皆さんこんにちは!翔栄ファーム『群馬県前橋農場』のMです。
私たちは昨今のアレルギー・アトピー・花粉症などは、食べ物の影響だと思っており、口に入って身体を作る作物は安心・安全であるべきだと考えています。
翔栄ファームでは、群馬県と茨城県にある2つの農場で、一般的な慣行農法(農薬、肥料の投入量や散布回数などにおいて相当数の生産者が実施している一般的な農法のこと)でなく、『固定種・在来種』の種で、『農薬・化学肥料・除草剤を使わない自然農法』で野菜や穀類を作っています。
それは、食卓に並ぶ全てを”安心・安全な翔栄ファーム印の食べ物”で提供したい!という目的からです。
さて、今回は毎年秋から冬にかけて作っている「腐葉土」についてです。
公園や畑の周りの落ち葉を拾い集めて作っており、栄養たっぷりの腐葉土は、無農薬・化学肥料不使用で育てている翔栄ファームにとって、とても大事な栄養源です。
■腐葉土ってなに?
「腐葉土(ふようど)」。皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思いますが、
実際どのように作り、どのように使っているのかまでわかる人は少ないかと思います。
主に落ち葉などをかき集め、箱や袋に入れて、そこに米糠や水を加え、軒下に置いておくと腐葉土が完成します。
季節にもよりますが、完成まで早ければ半年、長ければ1年ほどかかります。
1年ほど置けば、落ち葉などをミミズや微生物がほぼ全て分解し、葉が崩れて土のように変化し、堆肥の一種になります。
この腐葉土を土に混ぜることで土全体に微生物が増え、植物の成長を助けるふかふかの土にしてくれるのです。
腐葉土は、土壌をより良い状態へ改善してくれるので、無農薬・化学肥料不使用の翔栄ファームでは
とても重要な活力剤となっています。
また、腐葉土は「通気性」「保肥性」「保水性」を兼ね揃えています。
腐葉土自体にあまり栄養分はありませんが、有機物を分解する微生物が多いため、
土と混ぜることで土壌自体に微生物が増加し、葉を分解する際に生成される養分で土壌が改善されていきます。
また分解され土になっているとはいえ、多少葉の形が残っているので、土壌内に小さな空間がいくつも生まれて通気性・保水性に繋がります。
なので、腐葉土を少し加えることで、通気性がよく、空気が含まれることでふかふかの土壌にすることができます。
土壌に「通気性」「保肥性」「保水性」が備わることで、結果として植物が育ちやすくなります。
では、腐葉土と堆肥は何が違うのか?結構疑問に思う方が多いと思います。
・「堆肥」とは
一般的に動物のフン(牛糞など)や生ゴミなどを完全に分解し、土のようになるまで発酵したものを指します。
なので、堆肥は有機物が分解されたものを指しているので落ち葉という有機物を分解した腐葉土も堆肥の中の一つとなります。
しかし翔栄ファームでは牛糞などの堆肥は使わずに落ち葉だけで作った自家製腐葉土と、草マルチだけで野菜を育てています、
牛糞や鶏糞もとっても肥料としては良いのですが、
やはり遺伝子組み換えの肥料などを食べて育った牛の糞を混ぜることはしたくありません。
また、作物を育てる土の周り、土に生えた雑草を使うことが一番の肥料になると私たちは考えています。
■翔栄ファームの腐葉土について
毎年秋から冬にかけて落ち葉が沢山採れるころに仕込みます。
軽トラを走らせ近くの公園へ行き、約トラック2台分の量。
ゴミ袋でいうと45リットルの袋約100袋分ぐらいの量をかき集めます。
落ち葉は軽いので足で踏み込んで嵩を少しでも減らしてから入れます。
落ち葉を入れる際には分解されにくい固いもの(木の枝や小石)が入り込まないように注意します。


