「初めまして」
翔栄ファームの龍ヶ崎農場で働いている井上といいます。
昨年の秋から翔栄ファームの一員に加わりました。
農場便りに初登場となりますので宜しくお願いします。
私自身、自然栽培はもちろん初めての経験ですし、
農業自体の経験もまだまだ浅く、日々勉強の修行の身です。
ただ、もともと一般的な栽培方法である慣行農法には
少し思うところがあったため、
固定種・在来種の自然栽培野菜を探していたところ、
翔栄ファームのことを知りました。
当時はまだ「利用者の一人」でした。
「翔栄ファームが近隣の即売所で卸販売する」
という情報を聞きつけ、実際に足を運んでみたのが昨年の夏。
即売所ではwebサイトで見たことがある人たちが、
自分たちの育てた大切な野菜を
真剣かつ丁寧に説明をしながら販売している姿がありました。
彼らより栽培方法や固定種それぞれの特徴などについて
直接話を聞くことができ、また自然栽培農業に対して
興味があることを伝えることもできました。
その後のプロセスは割愛しますが、
このような出会いがあり、今では翔栄ファームの一員として
固定種・在来種の自然栽培農業を行っています。
前置きはさておき本題に入ります。
翔栄ファームでは100%の自家採種を目指して、
日々の農作業を実践していますが、
ただ種を採ればいいというものではありません。
次のシーズンに播種する種がしっかり育つように、
種の品質管理を向上させる必要があります。
私は翔栄ファームの一員になるまでは、
別の環境で「種取り」の仕事をしていました。
固定種・在来種の自然栽培ではありませんでしたが、
採取した種の品質管理という点では
いくばくかの手法を知っています。
その点において、翔栄ファームの自家採種した種についても
自分の経験を生かすことはできると思っています。
一例をお話します。
自家採種した種は、そのまますべてを
保管しておけばいいというものではありません。
必ず選別が必要になります。
その方法が手箕(てみ)による選別です。
(手箕とは竹ひごなどで編まれた
日本の伝統的な農作業用の箕のことです)
この手箕の中に採取した種を入れ、
前後に振るう感じで動かすと、
中身のしっかりした種が手前に、
中身が空っぽのものが外側に集まっていきます。
因みにこの空っぽのものは粃(しいな)と呼ばれます。
この粃を取り除いておけば、
せっかく播種したけれど次のシーズンに芽がでない、
なんて嘆くことがなくなります。
(もちろん品質管理はこれだけに留まらず
保管場所や温度・湿度管理など多岐にわたります)
とまあ、こんな感じの、
聞けば当たり前と思えるようなことですが、
こういうひと手間が農業全体の品質を上げていく
重要なアクションであると私は考えています。
さて、少し話題を変えたいと思います。
既述の通り、私は前職で種取りの仕事をしており、
その当時も毎日、栽培中の畑を見てきました。
先日、目の前に広がる翔栄ファーム農場を見ながら、
ふと気が付いたことがあります。
それは私の前職での記憶にある畑の光景とは、
栽培に対する態度が若干違うと感じたことでした。。。
因みにここでいう「栽培に対する態度」とは、
固定種・在来種の自然栽培という話ではなく、
「作物に対する干渉度合い」あるいは
「おせっかい度合い」みたいなことです。
結論を申し上げると今年の冬野菜の栽培については
少し過保護すぎたかなと思っています。
具体的にはビニールを掛けすぎたことです。
その結果、ある作物に関しては
「徒長(とちょう)」が多くなってしまいました。
(徒長とは、茎が細く葉の間隔が長く間伸びした状態のことです)
過剰対応の理由はもちろん今年の大寒波です。
ついつい温かくしてあげたいという人間的な気持ちが、
この地に最適化している固定種・在来種が備えている
自然力への信頼を上回ってしまうことがあったのではないか
と思ってとても反省しています。
この場でこの話をすべきかどうか悩みましたが、
いかに自然と人間とのバランスを取っていくのか、
すなわち共生していくのかが
自然栽培の核であることを考えるとき、
翔栄ファームの野菜の更なる品質向上を目指す上では、
真摯に取り組むべきことの一つとして、
または私たちの姿勢としてお客様にお伝えしたいと思ったのです。
というわけで、、、
即売所でスタッフと話をしたところから始まり、
彼らの熱い情熱に心打たれ、
自分も飛び込み現在に至るわけですが、
正直自然栽培の実作業はとてもハードです。
しかし新人ならではの客観的視点や気づきを大切にしながら、
またその中でも自分の種管理の経験と知識も生かしながら、
更なる品質向上を目指して、翔栄ファームの自然栽培に
