こんにちは!翔栄ファーム龍ヶ崎圃場(ほじょう)のKとMです。
翔栄ファームでは、自社農園で無農薬・無化学肥料栽培にて色々な作物を作っています。野菜以外にも、お米、大豆、麦などの穀類も栽培しています。
それは、食卓に並ぶ全てを”安心・安全な翔栄ファーム印の食べ物”で提供したい!という目的からです。
今回は、日本人にはなくてはならない『翔栄ファームのお米作り2023年』についてお話しします。
まさに汗と涙が噴き出すような苦労の連続ですが、楽しんでいただけますと幸いです。
■ 2023年のお米作りが始動!
2023年になり、私たちの米作りが始まりました。開墾と整地により田んぼは1.5倍になりました。田植えの準備を進めていくうちに作るお米の品種についての議題が持ち上がりました。
前回作った『コシヒカリ』の歴史は戦時下の1944年に始まり、現在では北海道と沖縄を除く日本全国で作られています。炊きあがりのつやと香りが良く、甘みともっちりとした粘りとうま味の強さで味はとてもおいしく、お米の品種別作付状況も2位のひとめぼれに大差をつけてトップという日本が世界に誇る超有名ブランドです。
しかしコシヒカリは、背丈が高くひょろひょろっと成長するので風や台風には弱いという特徴もあるのです。前回の翔栄ファームの田んぼでは台風の影響でほとんどが倒れてしまい、穂が垂れて収穫がとても大変だったため、今回は改善するために慎重に品種選びの検討を重ねました。
その結果、田んぼの面積が増えたため、技術力の向上と品種の選択の幅をお客様に喜んでいただきたいと思い、今回は違う品種を2種類作ろうということになりました。
■ 1つ目の品種はお米アレルギーがあっても食べやすい『日本晴(ニッポンバレ)』
1つ目の品種は『日本晴(ニッポンバレ)』です。
日本晴は1963年に誕生した歴史のある品種で、コシヒカリが出てくるまでは日本で最も多く栽培されていた品種です。
選定の理由として、作る上では栽培が簡単で安定した収穫が見込める品種であることでした。
味については、つややかな光沢で粒がしっかりしていて、甘みがちゃんとありつつもあっさりした味わいと、粘りすぎずしっかりとした食感は、懐かしいごはんの味わいを楽しむことができるため根強い人気があります。
冷めても美味しいという特徴もあるため、多くの寿司店や割烹和食屋で利用されています。
おかずの味を邪魔しないお米なので、どんなおかずにも合います。ご家庭では、チャーハンやちらし寿司にもおすすめで、多少汁気のあるおかずを乗せてもべちゃべちゃになったりもしないので、牛丼などの丼物にも向いてます。
日本晴を選んだそのほかの理由として『お米アレルギーがあっても食べやすい品種』であることでした。
近年ではお米アレルギーを持つ方が増えているそうです。
お米によるアレルギーの原因として、「残留農薬、デンプン質、他の食品アレルギーとの関連、そしてタンパク質」の4つが主に考えられており、症状のほとんどが湿疹で”アトピー性皮膚炎”を悪化させる原因になるそうです。
お米の種類には、アミロースと呼ばれるデンプン質を持つ「ウルチ米」と、アミロペクチンと呼ばれるデンプン質を持つ「モチ米」があります。
近年ではコシヒカリを代表とするモッチリ感の強いお米が好まれ、ほとんどの品種がモチ米の性質であるアミロペクチンを持っています。このモッチリ感のアミロペクチンがアレルギーの原因と言われるようになってきました。
甘くて冷めてもモチモチするなど味の旨味を求める消費者や、病気に強く短期間で多くの量を収穫できるようにと栽培の効率化を求める農家、そしてスーパーや量販店の低価格競争に応じるために供給面での安定性を求める流通業界など、品種改良の技術は実に多くのニーズに応えてきました。
こうした、私たちが代々ご先祖から長いこと食べ続けてきた”在来種”のお米とは、異なる”でんぷん”の組成をしているお米を食べることによって、消化不良やアトピーなどのお米アレルギーを発症する乳幼児や子どもたちが増えてきているそうです。
一方で、在来種のお米はアミロースが高い分糖化が進みにくいために、消化や吸収もゆっくりで身体への負担が少なく、お米アレルギーも出にくいといわれています。
以上の理由から日本晴を選びました。
■ 2つ目の品種は食味ランキング最上位を示す特Aランクの『秋田小町(アキタコマチ)』
2つ目の品種は『秋田小町(アキタコマチ)』です。
『あきたこまち』という名前は秋田県小野の里に生まれ、美人の誉れ高い平安時代の歌人小野小町にちなみ、おいしいお米として末永く愛されるように、と願いを込めてつけられたそうです。
親のコシヒカリから良食味を引き継いでおり、香り・旨味・甘味・粘りのバランスが良いお米です。
秋田県産あきたこまちは、食味ランキング最上位を示す特Aランクに幾度となく選定されており、粘りと弾力性に富み、もち肌のような繊細で美しい光沢と粘りが特徴です。
お米アレルギーがない方々へ、食味の変化を考えてもちもちの食味のお米もあった方が良いのではと考えて作ることを決めました。
■ 10年余り耕作放棄地の整備から始まった苦労満載の2022年お米作りを振り返って
そもそもお米作りは準備期間を含めて2021年からプロジェクトが始動しました。
10年余り耕作放棄地となって、一部は森林と化していた休耕田を重機で整地して、水路を掘り直して、揚水ポンプを修理して水を張り、稲作作りの準備が終わりました。
文字にするとたったのこれだけですが、様々な困難や細かく膨大な作業を経て、お米作り開始にこぎつけました。
その模様は過去の農場便りにまとめてありますので、お時間があればぜひご覧ください!!
沢山の方々のお力とお知恵にすがりながら、なんとか始動した米作りですが、稲を植えてしまえば終わり!というわけにはいきません。ここからさらに多くの難関が立ちはだかりました。
それは『雑草との戦い』あり、『害虫との戦い』あり、『台風によるドミノ倒しの様な倒状』ありと、無農薬・無化学肥料で除草剤を使わない自然栽培の宿命ではありますが、今思い出してもため息が出るような体験でした。
その模様は過去の農場便りにまとめてありますので、こちらもお時間があればぜひご覧ください!!!
【農場便り】稲作プロジェクト2「夏を乗り越え、収穫前の稲作」
農家の先輩方に大いなる協力をいただき迎えた収穫ですが、期待に大きく膨らんだ胸がしぼんでしまうような結果でした。
収穫した籾を乾燥・調整・籾摺りしていただいた結果、玄米の収量は約2反歩(約600坪、約1983.6平方メートル)の田んぼで240kg、慣行栽培のおよそ1/4、自然栽培として目論んでいた量と比較しても1/2以下というちょっと寂しい結果となりました。
いろいろと苦労した割に量的には不発に終わってしまった挑戦1年目の稲作ですが、農薬・化学肥料不使用の自然栽培コシヒカリの味は最高でした!手塩にかけた思い入れも少なからずあるとは思いますが、炊き立てのご飯で作ったおにぎりを感無量で頬張りました。
その模様は過去の農場便りにまとめてありますので、こちらもお時間があればぜひぜひご覧ください!!!!(これで最後です。すみません!)
2023年に作るお米の品種は決まりました。
ここから本格的にお米作りが始まります!汗と涙が噴き出すような苦労の連続の始まりです。
その内容は次回の農場便りでお話しいたします。