前橋圃場にも龍ヶ崎圃場にも腐葉土を作るための小屋があります。
屋根は必要で、雨が直接当たってしまうと菌が流れたり温度が下がるからです。
湿度は保ちつつも雨・風にさらされないところが一番良いです。
葉っぱを小屋に入れて、その上から水と糠を撒き、踏み込んで混ぜ込みます。
もちろん糠は自然栽培の糠を使用しています。
時おり混ぜたり水をかけたりしながら翔栄ファームでは約1年間寝かせます。
水をかける理由は、水をかけることで微生物や細菌がより活発に働くからです。やはり水分がないと微生物たちも弱ったり、動きが鈍くなります。
水は人間だけでなく生きているすべてのものにとって必要不可欠なのです。
また、糠を入れることで酵母菌なども増え、発酵熱が出ます。
さらに分解するときにも熱が発生し、その熱が分解をより促進させます。
温かくなると微生物も活発に動きます。だから夏は分解が早いのです。
しかし糠を入れすぎると栄養過多で育苗には使えないので、その塩梅が結構難しいです。



だいたい一年もすると、腰ぐらいの高さから膝ぐらい高さまで減ります。
3分の1~5分の1ほどにまで減るので微生物たちの分解能力はすごいですよね。
ほぼ落ち葉の形跡もなく土になっています。
余談ですが、夏カブトムシたちは上からレジャーシートをかけていても卵を産みにやってきます。
幼虫にとって必要不可欠な栄養素があることを虫はわかっているのですね。
また腐葉土作りには良いことで、カブトムシの幼虫は土の中の栄養を食べて分解し、糞として排出します。
自然界でもそのように、糞は育っていく木々の栄養となっています。
多すぎてはいけませんが、ある程度の幼虫は分解して、糞として栄養を残してくれます。
共存共栄は必要なことです。



■腐葉土の使い道
腐葉土は土に混ぜて土壌全体の状態を改善します。
翔栄ファームではよく育苗の土に混ぜて使っています。他にも少し元気がない作物の周りに撒いたりしています。
腐葉土の量が多すぎてしまうと、土に空気が含まれすぎて作物の根が不安定になってしまったり、
水分を含みすぎて植物の根を腐らせてしまったりするので割合や状況を見て使用しています。
少しづつ暖かくなってきたのでそろそろ育苗が始まります。
レタスの種まきを近々行う予定です。
2月に入ったら春菊もビニールで育て始め、じゃがいもは今収穫しているものを種芋のとして保管しもうすぐしたら植える予定です。
なすび・ピーマンの育苗も2月~3月頃から始まります。
この育苗する土にも毎年作っている「腐葉土」を少し混ぜて作っています。
引き続き安心安全な翔栄ファームのお野菜、楽しみにお待ちくださいね。


腐葉土作り以外にも冬場は、春に向けて畑を整備しています。
仕立て直したり、春に向けて置いておいた畝に雑草が生えているのでそれらを刈り、草マルチをして置いています。
草マルチは温度にもよりますが、夏場だと1か月後には敷いた分がもう土に戻ろうとしています。
長かったら半年ほどしたら原型がなくなって、1年もしたらほぼ完全に土に返っており、種撒きする土にもってこいです。
なので冬の今は腐葉土を作ったり、春に向けて植える野菜の畝仕込みをしています。
他にもどこに何を植えるか計画を立てたり、種撒く量の計算をしています。
このように翔栄ファームでは一年を通して、腐葉土作りや作物の種まき・育苗・植え付けを行っています。
腐葉土にしてもそうですが、基本的に他所から持ってくるのではなく出来る限り畑の中にあるものを利用し循環させています。
「自然栽培の基本はその場所でできるもの作れるものを作るのが基本」
それが一番おいしいくできる基本と考えています。
特産品が場所によって異なるように、その土地土地に合う合わないがあるのです。
在来種・固定種がその地その地で受け継がれているのにはそういった理由があると考えます。
しかし、チャレンジしていろんな作物を育てる楽しみもあります。
引き続きこれからも基本を胸に、チャレンジもしつつ前橋・龍ヶ崎圃場でできるだけたくさんの作物を作ってお届けできたらと思います。
他にも自然栽培で収穫した野菜や作物を『茨城県龍ヶ崎』と『群馬県前橋』の各圃場と、東京都の東中野にある『ビセットプラザ』で店頭販売を行っています。
また通販サイトの『しぜんとくらそ』では、各季節の旬な野菜を詰め合わせた”【定期宅配】季節の産直野菜いろどりセット”などもインターネットで販売しています。宅配にしか入らない野菜もありますので、定期宅配のご利用もお待ちしています。