食品表示を免除されている添加物を「ステルス添加物」、隠れ添加物と呼びます。表示を免除されていることから原材料名を確認する際には一括表示されているものに気を付ける必要があります。ステルス添加物は食品添加物の実態が隠された状態のことを示しているため確認が難しく、知らないうちに口にしてしまっています。
■ステルス添加物とは?
「キャリーオーバーされた添加物」
原材料の加工の際に使用された添加物ですがその原材料を用いて製造される食品には使用されていない食品添加物のことです。
例えば、納豆、納豆には丸大豆(国産)などと記載があるので添加物なしと安心して購入するかもしれませんが、備え付けのたれやからしはどうでしょうか?
たれ、からしの原材料をよく見てみましょう。たいていは添加物が多いことがわかります。保存料を入れて作った醤油、そのものを販売する場合は原材料名には保存料と明記する必要がありますが、このしょうゆをつかったたれには保存料と明記しなくてもいい、持ち越された添加物、キャリーオーバーされたものと考えられるからです。これがステルス添加物と呼ばれているものです。

これもステルス添加物!「加工助剤」
食品の加工の際に使用されていますが最終的な食品として包装される前に除去されるため最終的に食品に残っていない食品添加物です。最終的に全く残存しないので食品への影響がないとみなされるため表示が免状されています。
キャリーオーバーは原材料から持ち越されているものに対し加工助剤は加工過程で除去される点です。

例えばミカンの缶詰、ミカンの薄皮をむくために使用されている塩酸、砂糖製造時に不純物を除去するための活性炭、プロセスチーズ製造時の炭酸水素ナトリウム(重曹)などがあります。最終製品には残らない、もしくはごく少量しか残らないので表示の義務が免除されています。
「影響強化剤」
栄養強化剤は栄養価を高めるために使用されている添加物で栄養強化剤とも言われステルス添加物の一種と考えられています。加工の過程で失われるもしくは減少してしまう栄養成分を補ったり、栄養強化の目的で使用される食品添加物です。
例えばビタミンやミネラル、栄養強化剤として使用されますがこれらは表示が省略できる場合もあるためその存在を知らずに摂取してしまうことがあるためステルス添加物の一種とされています。
■一括表示されているステルス添加物
目的が同じであれば数種類をまとめて「pH調整剤」や「イーストフード」などと使用目的を表す「一括名」で表示することが例外として認められており、物質名が表示されないため具体的な添加物が何なのかが判別できない場合があります。
マーガリン、植物油に含まれることがある酸化防止剤は表示が免除されることがあります。酸化防止剤は酸化を防ぎ食品の風味、色、保存性を長持ちさせるために使用されます。

酵母エキスは出汁パックなどに含まれることがあります。アミノ酸などと表記されます。一括表示が適用されることにより「無添加」、「化学調味料無添加」などと表示されていてもステルス添加物と関連する場合もあるようで全く添加物を使用していないわけではないので注意が必要です。
正体不明の「一括表示」の食品添加物
よく使われているものをいくつか挙げてみました。こんな一括表示があったら要注意、ステルス添加物が潜んでいます。
イーストフード:パンのイースト発酵をよくするものですがリン酸三カルシウム、炭酸アンモニウムなどの添加物が含まれています。
ガムベース:チューインガムの基となる物質でエステルガム、チクルなどが含まれています。
かんすい:中華めんの食感や風味を出すために使用されるもので炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなどが含まれています。
酸味料:食品に酸味を与えるものでクエン酸、乳酸などが含まれています。
その他、香料、光沢剤、調味料、苦味料、乳化剤、膨張剤、軟化剤など一括表示されているものがあります。
食品表示のルールは非常に曖昧なためで全てが記載されているわけではなく、ツナサンドを作るとき、中にサンドされている具のツナマヨに添加物が使われていたとしても、商品として販売するサンドイッチの食品表示には記載しなくてもいいことになります。

■体への影響を最小限にするためにも
食品添加物は厚生労働省により定められた基準値の範囲内での使用であれば安全とされています。が、過剰に摂取することで生活習慣病などの原因となる可能性があるので注意が必要です。添加物は体内で分解しにくいため、肝臓や腎臓に負担をかけ体内に蓄積してしまいます。
使用量、組み合わせ、その人の体質により健康に影響が出る可能性があります。少量なら安全とされるもの、絶対にさけたいもの、など原材料表示を確認する習慣をつけることがとても大切であることがわかります。
添加物を摂取することの問題点は、添加物の有毒性もありますが、なにより、体のミネラル不足を引き起こすことにあります。添加されている化学物質を分解、解毒するために、(実際は完全に分解、解毒しきれずに体内に蓄積してしまうのですが、)体内のミネラルが消耗されてしまうことにあります。
小魚や海藻、ゆで卵や干し椎茸から取ったダシなど、日々の食事にミネラルをプラスすることを心がけていけば、知らぬうちに摂取してしまった添加物の悪影響を最小限にすることができます。
季節の食材を取り入れながら、バランスのよい食生活を心がけていくことがとても大事ですね。








