皆さんこんにちは!翔栄ファーム『群馬県前橋農場』のMです。
私たちは昨今のアレルギー・アトピー・花粉症などは、食べ物の影響だと思っており、口に入って身体を作る作物は安心・安全であるべきだと考えています。
翔栄ファームでは、群馬県と茨城県にある2つの農場で、一般的な慣行農法(農薬、肥料の投入量や散布回数などにおいて相当数の生産者が実施している一般的な農法のこと)でなく、『固定種・在来種』の種で、『農薬・化学肥料・除草剤を使わない自然農法』で野菜や穀類を作っています。
それは、食卓に並ぶ全てを”安心・安全な翔栄ファーム印の食べ物”で提供したい!という目的からです。
さて、今回は前回の続きでねぎ3種の育て方の違いや、農場体験していただいた時のお話です。
同じねぎという種類でも、育て方や生育期間などが違います。是非最後まで読んでみて下さいね。
■ねぎの育て方
味や見た目に違いがあるように育て方にも違いがあります。
そもそも、群馬県前橋圃場や周りの土は、ふわふわでとっても軽く元々根菜類が良く育つ土です。
ねぎの根っこは空気を好むため、粘土質の土とは相性が悪いです。
またねぎは大きく分けて「根深ねぎ」と「葉ねぎ」の2つにあります。
根深ねぎは白い部分が長く、今回ですと「下仁田ねぎ」と「石倉一本ねぎ」です。
葉ねぎは「岩槻ねぎ」になります。
そのため栽培方法にも違いがあります。
下仁田ねぎの場合は、土寄せをしたところで白い部分の長さは変わりません。
成長のスピードも石倉一本ねぎに比べ遅く、秋口頃まで成長し、そこで終わります。
葉っぱの部分はあまり食べません。理由は冬になると葉の部分は枯れてしまい、固くなったり、なくなってしまうからです。
これは作物全体に言える事ですが、寒くなると作物が凍らないように糖分を蓄えます。
そのため冬の野菜は寒くなれば寒くなるほど甘みが増す。というわけです。

石倉一本ねぎは、白い部分がとても長いのが特徴なので、できるだけ長さを出すために、土寄せがとても重要です。
どれだけ土を寄せを行うかで、白い部分の長さが変わってきます。だいたい約30~50センチになる、根深ねぎです。
植える時から20センチほどの深く溝を掘って植えつけます。
更に土寄せを定期的に行い、白い部分を増やしていく栽培方法です。
白い部分の成長スピードが速いので、土寄せするタイミングをよく観察することがポイントです。
また、1年中作ることができ、収穫もねぎ坊主が出るまで可能。
ねぎ坊主も柔らかくて美味しいですよ。



岩貴ねぎは、1本植えるとそこから分裂して10本ほど増殖してきます。
他の2つと違い葉っぱの部分だけが伸びる「葉ねぎ」です。
そのため土寄せなどが不要で、畑の畝に根っこだけ深めに植えたら勝手にどんどん増えていきます。
こちらも1年中できますが、特に春と秋~冬頃の葉っぱが柔らかい時期がおすすめです。

