自然栽培の先生による勉強会テーマは
通常、農作業にかかわるものなのですが、
今回は珍しく環境問題と私たちの健康に
フォーカスした内容となりました。
こうしたカテゴリーのコンテンツは
日頃から翔栄ファームコラムで扱っていますので
本コラムを書く上で必要に応じて
過去記事へのリンクを設置したいと思います。
そちらもぜひ併せてご覧ください。
さて、本日のテーマは「土壌と腸内環境」です。
■ 腸内細菌の大元は土壌細菌?
翔栄ファームコラムの過去記事
「腸内フローラと表土の類似」
「マイクロバイオーム。微生物の世界と人体について考えてみる」
等でも挙げたことがありますが、
腸内環境と摂取作物の生育環境、
特に土壌菌との関連性については
今や多くの方が認めている事柄ではないでしょうか。
とはいってもなぜそのような話になるのか?
迷わずにゴールに辿り着くために、
先ず地球を一つの生命体と考えることから始めます。
人間の身体に様々な臓器や器官があり、
それらの一つ一つが密接に連関し合うことで
生命活動が営まれているように、
これを地球規模に置き換えた場合、
人間はもちろんのこと
地球上に存在するすべての生命体が
一つのエコシステム(生態系)を形成しているのです。
つまり私たち人間は大地や他の生命体から
エネルギーを受け取っています。
一人一人が地球の細胞のようなものなのです。
ここをしっかりと抑えた上で
いよいよ土壌と腸内との関連です。
説明を分かりやすくするために
地産地消を実践している人たちを例に取ります。
実践者の腸内細菌の種類を調べてみると
何と地域の土壌細菌の種類や分布と似通っているという
決定的な事実が見てとれるのです。
もちろん地産地消実践者以外の人たちにも当てはまります。
人間の腸内は食物の生育環境に大きな影響を受けるのです。
一体それはなぜでしょうか?
そうです。私たちの腸内細菌の大元は土壌細菌だからです。
食べるという行為を通じて土壌菌が体内に入り込みます。
口という器官は外界と体内を一体化させるための
ゲートウェイになっていたのです。
■ 翔栄ファームはプラネタリーヘルスの実践者
自然栽培の先生の口から
プラネタリーヘルスという言葉が出てきました。
「日本人の食事とプラネタリーヘルスダイエット」
「健康的な食事は温室効果ガスの排出削減につながるか?」
プラネタリーヘルスとは過去記事でも記載したとおり、
人も地球のシステムの一部であり、
人の健康は地球の健康、つまり地球温暖化を含む、
様々な環境問題と深く繋がっているということです。
つまり私たちは自分や家族の健康は
個人の問題と考えがちですが、
自分が健康であるためには、
地球の健康を考えなくはならないということです。
ここに翔栄ファームの本質があるとして、
先生は『腸と森の「土」を育てる』(桐村里紗 著)を題材に
プラネタリーヘルスの考え方の説明をしてくれました。
主旨は、人間が健康を考える上で「腸活」が必要なように
翔栄ファームは地球と人間の健康の獲得のための実践として
「地球の腸活」をしているのだと。
つまり土地の地力を高め
自然の循環(フロー)を活性させるための自然栽培。
圃場のメンバーはプラネタリーヘルスを
頭では理解していたものの、
このように先生から直接的にいわれると
かなり新鮮な驚きがあったようで、
彼らの背筋がシャンとしたのが筆者には分かりました。
(少し専門的な話になりがちなのでここでは極力農作業に関係しそうな話の概要だけに留めて、それ以外の事柄は過去コラムに委ねたいと思います)
■ 人間の腸内環境を変えることが、地球環境改善につながる?
自分と地球を同時に元気にする、その共通項は「土」。
人が腸の中に内包する「土(土壌細菌=腸内細菌)」と
地球の「土」、それを同時に改良できる食の選択、
つまり健康な土壌で栽培された
地味豊かな自然栽培作物を日々摂取していくことで、
両方が健康に、持続可能な状態になっていくということです。
根は土の中に張り巡らされます。
そう、土台は土壌の状態が左右するのです。
換言すれば根が丈夫に生育するためには
土壌の影響が計り知れないということです。
人間の場合、根っこにあたるのは、腸の表面にある細胞です。
植物になぞらえるとここからグングン栄養を吸収し、
血管という葉脈を使って、葉っぱや花、
実にあたる細胞に栄養を運びます。
細胞を元気にしようと思ったら、根っこの状態が良く、
栄養たっぷりの土があることが絶対条件です。
この土が、要するに「腸内環境」であり、腸内フローラです。
そしてこの大元が土壌細菌ということです。
逆をいうと、もしヒトという種の腸内環境が汚れているならば
地球上の土壌は汚れています。
だからもしヒトの腸内環境を健康にできさえすれば、
地球上の土壌を健康な状態に向かわせることができるのです。
このような説明の上で、先生は勉強会の最後に
「翔栄ファームの農業はこれをやっているのです。各自もう一度このことをしっかりと自覚するように!」
と仰いました。
自然栽培の先生による勉強会テーマは通常、農作業にかかわるものなのですが、今回は珍しく環境問題と私たちの健康にフォーカスした内容となりました。こうしたカテゴリーのコンテンツは日頃から翔栄ファームコラムで扱っていますので本コラムを書く上で必要に応じて過去記事へのリンクを設置したいと思います。そちらもぜひ併せてご覧ください。
さて、本日のテーマは「土壌と腸内環境」です。
■ 腸内細菌の大元は土壌細菌?
