皆様こんにちは!翔栄ファーム龍ヶ崎農場
「プロジェクト(自称)」担当の佃と申します。
今回は当社の稲作への取組みについてご紹介したいと思います。
■ なぜいま「稲作」なのか?
日本国内の米消費量は、人口減少、
社会構造、食生活の変化等により年々減少しています。(*1)
また、近年ではコロナウィルスの影響で外食向け需要が縮小し、
米余り=生産者米価の下落を招いており、
稲作農家の経営維持のため政府は多額の補助金を投入して、
主食用米→飼料用米への転作を推し進めているのは
皆様ご存じの通りです。
ところがこれは慣行農法栽培米の話で、
平成28年度のデータでは有機栽培米の比率は
わずか0.1%に過ぎず(*2)、
ましてや農薬・化学肥料不使用米となると
ほとんど希少品…というのが現実の姿です。
「安心安全な食をお届けする」
をテーマとしている私たち翔栄ファームは、
お野菜に加え、米・大豆・麦などの
穀物類も手掛けていきたいとかねてから考えており、
稲作については2021年の春先から具体的な取り組みを始めました。
■ まずは田んぼ探しから
取り組みは田んぼ探しから始まりました。
地元自治体などにあたると
私たちが拠点としている龍ヶ崎の通称「古民家」の裏手に
1.5haほどの休耕田が広がっていて、
地主の皆さんも貸地に好意的とのお話。
「これは渡りに船」と喜んだのも束の間、
現地を見て愕然としてしまいました。
耕作放棄地となって10年余りとは聞いていましたが、
一部は森林化し、畦(あぜ)は崩れ、水路は埋まり、
揚水ポンプも故障しており、いったい何から手を付けたらよいやら…
想像をはるかに超える状況でした。
ヒト・モノ・カネ、そして時間の問題もあって、
初年度は2022年シーズンから、
比較的状態の良い圃場約35aに的を絞って
計画を進めることになりました。
■ 水田整備、苦難の道のり
揚水ポンプの交換修理、給水パイプラインの点検・修理、
耕作地の除草、造成・畝(うね)付け、水路の掘削…、
文字にしてしまうとたったこれだけ?ですが、
元の状態が状態だっただけに作業は困難を極めました。
かつては山からの湧水を引き込んで水田にしていたそうですが、
竜ケ崎ニュータウンの造成(1970~80年代)(*3)に伴い地下水利用に移行。
そのための揚水ポンプも10数年前に故障したきりで、
地下約40mから古いポンプを引き上げ新品に交換修理が必要でした。
ポンプは給水パイプラインにつながっていて、
水圧をかける前に配管やバルブの点検・修理が必要でしたが、
配置図面などは残っておらず、樹木・篠笹(しのざさ)・背の高い雑草に鬱蒼と覆われた
総延長約600mのルートを手作業で切り拓きながらの作業となりました。
田んぼの開墾は先ずは除草から。
背丈をはるかに超える雑草を刈り払い機でなぎ倒していったのですが、
半日の作業でチップソーが消耗してしまうくらい硬くて強情な雑草との格闘でした。
造成・畝付け、水路の掘削は他事業部の力を借りて
重機(ユンボ)を入れての作業です。
とは言え限られた機材を使っての工事のため
田面(たづら=田の表面)の均平化もそこそこに、
何とか田んぼの形に整えるところまで持ち込んでもらいました。
田んぼが形になったところでトラクターを入れての耕耘です。
水はけが悪く、軟弱地盤の田んぼでは
トラクターがスタックして身動き取れなくなってしまったり、
これも一筋縄ではいきませんでした。
難航した圃場整備を一通り終え、
水を入れて田んぼらしい姿を見た時は感無量でした。
田植の僅か6日前のことでした。
■ いよいよ田植え
今回の稲作で比較的順調にいったのは唯一?育苗でした。
慣行農法では病害虫予防のため、
播種~育苗の間に殺菌剤を数回使用するところ、
私たちはもちろん農薬不使用ですので
病気が発生してしまったりしないかドキドキでしたが、
幸いなことに元気よく育ってくれました。
むしろ元気過ぎて、圃場の整備にもたついている間に
ちょっと草丈が伸び過ぎてしまったくらいでした。
そしてついに5月23日、
龍ヶ崎農場のスタッフ総出でいよいよ田植です。
ご近所の農家さんから譲り受けた歩行式4条植え田植機は、
操作に不慣れなこともあって思うようにいかず
条列(稲を植えていった列)がクネッてしまったり、
機械が入りにくい個所では泥んこになりながら手植えをしたり、
和気あいあいと皆で楽しく田植を終えました。
(期待していたのですが、幸い泥んこ転倒者はゼロでした)
■ 想いは秋の収穫へ
これから先は水の管理・雑草管理を徹底して、
秋にたわわに穂を垂れる姿を夢見ながら
暑い夏を乗り切らなければいけません。
その様子はまた秋口にお伝えしたいと思います。
どうぞお楽しみに!