これら3種類共、今年の出来栄えはというと・・・。
下仁田ねぎと岩槻ねぎはとても豊作でした。
石倉一本ねぎは、他の2つほど豊作!とまではいきませんでした。
理由はおそらく今年の猛暑による蒸れが原因と考えます。
土寄せを他のねぎに比べ多く行うため、この夏何度も襲ったゲリラ豪雨による土周りの湿気が原因ではないか、と思っています。
または、なにかねぎの病気にやられたのかな、と思っています。
翔栄ファームではねぎがよく育つ畑があります。今回もそこで育てました。
そこの特徴は、生えている雑草の色が濃く(=土の中の養分が豊富)あまり耕運機をかけていない畝です。
不思議なことに、養分が強すぎてほかの野菜は逆に育ちません。
恐らくねぎは土寄せを行うため、草マルチなどもしません。
しかし土自体にたっぷりと栄養があるため、それでも問題なく育つのではないか。と。
ちなみに、ねぎは畑にいる期間がとっても長く特に下仁田ねぎは約1年以上畑に埋まっています。
そのため下仁田ねぎの場合は“下仁田ねぎ専用畝”が必要なほどずっと畑にいます。
去年の秋頃に畑へ直接種を撒き(直播き)、現在つまようじほどの大きさに成長しました。
今年の春:5月頃になるとおはしぐらいの大きさまで成長し、
7月頃それを一度抜きます。根っこを切るためです。
理由は、根っこを一度切ると、ねぎは太くなる性質があるため、太くて丈夫なねぎを作るために行います。
その後、間隔をあけてまた植えつけを行い、その翌年の1月頃から収穫を行います。
この様にとても長い期間畑に埋まっている下仁田ねぎ。歳月はなんと1年3か月以上!
他の石倉一本ねぎ・岩槻ねぎは、いま種を撒いて今年の11月頃には収穫できます。
同じねぎでも、栽培期間や収穫時期、味、見た目それぞれあり面白いです。


■ねぎの播種体験
今回は2組の方が参加してくださいました。
農場体験として、石倉一本ねぎの種まきを一緒に行いました。
まだ何も耕してもいない、草刈りもしていない所から、畝を作り、種を撒く全工程をお手伝いして頂きました。
まずは草刈りを行います。
しばらくの間何も育てず寝かせて置いた畑なので、除草から行います。
ほどよく雑草を置いていたのでいい具合に枯れていました。
そこを均し、種を植えるための溝を掘ります。
今回使用した種は、去年自家採種した石倉一本ねぎの種です。今年で自家採種は4年目です。
自家採種する野菜も年々増えておりより強く、圃場に合った逞しい野菜が増え嬉しいです。


こちらを掘って頂いた溝に直播きし、もみ殻を乗せてもらいました。
もみ殻を乗せる理由は、ここ群馬県前橋市は風が強く・乾燥もしているためです。
土が乾燥してしまうと、芽が出ないため乾燥防止もかねてもみ殻を撒いています。




芽が出始める6月頃までこのまま育て、7月頃一度抜いて、今よりも更に深く掘った穴に1本づつ等間隔で再度植えます。
岩倉一本ねぎは根深ねぎなので、白い部分が長いです。特にこの品種は他のねぎと比べても長いため、定期的に土寄せが必要です。
しかし土の被せすぎによる夏の蒸れにも弱いため、その塩梅が難しいです。
今年皆様と植えた石倉一本ねぎが上手に育つことを祈って、日々手入れを行いたいと思います。
■次回イベント情報
暖かい日も増えましたね。春が近づき、外に出歩くのが楽しい時期に入りました。
そこで、実は食べれる?!野草について一緒に勉強しながら試食会が出来たらと思いイベントを開催いたします。
是非ご参加いただければ嬉しいです。
【食べられる草をさがそう!】
日時:2025年3月29日(土)
時間:9:30~13:00
参加費:大人¥2000(中学生以上)小学生¥1000
持ち物:汚れても良い服装 ビニール袋 水分 お皿 お箸
※雨天決行 ※駐車場あり
雨天の場合は、苗のお世話や種まきの農場体験をして頂く予定です。
ここ、翔栄ファーム前橋圃場では自然栽培でお野菜を育てており、たくさんの草が野菜と共生しています。
その中には食べられる草もたくさんあるので、一緒に散策しながら草を持ち帰り試食てみましょう!
他にも自然栽培で収穫した野菜や作物を『茨城県龍ヶ崎』と『群馬県前橋』の各圃場と、東京都の東中野にある『ビセットプラザ』で店頭販売を行っています。
また通販サイトの『しぜんとくらそ』では、各季節の旬な野菜を詰め合わせた”【定期宅配】季節の産直野菜いろどりセット”などもインターネットで販売しています。宅配にしか入らない野菜もありますので、定期宅配のご利用もお待ちしています。