翔栄ファームコラムの過去記事「腸内フローラと表土の類似」「マイクロバイオーム。微生物の世界と人体について考えてみる」等でも挙げたことがありますが、腸内環境と摂取作物の生育環境、特に土壌菌との関連性については今や多くの方が認めている事柄ではないでしょうか。
とはいってもなぜそのような話になるのか?
迷わずにゴールに辿り着くために、先ず地球を一つの生命体と考えることから始めます。
人間の身体に様々な臓器や器官があり、それらの一つ一つが密接に連関し合うことで生命活動が営まれているように、これを地球規模に置き換えた場合、人間はもちろんのこと地球上に存在するすべての生命体が一つのエコシステム(生態系)を形成しているのです。つまり私たち人間は大地や他の生命体からエネルギーを受け取っています。一人一人が地球の細胞のようなものなのです。ここをしっかりと抑えた上で、いよいよ土壌と腸内との関連です。説明を分かりやすくするために地産地消を実践している人たちを例に取ります。
実践者の腸内細菌の種類を調べてみると、何と地域の土壌細菌の種類や分布と似通っているという決定的な事実が見てとれるのです。もちろん地産地消実践者以外の人たちにも当てはまります。人間の腸内は食物の生育環境に大きな影響を受けるのです。一体それはなぜでしょうか?
そうです。私たちの腸内細菌の大元は土壌細菌だからです。食べるという行為を通じて土壌菌が体内に入り込みます。口という器官は外界と体内を一体化させるためのゲートウェイになっていたのです。
■ 翔栄ファームはプラネタリーヘルスの実践者
自然栽培の先生の口からプラネタリーヘルスという言葉が出てきました。
「日本人の食事とプラネタリーヘルスダイエット」「健康的な食事は温室効果ガスの排出削減につながるか?」
プラネタリーヘルスとは過去記事でも記載したとおり、人も地球のシステムの一部であり、人の健康は地球の健康、つまり地球温暖化を含む、様々な環境問題と深く繋がっているということです。つまり私たちは自分や家族の健康は個人の問題と考えがちですが、自分が健康であるためには、地球の健康を考えなくはならないということです。
ここに翔栄ファームの本質があるとして、先生は『腸と森の「土」を育てる』(桐村里紗 著)を題材にプラネタリーヘルスの考え方の説明をしてくれました。
主旨は、人間が健康を考える上で「腸活」が必要なように翔栄ファームは地球と人間の健康の獲得のための実践として「地球の腸活」をしているのだと。
つまり土地の地力を高め自然の循環(フロー)を活性させるための自然栽培。圃場のメンバーはプラネタリーヘルスを頭では理解していたものの、このように先生から直接的にいわれるとかなり新鮮な驚きがあったようで、彼らの背筋がシャンとしたのが筆者には分かりました。
(少し専門的な話になりがちなのでここでは極力農作業に関係しそうな話の概要だけに留めて、それ以外の事柄は過去コラムに委ねたいと思います)
■ 人間の腸内環境を変えることが、地球環境改善につながる?
自分と地球を同時に元気にする、その共通項は「土」。人が腸の中に内包する「土(土壌細菌=腸内細菌)」と地球の「土」、それを同時に改良できる食の選択、つまり健康な土壌で栽培された地味豊かな自然栽培作物を日々摂取していくことで、両方が健康に、持続可能な状態になっていくということです。根は土の中に張り巡らされます。そう、土台は土壌の状態が左右するのです。換言すれば根が丈夫に生育するためには土壌の影響が計り知れないということです。
人間の場合、根っこにあたるのは、腸の表面にある細胞です。植物になぞらえるとここからグングン栄養を吸収し、血管という葉脈を使って、葉っぱや花、実にあたる細胞に栄養を運びます。細胞を元気にしようと思ったら、根っこの状態が良く、栄養たっぷりの土があることが絶対条件です。
この土が、要するに「腸内環境」であり、腸内フローラです。そしてこの大元が土壌細菌ということです。逆をいうと、もしヒトという種の腸内環境が汚れているならば地球上の土壌は汚れています。だからもしヒトの腸内環境を健康にできさえすれば、地球上の土壌を健康な状態に向かわせることができるのです。
このような説明の上で、先生は勉強会の最後に
「翔栄ファームの農業はこれをやっているのです。各自もう一度このことをしっかりと自覚するように!」
と仰いました。
参考:
桐村里紗著『腸と森の「土」を育てる』(光文社新書刊)