私たち翔栄ファームでは
農薬も化学肥料も一切使いません。
もちろん動物性堆肥も使いません。
いわゆる自然栽培を行っています。
しかも固定種・在来種の種のみです。
聞こえはすごくいいと思います。
何せ“毒”や想定しうる“健康上のリスク”が
そこにはないからです。
そしてそれは全て事実です。
しかし自然栽培はそんなに簡単なものではありません。
その土地の持つ“地力”、地域の生態系や
生物多様性などのそこに備わっている自然の力と、
栽培者である人間の思惑が一致することなど、
ほぼあり得ないからです。
それでも私たちは自然栽培に取り組み続けています。
なぜならば人間も生物多様性の一員として
自然に組み込まれて生きていくことが
正しいのではないかと考えているからです。
そんな我々翔栄ファームが
自然栽培で最も重視していることの一つが
「地力をあげること」です。
とはいえ、どれだけ地力が高くても
それがすなわち“質の高い営農”とは別問題です。
というわけで今回は、
営農で気を付けるべきポイントについて
触れていきたいと思っています。
■自然栽培の営農に必要な13のポイント
先日、自然栽培の先生から
「営農に必要な13のポイント」について学びました。
今日はその概要を皆様にもシェアしたいと思います。
大別すると「作付け段階」と
「栽培から収穫段階」の2段階に分けられます。
ということで先ずは「作付け段階」からです。
■「作付け段階」のポイント
作付け段階の一つ目は「品種選び」です。
ここを間違えるとその後の全工程が成り立たないほど
重要な根幹を成す部分です。
すなわち農場と品種の相性が合うのかどうか?
また、複数の品種同士の相性。
これらは全体だけではなく作業量にも影響を及ぼします。
二つ目は「その種をいつ蒔くか?」ということ。
後々の収穫や販売、出荷作業など、
全ての農作業が極力重ならないように、
もちろん旬の時期を逃さないように、
また今年の気象状況などを鑑みて
どのようなスケジューリングをするべきかなど、
種の播き時を見極めるということは
その年の全体を見通すことでもあるのです。
そして三つ目は「育苗」。
意味合いとしては播種(種まき)と
かなり近いものがありますが、
育苗の出来が収穫結果の八割を決める、
といわれるくらいその環境整備は重要です。
そして作付け段階の最後、四つ目は「種取り」です。
翔栄ファームは自家採種100%を目指しています。
したがって私たちにとっては
最も大切な項目といっても過言ではありません。
採種のタイミングも緻密に図る必要があります。
なぜならば一定のリードタイムが必要となるからです。
例えば、きゅうりを例に取ってみます。
先ず実っている段階で育ちのよいものを選別し、
収穫せずにしばらく残しておきます。
黄色く肥大化してきたところでようやく収穫し、
その後しばらく追熟させます。
その後、種を傷つけないように作物を切り開き
丁寧に種取りを行いうのです。
あとはそれを乾燥させ封筒などに入れて
冷暗所などの気温を一定に保てる場所で保管すればOK。
少なくとも播種や育苗の時期までに
その準備が整っている必要があります。
以上が前半戦、「作付け段階」の4つのポイントとなります。
一旦ここで一区切りということで、
後半戦の「栽培から収穫段階」については、
次回の「翔栄ファーム農場便り」にてお話します。
お楽しみに!!