皆様こんにちは!翔栄ファーム龍ヶ崎農場「プロジェクト(自称)」担当の佃と申します。
今回は当社の稲作への取組みについてご紹介したいと思います。
■ なぜいま「稲作」なのか?
日本国内の米消費量は、人口減少、社会構造、食生活の変化等により年々減少しています。(*1) また、近年ではコロナウィルスの影響で外食向け需要が縮小し、米余り=生産者米価の下落を招いており、稲作農家の経営維持のため政府は多額の補助金を投入して、主食用米→飼料用米への転作を推し進めているのは皆様ご存じの通りです。
ところがこれは慣行農法栽培米の話で、平成28年度のデータでは有機栽培米の比率はわずか0.1%に過ぎず(*2)、ましてや農薬・化学肥料不使用米となるとほとんど希少品…というのが現実の姿です。
「安心安全な食をお届けする」をテーマとしている私たち翔栄ファームは、お野菜に加え、米・大豆・麦などの穀物類も手掛けていきたいとかねてから考えており、稲作については2021年の春先から具体的な取り組みを始めました。
■ まずは田んぼ探しから
取り組みは田んぼ探しから始まりました。
地元自治体などにあたると私たちが拠点としている龍ヶ崎の通称「古民家」の裏手に1.5haほどの休耕田が広がっていて、地主の皆さんも貸地に好意的とのお話。「これは渡りに船」と喜んだのも束の間、現地を見て愕然としてしまいました。
耕作放棄地となって10年余りとは聞いていましたが、一部は森林化し、畦(あぜ)は崩れ、水路は埋まり、揚水ポンプも故障しており、いったい何から手を付けたらよいやら……想像をはるかに超える状況でした。
ヒト・モノ・カネ、そして時間の問題もあって、初年度は2022年シーズンから、比較的状態の良い圃場約35aに的を絞って計画を進めることになりました。
■ 水田整備、苦難の道のり
揚水ポンプの交換修理、給水パイプラインの点検・修理、耕作地の除草、造成・畝(うね)付け、水路の掘削…、文字にしてしまうとたったこれだけ? ですが、元の状態が状態だっただけに作業は困難を極めました。
かつては山からの湧水を引き込んで水田にしていたそうですが、竜ケ崎ニュータウンの造成(1970~80年代)(*3)に伴い地下水利用に移行。そのための揚水ポンプも10数年前に故障したきりで、地下約40mから古いポンプを引き上げ新品に交換修理が必要でした。ポンプは給水パイプラインにつながっていて、水圧をかける前に配管やバルブの点検・修理が必要でしたが、配置図面などは残っておらず、樹木・篠笹(しのざさ)・背の高い雑草に鬱蒼と覆われた総延長約600mのルートを手作業で切り拓きながらの作業となりました。
田んぼの開墾は先ずは除草から。背丈をはるかに超える雑草を刈り払い機でなぎ倒していったのですが、半日の作業でチップソーが消耗してしまうくらい硬くて強情な雑草との格闘でした。
造成・畝付け、水路の掘削は他事業部の力を借りて重機(ユンボ)を入れての作業です。とは言え限られた機材を使っての工事のため田面(たづら=田の表面)の均平化もそこそこに、何とか田んぼの形に整えるところまで持ち込んでもらいました。
田んぼが形になったところでトラクターを入れての耕耘です。水はけが悪く、軟弱地盤の田んぼではトラクターがスタックして身動き取れなくなってしまったり、これも一筋縄ではいきませんでした。
難航した圃場整備を一通り終え、水を入れて田んぼらしい姿を見た時は感無量でした。田植の僅か6日前のことでした。
■ いよいよ田植え
今回の稲作で比較的順調にいったのは唯一(?)育苗でした。
慣行農法では病害虫予防のため、播種~育苗の間に殺菌剤を数回使用するところ、私たちはもちろん農薬不使用ですので病気が発生してしまったりしないかドキドキでしたが、幸いなことに元気よく育ってくれました。むしろ元気過ぎて、圃場の整備にもたついている間にちょっと草丈が伸び過ぎてしまったくらいでした。
そしてついに5月23日、龍ヶ崎農場のスタッフ総出でいよいよ田植です。
ご近所の農家さんから譲り受けた歩行式4条植え田植機は、操作に不慣れなこともあって思うようにいかず条列(稲を植えていった列)がクネッてしまったり、機械が入りにくい個所では泥んこになりながら手植えをしたり、和気あいあいと皆で楽しく田植を終えました。(期待していたのですが、幸い泥んこ転倒者はゼロでした)
■ 想いは秋の収穫へ
これから先は水の管理・雑草管理を徹底して、
秋にたわわに穂を垂れる姿を夢見ながら
暑い夏を乗り切らなければいけません。
その様子はまた秋口にお伝えしたいと思います。
どうぞお楽しみに!