皆さんこんにちは!翔栄ファーム龍ヶ崎農場のNです。
翔栄ファームでは、自社農園で無農薬・無化学肥料の自然栽培にて色々な作物を作っています。野菜以外にも、お米、大豆、麦などの穀類も栽培しています。
私は2021年9月から翔栄ファームの龍ヶ崎農場で働き始めました。それまでは農業とは全く違う薬剤師の仕事をしていました。
今回は私が未経験から自然栽培の農業をやってきて感じたことについてお伝えします。
■ 私が自然栽培の農業に興味を持ったキッカケ
そもそも自然栽培の農業を始めたキッカケですが、なんとなく農業を特集したテレビ番組を多く見るようになり、そこに出てくる人達の人柄が良く、自然の中で農業することは体にいいのかなと思ったことからでした。
その中で木村秋則さんのことを知りました。農業をやっている人であれば多くの人が知っているであろう、奥様が農薬に過剰反応することをキッカケに、相当な労力を重ねながら11年かけて無農薬・無施肥のリンゴ栽培に成功された「奇跡のリンゴ」の木村さんです。
木村さんが参考にされたという、農哲学者・福岡正信さんの著作『自然農法』も読んでみました。科学的要素を感覚で表している本で、まだ農業の入り口にもいなかった私には難しい内容でした。
今まで目を向けてなかった農業が気になり出し、やってみたくなりました。そしてもしやるなら人にも地球にも優しい”自然栽培”が良いと思うようになりました。そこから転職を考えるようになり、出会ったのが翔栄ファームでした。
■ 私が自然栽培で作った作物
始めて体験する農業は知らないことばかりで、先輩に教えてもらいながら無我夢中で作業しました。普段何気なく買い物をして、調理して食卓に並ぶ作物が出来上がるまでにこれほど大変なのか!と毎日痛感しました。我ながらよくある表現とは思いますが、本当に身を持って痛感だったのです。
慣れない作業の連続でしたが、季節ごとの様々な作物作りを通して自然の凄さも厳しさも経験しました。作物それぞれでの経験を語り始めるとキリがなくなりますので、特に印象深かった作物を挙げます。
【最も豊作だった落花生】
龍ヶ崎農場では数年続けて安定して収穫できているのですが、2023年9月から10月にかけて収穫した落花生は群を抜いての大豊作でした。種を撒いた後はあまり手がかからない作物である落花生は、いくつかある翔栄ファームの畑の中から、同僚のMさんが選んで栽培した畑と超ストライクの好相性だったのか、この時ばかりはとれどもとれども、まだまだとれるという状態でした。
収穫方法は手作業で、土から出ている何本もの茎を指に絡めてなるべく株ごときれいに抜きとるというもので、とても腰に負担がかかりましたが、夢中で収穫しまくりました。
今年も栽培予定で、乾燥ピーナッツなど加工品も作りたいなと想像しながら、今から種撒きが楽しみです。
【難易度が高い野菜”キュウリ”と”トマト”】
キュウリとトマトは私の中では難易度が高い野菜のツートップです。
とにかくケアが大変です。葉の剪定・害虫駆除・雑草の刈り取り・雨よけのシートをかけるなど、種を撒いてからはほぼ毎日何かしらの対応が必要です。大雨や乾燥など天候変動で育ちが悪かったり、せっかく実がなっても割れてしまったりするのです。
キュウリは栄養不足であったり、こまめに収穫できなかったりすると曲がってしまうのです。
こうなると売り物にはなりません。画像の真ん中のまっすぐなキュウリだけが出荷できるのです。ここ数年で見ても高温と乾燥が続いた2023年の夏は収穫量が激減しました。
自然の厳しさを最も痛感した作物でした。
翔栄ファームのように無農薬・無化学肥料の自然栽培のためにとても重要なのが土作りです。微生物の力を借りて土の栄養度を高めるために必要なことを学び実践しました。
何年も同じ土で作物を栽培していると、もともといた微生物や良い菌がいなくなり、土は劣化していきます。劣化した土では作物は育ちません。また、病害虫の被害にもあいやすくなります。これを連作障害といいます。この連作障害を解消してくれるのが「緑肥」です。
緑肥植物として、麦・えん麦・ソルゴーなどの穀類や、豆科のヘアリーベッチ・カラスノエンドウなどを生やして、有機物や肥料成分を供給することで土が肥えるのです。その結果自然の力がたっぷり詰まった野菜が収穫出来ました。
雑草が青々と茂っている場所や、竹系の植物が生えている場所は肥えた土地であることも知りました。
■ 私が2024年挑戦したい自然栽培の作物
こうして多くの情報を調べてインプットし、実践することで龍ヶ崎の土地に合った作物や、育て方を日々学んでいます。この知識と経験を活かした2024年の春野菜作りが始まっています。
私が力を入れて作りたいのが、小松菜・春菊・ルッコラ・紅法師(べにほうし)・カブ類・人参・葉ごぼうなどたくさんあります。
すでに種も撒き終え、2ヶ月後には収穫予定です。
収穫できる野菜が激減する”端境期”が終わりに近づき、多くの作物が畑で元気に成長しています。昨年よりももっと多く、もっと美味しくできるように日々畑に向かい、安心安全な翔栄ファームの作物を食卓にお届けするのが私の仕事です。
翔栄ファームでは自然の力を借りながら、安心で安全な自然の力がたっぷり詰まった作物を栽培しています。
また通販サイトの『しぜんとくらそ』では、各季節の旬な野菜を詰め合わせた”【定期宅配】季節の産直野菜いろどりセット”などもインターネットで販売しています。宅配にしか入らない野菜もありますので、定期宅配のご利用もお待ちしています。