「自然栽培の営農に必要な13のポイント(前編)」終了
■蛇足:自然栽培に必要不可欠な「雑草堆肥」
最後に「雑草堆肥」について紹介します。
雑草堆肥は、文字通り雑草で作った堆肥のことです
(誤解を招きやすい響きですが、
実は自然農薬と呼ばれることもあります)。
使い勝手の良さは何といっても
いつでも加えられるということで、
作物を元気にさせるものとして
自然栽培には必要不可欠な存在です。
雑草堆肥に適したものは、
落葉樹や小さな雑草、花が咲く前の雑草です。
一方、適さないものはイネ科、針葉樹、イチョウなどです。
理由は分解が遅いことです。
因みに雑草堆肥は約半年で完成しますが
途中段階ではアンモニア臭がします。
その期間はまさに分解途中で糸状菌が増えます。
これが悪臭のもとです。
そしてこの状態のものは畑に入れてはいけません。
野菜根をやっつけてしまうからです。
その後しばらくして完熟すると
悪臭が土の匂いに変わります。
放射菌が増えた証拠です。
ここまできたら既述の通り、
いつでも畑に投入できるのです。
私たち翔栄ファームでは農薬も化学肥料も一切使いません。もちろん動物性堆肥も使いません。いわゆる自然栽培を行っています。しかも固定種・在来種の種のみです。
聞こえはすごくいいと思います。何せ“毒”や想定しうる“健康上のリスク”がそこにはないからです。
そしてそれは全て事実です。しかし自然栽培はそんなに簡単なものではありません。その土地の持つ“地力”、地域の生態系や生物多様性などのそこに備わっている自然の力と、栽培者である人間の思惑が一致することなど、ほぼあり得ないからです。
それでも私たちは自然栽培に取り組み続けています。なぜならば人間も生物多様性の一員として自然に組み込まれて生きていくことが正しいのではないかと考えているからです。
そんな我々翔栄ファームが自然栽培で最も重視していることの一つが「地力をあげること」です。とはいえ、どれだけ地力が高くてもそれがすなわち“質の高い営農”とは別問題です。
というわけで今回は、営農で気を付けるべきポイントについて触れていきたいと思っています。
■自然栽培の営農に必要な13のポイント
先日、自然栽培の先生から「営農に必要な13のポイント」について学びました。今日はその概要を皆様にもシェアしたいと思います。
大別すると「作付け段階」と「栽培から収穫段階」の2段階に分けられます。
ということで先ずは「作付け段階」からです。
■「作付け段階」のポイント
作付け段階の一つ目は「品種選び」です。
ここを間違えるとその後の全工程が成り立たないほど重要な根幹を成す部分です。すなわち農場と品種の相性が合うのかどうか? また、複数の品種同士の相性。これらは全体だけではなく作業量にも影響を及ぼします。
二つ目は「その種をいつ蒔くか?」ということ。
後々の収穫や販売、出荷作業など、全ての農作業が極力重ならないように、もちろん旬の時期を逃さないように、また今年の気象状況などを鑑みてどのようなスケジューリングをするべきかなど、種の播き時を見極めるということはその年の全体を見通すことでもあるのです。
そして三つ目は「育苗」。
意味合いとしては播種(種まき)とかなり近いものがありますが、育苗の出来が収穫結果の八割を決める、といわれるくらいその環境整備は重要です。
そして作付け段階の最後、四つ目は「種取り」です。
翔栄ファームは自家採種100%を目指しています。したがって私たちにとっては最も大切な項目といっても過言ではありません。採種のタイミングも緻密に図る必要があります。なぜならば一定のリードタイムが必要となるからです。
例えば、きゅうりの種取りを例に取ってみます。
先ず実っている段階で育ちのよいものを選別し、収穫せずにしばらく残しておきます。黄色く肥大化してきたところでようやく収穫し、その後しばらく追熟させます。その後、種を傷つけないように作物を切り開き丁寧に種取りを行いうのです。あとはそれを乾燥させ封筒などに入れて冷暗所などの気温を一定に保てる場所で保管すればOK。少なくとも播種や育苗の時期までにその準備が整っている必要があります。
以上が前半戦、「作付け段階」の4つのポイントとなります。
一旦ここで一区切りということで、後半戦の「栽培から収穫段階」については、次回の「翔栄ファーム農場便り」にてお話します。お楽しみに!!
「自然栽培の営農に必要な13のポイント(前編)」終了
■蛇足:自然栽培に必要不可欠な「雑草堆肥」
最後に「雑草堆肥」について紹介します。
雑草堆肥は、文字通り雑草で作った堆肥のことです(誤解を招きやすい響きですが、実は自然農薬と呼ばれることもあります)。使い勝手の良さは何といってもいつでも加えられるということで、作物を元気にさせるものとして自然栽培には必要不可欠な存在です。雑草堆肥に適したものは、落葉樹や小さな雑草、花が咲く前の雑草です。一方、適さないものはイネ科、針葉樹、イチョウなどです。理由は分解が遅いことです。
因みに雑草堆肥は約半年で完成しますが途中段階ではアンモニア臭がします。その期間はまさに分解途中で糸状菌が増えます。これが悪臭のもとです。そしてこの状態のものは畑に入れてはいけません。野菜根をやっつけてしまうからです。その後しばらくして完熟すると悪臭が土の匂いに変わります。放射菌が増えた証拠です。ここまできたら既述の通り、いつでも畑に投入できるのです。