皆さんこんにちは!翔栄ファーム『群馬県前橋農場』のMです。
私たちは昨今のアレルギー・アトピー・花粉症などは、食べ物の影響だと思っており、口に入って身体を作る作物は安心・安全であるべきだと考えています。
翔栄ファームでは、群馬県と茨城県にある2つの農場で、一般的な慣行農法(農薬、肥料の投入量や散布回数などにおいて相当数の生産者が実施している一般的な農法のこと)でなく、『固定種・在来種』の種で、『農薬・化学肥料・除草剤を使わない自然農法』で野菜や穀類を作っています。
それは、食卓に並ぶ全てを”安心・安全な翔栄ファーム印の食べ物”で提供したい!という目的からです。
さて、今回は本格的に始まった播種についてです。
この育苗がこれからを左右するほどとっても重要な過程で力が入ります。今年も美味しい野菜ができるようしっかり頑張ります。
■春~夏用の播種開始
冬野菜も落ち着き、春から夏にかけての野菜たちの播種が始まります。
セルトレイという一段128個の穴が開いたトレイに種を入れ育てます(=育苗)
この育苗の土に前回紹介した腐葉土を1:1で混ぜて作ります。


今月は下記の野菜の種まきを始める予定です。
・レタス
・パクチー
・ブロッコリー
・ケール
・玉ねぎ(ジェットボール)
・なす(シンクロナス)
・ピーマン(浜クロピー)、
・じゃがいも(出島、さやあかね、シャドークイーン、ノーザンルビー)
その中でも一番多いのが玉ねぎで、こちらをだいたいセルトレイ20枚分植えます!数でいうと2560個ほど!

じゃがいもは今収穫しており、種芋として選別したものを順番にハウスにて芽出し中です。
今月終わりから植えていく予定です。
種芋選ぶポイントとしては大きい方が良く、病気になっていないもの選りすぐる必要があります。
例えば「そうか病」がじゃがいもには一番悪い病気で、表面が盛り上がり大小丸い斑がたくさんできる病気です。
その種芋を選ぶと、同じ病気を繰り返すだけでなく収穫量も減ってしまうため、種芋の選別はとても重要です。
また一般的に売られている種芋には消毒や農薬等が撒かれており、
植え付ける時点で化学肥料が組み込まれたじゃがいもを作ることになります。
というのも種芋として販売する為の検疫が厳しく、
圃場だけでなく、栽培中・栽培後も全て調べられ、病気などがない状態を常にキープする必要があるなど
とても厳しいルールをクリアしなければ販売ができません。
仕方のない事ですが、悲しい現実ですね。
しかし翔栄ファームでは自然栽培したじゃがいもをまた種芋として使っており
味や病気にも年々強い風味豊かなじゃがいもを作り続けています!
今年もお楽しみにお待ちくださいね。
■発芽するまで四六時中一緒の種
夏野菜は発芽温度が高く、25度~30度を発芽するまではキープする必要があります。
しかし、今はまだ冬。そこまで温かくないため人の体温で温め発芽させています。
どうやっているのかというと
種が入ったティッシュを少し湿らせて、ビニール袋に入れてから、首から下げたりポケットに入れたり人肌で発芽させます。
3~5日間、圃場にいる間だけでなく家にも持って帰りお風呂以外はずっと温めます。


発芽後は、20度~25度をキープすればなんとか育ってくれるのでハウスの中で温マットを敷いて育てます。
他にも育苗で気を付けていることは沢山あります。
例えば「ブロッコリー」はアブラムシが発生するととても厄介なので、ハウスの中を開けっ放しにしない
常によく見て管理を徹底しています。あとはネットをかけて極力虫が入らないようにします。
しかし一番大事なことは“丈夫な苗を育てる”ことです。苗自体が丈夫だとアブラムシに負けてしまうこともありません。
そのため、根がしっかり張った苗を作ることをとても大事にしています。
根が張ると、栄養(養分)を行き届けることができ、大きくて丈夫な作物ができるからです。
そこで翔栄ファームでは、発芽後はしっかり根を這わすために水やりの頻度を調整しています。
水やりの頻度が少なければ、水を求め根が伸びていくからです。
温度管理にももちろん気を付けています。
例えば、レタスは30度でも5度以下でも育ちますが、日中の光合成が十分でないのに夜間温度が高いと
もやしのようにひょろひょろしたレタスができてしまいます。
なぜかというと、野菜は夜に成長します。
その為に、昼間は光を浴び、エネルギーを蓄え、でんぷんなどの養分に変えます
そして夜にその養分を送り届け成長するのです。
なので、その日の太陽の出具合や温度などを見て毎日調整しています。
また、ハウス全体の温度は約15~20度をキープし、それ以上必要とする野菜には温熱マットを敷くなどで対応しています。
夏野菜のなすびやピーマンなどは温マットを敷いています。
他にも玉ねぎの育苗は特に難しく手を焼いています。
玉ねぎの発芽の条件がとても狭く、発芽温度の20~25度ぐらいをキープする事と
水を好みますが、あげすぎるのも良くないため、その日の温度や土の表面の乾き具合などを見て毎日水を調整する必要があります。
3月や4月になり、外に直播きしても平気になると楽ですが、今の時期はとても気を遣う作物です。
翔栄ファームではジェットボール(玉ねぎ)を一度春、5月終わりから6月頃に1~2センチの状態で収穫し
ハウスで干しながら栄養を葉っぱへと移動させ、また夏頃植え、12月頃冬の新玉として収穫するためです。
葉っぱも美味しく、実も甘くて柔らかいジェットボール、今年もお楽しみにお待ちください。
このように「播種・育苗」は種類によって、水の量や温度が違うなど一筋縄ではいかないことが沢山あります。
毎日ハウスへ行き、何度も見回って状況に応じ都度対応するなど手をやきますが芽が出るととても嬉しいです。
毎年いろいろな失敗と成功を繰り返しながら日々精進しております。

■マルシェ(直売)とイベントのご案内
・2025年2月 22日(土)「季節のお野菜の直売」
時間:12時半から15時
場所:群馬県 城南マルシェ(城南病院駐車場内 前橋市富田町1172-1)
※毎月第1・第3土曜日に行っています。季節のお野菜やお米の販売をしています
・2025年2月18日(火)「第9回目 翔栄ファームの会」
時間:9時から13時頃まで
場所:群馬県前橋 翔栄ファーム圃場
※輕井沢“Seminare”の川島シェフによる美味しいランチと農業体験ができます
お野菜の直売や「第9回目 翔栄ファームの会」など盛りだくさんです。
翔栄ファームの会では、「石倉一本ねぎ」と「下仁田ネギ」の食べ比べを行います。
農場体験として、石倉一本ねぎの種まきを行って頂きます。
是非お近くの方は自慢の野菜を直接見て、購入して頂けたら嬉しいです。
翔栄ファームの会もなかなかできない農業体験や、
軽井沢から川島シェフが来てくださり圃場で採れた野菜を使ったランチが食べられますので是非ご参加ください。

他にも自然栽培で収穫した野菜や作物を『茨城県龍ヶ崎』と『群馬県前橋』の各圃場と、東京都の東中野にある『ビセットプラザ』で店頭販売を行っています。
また通販サイトの『しぜんとくらそ』では、各季節の旬な野菜を詰め合わせた”【定期宅配】季節の産直野菜いろどりセット”などもインターネットで販売しています。宅配にしか入らない野菜もありますので、定期宅配のご利用もお待ちしています。