酢(醸造玄米酢)
玄米が原料のお酢で、野外において半年から1年間壺で発酵させる壺造りのお酢です。色は褐色~黒褐色、酸味がなく刺激が少ないため飲むお酢としてもおすすめです。

◎果実酢
1Lにつき、1~2種類以上の果実の搾汁を300g以上使用したもの。ぶどう酢(ワインビネガー)、バルサミコ酢、りんご酢など
りんご酢は完熟した糖分の多いリンゴを原料に造る果実酢、リンゴの香りと味があります。
ぶどう酢はワインが原料の果実酢でワインビネガーとも呼ばれています。ワイン同様に赤酢、白酢があります。
バルサミコ酢はイタリア北部で11世紀ごろから製造されてきた伝統的なお酢で白ブドウの濃縮果汁が原料、木製の樽で発酵・熟成し熟成期間が長いほど、高濃度で風味豊かなお酢になります。
【合成酢】
酢酸を化学的に合成して作られる酢、醸造酢の使用割合が60%以上、家庭用として使用されることはほとんどありません。
【加工酢】
醸造酢の酸味・酸臭を抑え、汎用性を高めた酢のことで食品本来の風味への影響を抑え、風味改善や日持ち向上の目的に活用しています。通常の醸造酢と置き換えて使用することを目的とし、食酢に醤油、砂糖、香辛料などを加えて味を調整したものを言います。
調味酢または合わせ酢とも言い代表的なものにすし酢や三杯酢などがあります。
■お酢の選び方

米酢
まろやかな酸味と自然な甘みで和食と相性がよく、酢飯、酢の物、漬物、和風ドレッシング、マリネなど、酢の風味を生かした加熱しない料理にも最適です。

リンゴ酢
リンゴ酸のフルーテイ―な香り、爽やかな酸味がドレッシングやマリネ液、カルパッチョのソースづくりにおすすめ、そのまま炭酸や蜂蜜などで割って飲んでもおいしいです。

黒酢
旨味と独特の香りがしっかりとしているのが特徴で、酸味のカドがなく、刺激も少ない、飲むお酢としてドリンクやスイーツのアクセントに、中華の煮込み料理など味に深みを出したいときにおすすめです。
水や炭酸水で割って蜂蜜を加えたドリンクは健康を意識するかたに、毎日1杯を飲むことで生活習慣病対策になりますね。

バルサミコ酢
まろやかな甘味と木樽由来の香りが華やか、ドレッシングやソース、デザートに、糖質も高め、酸度が高く、飲むお酢としても、水・炭酸割りにすると飲みやすくなります。

すし酢
米酢に砂糖やはちみつ、塩を混ぜ合わせたもの、酢飯が簡単に作れます。

三杯酢
酢にしょうゆ、塩、砂糖、みりんを適量混ぜ合わせたもの、酢の物、焼き魚、冷ややっこなどに適しています。

■からだのためにも「お酢」その効果とは?
お酢には血糖値、血圧の改善、疲労回復、成長作用など様々な健康効果が期待されています。
●カルシウムを吸収しやすい
吸収されにくいカルシウムはお酢と一緒に摂取すると吸収されやすくなります。小魚を使用した酢の物などにするとカルシウムを摂取しやすくなります。
●減塩できる
塩分を控えたい人に、お塩を減らした分お酢を使いましょう。
●疲労回復効果
クエン酸が疲労物質となる乳酸を分解してくれるので体内のエネルギー不足による疲労の回復効果が得られます。
●血糖値の上昇抑制と血圧の低下
酢酸が糖質の吸収をおだやかにしてくれるので血管が広がるため血糖値の上昇を抑え血圧の正常化が期待できます。大さじ1杯(約15ml)のお酢(糖分が加えられていない生酢)をジュースなどに入れて毎日飲むと効果的です。
*お酢は原液のまま飲んでしまうと、特に空腹時にはお酢の酸味が口の中や喉、食道、胃、消化管などを刺激し、痛めてしまうため必ず薄めて飲むようにしましょう。
●整腸作用と便秘解消
酢酸の抗菌作用により善玉菌を増やすので腸のぜん動運動を活発にし整腸作用が期待できます。また、胃酸の分泌を促してくれるので便秘解消にも効果があります。高めの血圧、血糖値の抑制、内臓脂肪の減少、疲労感の軽減整腸作用など生活習慣を改善できる「お酢の力」の健康効果はすごいですね。
お酢の効果や効能を確実に得るためにも継続して摂取することが大切です。その摂取方法は薄めて飲む、料理に入れるなど、どの方法でもいいようです。毎日大さじ1杯お酢生活を習慣化させるためにも継続的に飲み続けられる自分にあった好みのお酢を見つけてお好みの飲み方を見つけ健康なからだづくりを目指しましょう!
