さて、今回は妊娠を機に食への意識が変わり、無農薬の野菜作りや手作り調味料を取り入れる生活に変わった私自身の話です。
家族で畑を借り野菜を手育てる楽しみ、子どもの食育と健康、安心で学びある食生活の記録です。
■妊娠をきっかけに変わった私の食生活
妊娠をしたことで、私の中で食への意識が大きく変わりました。
それまでは「お腹が満たされればそれでいい」と思っていた部分があり、正直、食品の原材料や添加物にあまり目を向けていませんでした。
調味料にしても、みりんとみりん風調味料の違いすら知らず、安さを基準に選んでいたほどです。
砂糖は真っ白な精製されたもの、塩もスーパーで一番安いもの。
調味料の味の違いや奥深さ、原材料と作り方を気にしてラベルを見たり、選ぶ発想すらありませんでした。
しかし、妊娠を機に「私が食べるものが、そのままお腹の中の赤ちゃんの身体をつくっている」
という当たり前の事実を改めて実感し、そこから少しずつ食生活を見直すようになりました。
そして出産後、離乳食が始まると、市販のベビーフードやお菓子に含まれる添加物が気になるようになり、
「安心して食べさせたい」という想いが強くなっていきました。
また調理方法も見直しました。
これまでは何気なく茹でていた野菜を、栄養を逃がさないように蒸篭で蒸したり、
素材そのものの味を活かす工夫を取り入れるようになりました。
ほんの少しの意識の変化ですが、それが我が家の食卓のスタンダードになっていきました。
■自然栽培の野菜づくりとの出会い
次に私が注目したのは「野菜そのものの質」でした。
化学肥料や農薬を使って大量に作られた野菜よりも、できるだけ自然な環境で育てられた野菜を選びたいと思うようになりました。
幸い、新潟に住んでいた頃は、近くの地場産センターで自然栽培や無農薬の野菜が手軽に、しかも安価に手に入りました。
野菜は基本的にそういった野菜を買うように心がけ、子供のおやつも手作りまたは添加物のないものを選ぶようにしていました。
しかし、神戸に引っ越したことで状況は一変します。
近くではなかなかそうした野菜が手に入らず、選択肢が限られてしまったのです。
そこで思い切って、以前から興味があった家庭菜園を始めることにしました。
レンタル農園を借り、約10メートル四方の小さな畑を拠点に、
農薬や化学肥料を使わず自然栽培で野菜を育てる生活がスタートしました。
夏にはミニトマト、ピーマン、ツルムラサキ、ししとう、ナス、きゅうり、オクラ、小玉スイカを育て、
秋から冬にはにんじん、大根、かぶ、葉物野菜、そして春にはスナップエンドウやいちごを育てています。
特に子供は夏の小玉スイカとトマト、春のいちごを楽しみにしています。
今年は小玉スイカが約15個ほど収穫できました。
皮が薄く、ぎりぎりまで真っ赤な実で甘くてみずみずしい自慢の小玉スイカです。
いちごは毎年同じ畑の方から株分けして頂き、20株以上を育て、家族でいちご狩りを楽しむのが恒例です。
3週間ほどいちご狩りを楽しみ、食べ飽きるほど取れるのでジャムに加工したりもしています。




子どもは虫取りをしながら畑で遊ぶのが大好きで、畑へ行くのを嫌がることもなく
むしろ楽しみながら食育もでき、ほんとうに畑をはじめてよかったと思っています。
栽培方法は決して特別ではありません。
雑草を刈ってマルチ代わりにし、米ぬかや落ち葉を堆肥として漉き込み、植え付け前に少しだけ土に混ぜる程度。
水やりも毎日行けるわけではありませんが、それでも野菜は立派に育ち、
時にはにんじんや大根が驚くほど大きく、しかも甘く育ちます。
お裾分けをするとご近所の方にもとても喜ばれます。
一方で、きゅうりやオクラは収穫のタイミングが難しく、1日で巨大化してしまうので、
毎日畑に行けない我が家では一度きりでやめたものもあります。
そんな失敗も含めて、畑のある暮らしは家族にとって大切な時間になっています。

■手作り調味料と家族で楽しむ食育
野菜づくりを始めてから、食へのこだわりはさらに広がりました。
最近では麹を使った調味料を自家製で取り入れています。
醤油の代わりに醤油麹を作って野菜と和えたり、炒め物に使ったり、コンソメ麹を作ってスープのベースにしたり。
市販の調味料に頼るのではなく、できるだけ自然で身体に優しいものを自分の手で作る工夫を楽しんでいます。
また、毎年恒例となっているのが味噌づくりです。
新潟時代にご縁のあった方から自然栽培の大豆と手作りの麹を譲っていただき、塩も自分で選び、子どもたちと一緒に仕込みます。
家の菌と混ざり合い、時間をかけて熟成する味噌は、手間はかかりますが
その分だけ愛着が湧き、何よりも子どもたちにとっては最高の食育です。
こうした食生活を続けてきたおかげか、子どもたちはほとんど風邪をひかず、
クラスで感染症が流行していても移ることがほとんどありません。
妊娠をきっかけに始まった「無理をせず、できる範囲で食を見直す暮らし」は、
今では家族の健康を守る土台であり、子どもたちと一緒に楽しめる大切な時間にもなりました。
= 最後に =
私たちは昨今のアレルギー・アトピー・花粉症などは、食べ物の影響だと思っており、口に入って身体を作る作物は安心・安全であるべきだと考えています。
翔栄ファームでは、群馬県と茨城県、広島県にある3つの農場で、一般的な慣行農法(農薬、肥料の投入量や散布回数などにおいて相当数の生産者が実施している一般的な農法のこと)でなく、『固定種・在来種』の種で、『農薬・化学肥料・除草剤を使わない自然栽培』で野菜や穀類を作っています。
それは、食卓に並ぶ全てを”安心・安全な翔栄ファーム印の食べ物”で提供したい!という目的からです。
私たちが自然栽培で収穫した野菜や作物を『茨城県龍ヶ崎』と『群馬県前橋』の各圃場と、東京都の東中野にある『ビセットプラザ』で店頭販売を行っています。
また通販サイトの『しぜんとくらそ』では、各季節の旬な野菜を詰め合わせた”【定期宅配】季節の産直野菜いろどりセット”などもインターネットで販売しています。宅配にしか入らない野菜もありますので、定期宅配のご利用もお待ちしています。