従事していきたいと思っています。
皆様どうぞ、これからも宜しくお願いします。
「初めまして」翔栄ファームの龍ヶ崎農場で働いている井上といいます。昨年の秋から翔栄ファームの一員に加わりました。農場便りに初登場となりますので宜しくお願いします。
私自身、自然栽培はもちろん初めての経験ですし、農業自体の経験もまだまだ浅く、日々勉強の修行の身です。ただ、もともと一般的な栽培方法である慣行農法には少し思うところがあったため、固定種・在来種の自然栽培野菜を探していたところ、翔栄ファームのことを知りました。
当時はまだ「利用者の一人」でした。
「翔栄ファームが近隣の即売所で卸販売する」という情報を聞きつけ、実際に足を運んでみたのが昨年の夏。即売所ではwebサイトで見たことがある人たちが、自分たちの育てた大切な野菜を真剣かつ丁寧に説明をしながら販売している姿がありました。彼らより栽培方法や固定種それぞれの特徴などについて直接話を聞くことができ、また自然栽培農業に対して興味があることを伝えることもできました。
その後のプロセスは割愛しますが、このような出会いがあり、今では翔栄ファームの一員として固定種・在来種の自然栽培農業を行っています。
前置きはさておき本題に入ります。
翔栄ファームでは100%の自家採種を目指して、日々の農作業を実践していますが、ただ種を採ればいいというものではありません。次のシーズンに播種する種がしっかり育つように、種の品質管理を向上させる必要があります。
私は翔栄ファームの一員になるまでは、別の環境で「種取り」の仕事をしていました。固定種・在来種の自然栽培ではありませんでしたが、採取した種の品質管理という点ではいくばくかの手法を知っています。その点において、翔栄ファームの自家採種した種についても自分の経験を生かすことはできると思っています。
一例をお話します。
自家採種した種は、そのまますべてを保管しておけばいいというものではありません。必ず選別が必要になります。
その方法が手箕(てみ)による選別です(手箕とは竹ひごなどで編まれた日本の伝統的な農作業用の箕のことです)。
この手箕の中に採取した種を入れ、前後に振るう感じで動かすと、中身のしっかりした種が手前に、中身が空っぽのものが外側に集まっていきます。因みにこの空っぽのものは粃(しいな)と呼ばれます。この粃を取り除いておけば、せっかく播種したけれど次のシーズンに芽がでない、なんて嘆くことがなくなります(もちろん品質管理はこれだけに留まらず保管場所や温度・湿度管理など多岐にわたります)。
とまあ、こんな感じの、聞けば当たり前と思えるようなことですが、こういうひと手間が農業全体の品質を上げていく重要なアクションであると私は考えています。
さて、少し話題を変えたいと思います。
既述の通り、私は前職で種取りの仕事をしており、その当時も毎日、栽培中の畑を見てきました。先日、目の前に広がる翔栄ファーム農場を見ながら、ふと気が付いたことがあります。
それは私の前職での記憶にある畑の光景とは、栽培に対する態度が若干違うと感じたことでした。。。因みにここでいう「栽培に対する態度」とは、固定種・在来種の自然栽培という話ではなく、「作物に対する干渉度合い」あるいは「おせっかい度合い」みたいなことです。
結論を申し上げると今年の冬野菜の栽培については少し過保護すぎたかなと思っています。具体的にはビニールを掛けすぎたことです。その結果、ある作物に関しては「徒長(とちょう)」が多くなってしまいました(徒長とは、茎が細く葉の間隔が長く間伸びした状態のことです)。
過剰対応の理由はもちろん今年の大寒波です。ついつい温かくしてあげたいという人間的な気持ちが、この地に最適化している固定種・在来種が備えている自然力への信頼を上回ってしまうことがあったのではないかと思ってとても反省しています。
この場でこの話をすべきかどうか悩みましたが、いかに自然と人間とのバランスを取っていくのか、すなわち共生していくのかが自然栽培の核であることを考えるとき、翔栄ファームの野菜の更なる品質向上を目指す上では、真摯に取り組むべきことの一つとして、または私たちの姿勢としてお客様にお伝えしたいと思ったのです。
というわけで、、、即売所でスタッフと話をしたところから始まり、彼らの熱い情熱に心打たれ、自分も飛び込み現在に至るわけですが、正直自然栽培の実作業はとてもハードです。
しかし新人ならではの客観的視点や気づきを大切にしながら、またその中でも自分の種管理の経験と知識も生かしながら、更なる品質向上を目指して、翔栄ファームの自然栽培に従事していきたいと思っています。
皆様どうぞ、これからも宜しくお願いします。